漫画のギャグを考える|期待とずれから発想する
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面白い思いつきを待つのではなく、前提を一行決めて、予想と実際をずらして並べていきます。同じ前提からいくつもずれが作れますし、誰かの生まれや体を理由にしなくても作れます。
思いつきを待っても出てこない
面白い場面を考えようとして、手が止まったまま時間だけ過ぎることがあります。
思いつきを待っているからです。前提を一行決めて、そこからずらしてみるほうが手は動きます。
予想と実際をずらして置く
図で実際の札が右へずれているのは、予想とそろっていないことを形にしたものです。
ずらし幅は三組とも同じにしてあります。 ずれの大小を競わせないためです。
予想の札に罰の印を付けていません。 外れたことは失敗ではなく、そこが見どころになります。
二枚の枠も太さも同じです。 どちらかを正解にしない、という意味です。
傘一本から三通りずらす
| 予想 | 実際 |
|---|---|
| 相手に貸す | 二人とも濡れる |
| 自分がさす | たたんで走る |
| やむのを待つ | 傘を置いて出る |
前提は三つとも同じで、「傘を一本だけ持っている」です。 同じところから三通り出ています。
どれが良いずれかは書いていません。 並べて見るためだけの表です。
ずらせるところ
| ずらせる先 | 何のことか |
|---|---|
| 前提 | 置かれた状況 |
| 予想 | こうなると思う |
| 行動 | やってみること |
| 結果 | 起きたこと |
四つのどこをずらしても構いません。 結果だけを替えて三通り出すこともできます。
前提そのものを替えると、ずれ全部が入れ替わります。 行き詰まったらここを動かせます。
四つに上下は付けていません。 前提をずらすほうが上等、ということはありません。
別の前提でも同じ形
前提を替えても、書き方は変わりません。 予想を先に、実際をあとに書きます。
二組でも成り立ちます。 三つ出さなければいけないわけではありません。
出てこなければ、前提のほうを短くしてみます。 状況が絞れているほど、予想が出やすくなります。
前提に書けること
前提を一行で書くと言われても、何を置けばよいか決まりません。
足りない状況。 一本しかない、一つしか席がない、といった形です。
選べない状況。 どちらへ行っても都合が悪い形です。
やってはいけない状況。 静かにしていなければならない場所です。
| 前提の形 | 出やすいずれ |
|---|---|
| 足りない | 分け方で外す |
| 選べない | 第三の手を取る |
| やってはいけない | やってしまう |
人物の性格を前提にしません。 状況にしておくと、誰が入っても成り立ちます。
予想を先に書く
先に実際から書くと、予想のほうが後付けになります。 それでもよいのですが、ずれが小さくなりがちです。
予想は、ありふれたもので構いません。 ありふれているほど、ずれが目に留まります。
予想を書いた時点では、面白いかどうか分からなくて構いません。 実際を置いてから見ればよいことです。
ずれの大きさを選ぶ
予想と実際をどれだけ離すかで、受け取り方が変わります。
少しだけ外す。 言われてみればありそうな形です。可笑しさが静かに出ます。
大きく外す。 ありえない形です。勢いは出ますが、続けると効きません。
まったく外さない。 予想どおりに起きる形です。前で二度外しておくと、ここが効きます。
同じ大きさのずれを並べません。 三つとも同じだけ外すと、三つ目で読まれます。
大きさに正解はありません。 前後に何を置いたかで決まります。
数をそろえなくていい
一つの前提から必ず三つ出す、という決まりはありません。 一つで止めても構いません。
出た数と面白さは関係ありません。 多く出したほうが良いという話ではありません。
使わなかった組は残しておけます。 別の前提と組み合わさることがあります。
同じ前提を繰り返して使う
一つの前提は、一度きりで終わらせなくて構いません。
同じ前提で二度目を置きます。 一度目のずれを読み手が覚えているので、二度目は短く済みます。
三度目で外さない形にできます。 二度外れたあとなので、そのまま起きるだけで可笑しくなります。
前提を少しずつ変えていく形もあります。 傘が一本から、二本になる、といった形です。
繰り返す回数を決めておきます。 決めずに続けると、どこで終わるか分からなくなります。
ずれが出てこないとき
行き詰まりやすいところを、三つ並べました。 どれもこちらでこしらえた例で、実在の作品も実在の人も指していません。
どの例も、きつくする方向へは寄せていません。 予想と実際を置き直しているだけです。
前提を一行で書けたか見る
前提を一行で書いたか。 長いと、どこがずれたのか分からなくなります。
誰かの属性を理由にしていないか。 状況をずらす形に置き換えられます。
傷つけずにずらせたか。 傷つける形でしか成り立たないなら、前提から替えられます。
前提を一行だけ決める
ギャグづくりに、特別なひらめきは要りません。面白い場面を探すのではなく、前提を一行だけ決めること。
そこで何が起きると思うか。そして、実際には何が起きるか。 その二行が離れていれば、もうずれています。
うまくいかない組は、置いておけます。 前提を替えれば、また別のずれが出てきます。