COMISTA JOURNAL漫画を描く

スポーツ漫画の物語を作る|試合と人物の課題をつなぐ

公開日

試合の場面を書いても人物が変わらないとき、試合前の課題・試合中の選択・試合後の変化を並べて見比べます。架空の競技で三つの段を埋め、選択が課題とつながっているかを確かめます。勝ち負けは変化の印ではありません。

「スポーツ漫画の物語を作る」を表したイラスト

試合を書いても、人物が変わらない

試合の経過を最後まで書いたのに、終わったあとの人物が同じままに見えることがあります。

競技の側は動いていても、人物の課題につながっていない状態です。 得点も逆転も書けています。

そこで、試合の前と後を見比べてみます。 課題のほうが動いたかが見えます。

試合前・試合中・試合後の三段

段 書くこと
試合前 何に詰まるか
試合中 何を選ぶか
試合後 何が変わるか

三つに順番の決まりはありません。 後ろから決めて戻る手もあります。

試合中の段が一つとも限りません。 選ぶ場面が何度あっても構いません。

未記入の段があっても止まりません。 一段だけでも書き出せます。

試合前後の課題比較を埋めてみる

試合前の課題・試合中の選択・試合後の変化の三段に、架空の競技での中身を入れた比較表の図
競技の細部ではなく、人物の課題のほうを入れています

表に入れた試合は、架空の競技での一戦です。 実在の種目ではありません。

試合前の段は、技量の話でなくて構いません。 誰かに頼れない、という詰まり方もあります。

試合中の段には、勝敗そのものではなく選んだことを書きます。 交代を受けるか、任せるか。

試合後の段が空のままなら、試合中へ戻ります。 選んだことが課題に触れていません。

選択が課題につながっているか

試合中の選択が試合前の課題とつながっている例と、つながっていない例を上下に並べた図
上は課題と線がつながり、下はつながっていません

線が引けるかどうかで、試合が人物の話になります。

上の例では、任せられなかった人物が任せる側を選んでいます。 課題と選択が同じところを向いています。

下の例では、選んだことが立派でも課題と離れています。 試合としては成り立ちますが、人物は同じままです。

線が引けなければ、課題を書き換える手もあります。 選択のほうを直すとは限りません。

試合で決めつけないこと

手元に置きたいのは、試合前の課題を書くことと、選択から課題へ線を引くことの二つです。

勝ち負けは変化の印ではない

勝敗を書く欄と、変わったことを書く欄を分けます。

勝っても課題が同じままの筋があります。 そこを変化として書くと、試合後の段が空になります。

負けた側にも試合後の段があります。 何を選び直したかを書きます。

点差ではなく、課題が動いたかどうかを見ます。

試合前の課題に書けること

技量以外にも書ける課題があります。

人に任せられない。 一人で抱える形です。試合中に交代や連携で触れます。

負けた記憶がある。 同じ相手、同じ場面で手が止まります。

続ける理由が分からない。 勝敗とは別のところで詰まっています。

期待に応えようとしている。 自分のためではない状態です。

課題の形 試合中に触れる場面
任せられない 連携の場面
負けた記憶 同じ相手
続ける理由 勝ったあと

一つで足ります。 二つ書くと、どちらが動いたか読めません。

競技の中身までは踏み込まない

ここで書くのは、競技の中身ではなく人物の課題です。

実在の種目名を出さなくても三つの段は埋まります。 架空の競技で足ります。

動き方や体の使い方を説明する必要もありません。 選んだことだけで場面は成り立ちます。

そこを書きたくなったら、それは別の種類の記事です。

試合を何度書くか

一本の中で試合をいくつ置くかで、課題の動かし方が変わります。

一試合。 前と後の比較がはっきりします。短い話に向きます。

二試合。 一度目で詰まり、二度目で選び直す形が作れます。

三試合以上。 一試合あたりが短くなり、試合の描写が薄くなります。

試合と試合のあいだに、課題に触れる場面を置きます。 試合だけ並べると、練習の話が抜けます。

試合を書かずに、前後だけで済ませる形もあります。 結果だけ渡して、課題の側を書きます。

選択と代償を扱う記事との位置

どちらを選んでも何かを失う形の作り方は、別の記事が受け持っています。

あちらは選ぶこと自体を出来事にする話で、こちらは選んだことが課題につながるかを見る話です。

試合中の段を深くしたいときは、そちらを開きます。 いま読まなくても進みます。

同時に両方を開かなくても進みます。

試合以外の筋を扱う記事との分かれ目

試合以外にも追える筋があることを扱う記事は、読む側のために置いてあります。

あちらは追える筋を見つける話で、こちらは筋と課題をつなぐ話です。

並ぶ語が似ていても、扱う側が違います。 受け取る側か、用意する側かの差です。

追える筋の言い方は、読む側の記事で拾えます。

周りの人物をどう扱うか

主になる人物以外にも、課題を持たせるかを決めます。

持たせない。 主になる一人の課題だけを追います。短い話で扱いやすい形です。

一人だけ持たせる。 二人の課題が試合中に噛み合うと、場面が厚くなります。

全員に持たせる。 一人あたりが薄くなり、誰の試合か決まりません。

相手側の人物にも課題を置けます。 勝った側が変わる形も作れます。

課題を持たない人物は、場を作る側です。 いなくてよいわけではありません。

試合前・試合中・線を見る

見るところ 確認すること
試合前 課題を書いたか
試合中 選んだことか
線 課題へ届くか
試合後 勝敗と別か
競技 手順を書いてないか

試合前の課題を、一行だけ書いてみる

いま試合の場面を書いているなら、その前の段だけを足します。

その人物が何に詰まっているかを一行書きます。 技量の話でなくて構いません。

一行書ければ、今日の分は終わりです。 続きは、手を付けたくなったときに足します。

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