サイレント漫画とは|言葉を抑えて伝える形式
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台詞を置かずに進む場面があります。ここでは架空の三コマをこしらえて、何が描かれ、そこから何を読み取れるかを並べました。言葉がまったく無いとは限らず、効果音が入ることもあります。コマとコマのあいだの空きも、読む材料のひとつです。
言葉を抑えた形がある
ページをめくっても、台詞が置かれないまま話が進んでいく場面があります。
静止しているのとは違います。絵のほうが次々に変わって、話は前へ動いています。
言葉の少なさは、情報の少なさとは別のことです。 置き場所が言葉から絵へ移っているだけです。
自作の無言シーンを置いてみる
並べた三コマは、説明のためにここで組み立てたものです。 元にした一場面はありません。
一つ目と二つ目には、言葉がありません。 置かれたものと、外の様子が変わるだけです。
三つ目には短い言葉が一つだけ入っています。 一語あるだけで別の形になるのではありません。
何が起きたかは、絵の並びのほうから受け取れます。 主語にあたる説明は置いていません。
言葉がゼロとは限らない
文字が一つも無い作りもありますし、ところどころに置く作りもあります。
片方を標準の形として立てはしません。 抑えてある、という点が共通しているだけです。
数えて線を引く必要もありません。 何文字までなら入る、という上限は置かれていません。
読んでいて言葉が目立たなければ、そう読んでおけば十分です。
絵・動き・表情・間の四つ
| 材料 | そこから分かること |
|---|---|
| 絵 | どこにいるか |
| 動き | 何をしたか |
| 表情 | どう感じたか |
| 間 | どれだけ経ったか |
四つに順番はありません。 どれから受け取っても構いません。
四つとも使われているとも限りません。 材料が一種類で足りる場面もあります。
四つ目の「間」だけは、紙の上に描かれていません。 次の節で別に見ます。
何も描かれていないところも材料になる
隣り合うコマのあいだには、何も置かれていない空きがあります。
そこを通るあいだに、時間が進んだと受け取れます。 空いた部分は読み手の側で補われています。
空きが広いか狭いかを測る話ではありません。 あいだがあること自体が材料になります。
言葉を抑えた場面では、ここが効いてきます。 説明が置かれないぶん、あいだの受け取り方が残ります。
言葉の量で決めつけないこと
見ておきたいのは、言葉が抑えてあるかと、絵の並びが動いているかの二つです。
表情から受け取るとき
四つの材料のうち、表情はいちばん受け取り方が分かれるところです。
同じ顔でも、前のコマ次第で別に読めます。 直前に何が起きたかが効きます。
顔が描かれていないコマもあります。 背中や手元から受け取ることになります。
受け取れなかったコマがあっても構いません。 次のコマで分かることがあります。
| 表情の置かれ方 | 受け取り方 |
|---|---|
| 顔が見える | 直前の場面と合わせて |
| 顔が見えない | 姿勢や手元から |
読み違えても構いません。 言葉が無いぶん、幅が残されています。
効果音や書き文字が入ることもある
台詞は無くても、音を表す文字が置かれることがあります。
その文字は、吹き出しに入らず、絵の中へ直接書かれていることが多いところです。
文字があるからこの形ではない、とはなりません。 台詞として話しているかどうかは別です。
読むときは、絵の一部として受け取っておけば足ります。
追えなくなったときに戻る先
読み進めていて、何が起きたか分からなくなることがあります。
一つ前のコマへ戻ります。 変わったところがどこか見ます。
二つのコマを並べて見ます。 何が動いたかが差として出ます。
それでも分からなければ、そのまま進めます。 後のコマで分かることがあります。
分からないまま読み終えても構いません。 全部を受け取る形ではありません。
もう一度読むと、違うところが見えることがあります。
向けや分かりやすさを先に決めない
言葉が少ないことから、誰に向けて作られたかは決まりません。
言葉が要らないぶん広く読める、という言い方を見かけますが、絵から受け取る習慣は読む人によって違います。
分かりやすい形だと決めてしまうと、読めなかったときに自分のせいに見えてしまいます。 もともとそこを測る形ではありません。
受け取れたところだけ持って帰れば十分です。
短い言葉はどこに置かれるか
言葉を抑えた形でも、文字がまったく無いとは限りません。 置かれる場所を挙げます。
吹き出しの中。 ひと言だけ入ることがあります。
絵の中に直接。 音を表す文字がこの形です。
看板や手紙。 場面の中にある文字として読めます。
枠の外の小さな文字。 場所や時を示すことがあります。
どこに置かれていても、量が抑えてあるかどうかで見ます。 置き場所では決まりません。
どこまでをこの記事で見るか
並びの近い記事があるので、扱う範囲をはっきりさせておきます。
台詞の無い作品を探す記事は、探し方のほうを扱っています。 あちらはどこを見ると自分に合う一作へ近づけるかの話です。
ここで見るのは、言葉を抑えた形そのものの成り立ちだけです。 一作を決める段は扱いません。
吹き出しの形を読み分ける記事とも別です。 そちらは言葉が置かれているときの入れ物の話でした。
絵の描き方や、コマを割る側のことにも入りません。
言葉・絵・動き・間を見る
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 言葉 | ゼロと決めてないか |
| 絵 | 何が置かれたか |
| 動き | 変わったところ |
| 間 | すきまも見たか |
| 読み | 一通りと決めてないか |
一場面だけ言葉を隠して読んでみる
手元の作品で、台詞のある見開きを一つ選びます。
指で吹き出しを隠して、絵の並びだけで何が起きたかを追ってみます。
追えたなら、そのぶんは絵が受け持っていたということです。 追えなければ、そこは言葉が運んでいた部分になります。