スポーツ漫画の試合を描く|状況を見失わせないコマ割り
公開日
架空の試合で、誰がどこにいて何がどう動いたかを状況図に書き出してからコマへ落とします。競技のやり方や上達の仕方は扱わず、読み手が位置を見失わない並べ方だけを見ます。
誰がどこにいるのか分からなくなる
試合の場面を描いてみると、読み返しても位置関係がつかめないことがあります。
迫力が足りないのではありません。どこに誰がいるかを、一度も画面で示していないだけです。
上から見た形で書き出す
図は、場と人物を真上から写した形で置いてあります。
丸一つが人物で、伸びている矢印が進む先です。 顔は描いていません。
小さな四角が、いま誰が持っているかを示します。 一つだけ置いてあります。
線は交わらないように引いてあります。 交わると誰の動きか分からなくなります。
位置・持ち手・進む先・変化を書く
| 書き出すこと | 何が決まるか |
|---|---|
| 誰がどこに | 位置の関係 |
| 何を持つか | 攻める側 |
| どこへ進む | 次の場所 |
| 直前の変化 | 何が起きたか |
四つ書ければ、コマへ落とせます。 覚えておかなくて済みます。
四つに順番はありません。 書けるところから埋められます。
状況図の書き方を決めておく
毎回ちがう書き方をすると、前に描いた図が読めなくなります。
人物は丸にします。 顔も体も描きません。誰かは記号か名前で足ります。
進む先は矢印にします。 長さで速さを表さないほうが、後から読めます。
持っているものは四角にします。 一つだけ置きます。
線が交わったら、そこで書き直します。 交わったまま進めると、コマでも交わります。
同じ場面をコマへ落とす
一枠目で位置を渡してあります。 引いて、誰がどこにいるかを見せています。
二つの図は同じ場面を指しています。 一方が状況、もう一方が画面です。
三枠目は直前からの変化です。 何が変わったかを一つだけ置いています。
位置を渡す枠を先に置く
寄った絵だけを続けると、位置が分からなくなります。 引いた枠が要ります。
引く枠は一つで足りることもあります。 毎回入れる決まりはありません。
位置が変わったときに置き直せます。 変わっていなければ省けます。
持っている人を分かるようにする
誰が持っているかが変わったら、そこを見せます。 変わり目が読み手の頼りになります。
持ち手を描かずに進めると、追えなくなります。 一枠でも示せば足ります。
渡した先を次の枠で出す形もあります。 同じ枠に詰めなくて構いません。
一つの場面を何枠に割るか
書き出した四つを、いくつのコマへ配るかを決めます。
四つを一枠にまとめません。 一枠が説明になり、動きが止まります。
位置に一枠、動きに一枠、変化に一枠。 三枠あれば四つとも渡せます。
枠を増やすと、一つあたりの情報が減ります。 減らしすぎると間延びします。
| 枠の数 | 起きること |
|---|---|
| 一枠 | 説明になる |
| 三枠 | 四つ渡せる |
| 多い | 間延びする |
持ち手が変わる場面だけ、一枠足します。
見失いやすいとき
つまずくところを、三つ挙げます。 どれも架空の試合での話です。
三つとも、絵の迫力を足していません。位置の渡し方を直しただけです。
場外や観客を入れるとき
場の外にいる人を描くと、位置が分かりにくくなることがあります。
外の人は、場の図に入れません。 入れると、誰が動いているか読めなくなります。
外を見せる枠は、場の枠と分けます。 同じ枠に入れると、距離が決まりません。
外の枠を挟んだら、次に位置を渡す枠を置きます。 一度離れた目を戻すためです。
外を描かない作りでも成立します。 場の中だけで足ります。
描いたあとで位置と持ち手を見直す
位置を渡す枠があるか。 一つあれば、そこから追えます。
持っている人が分かるか。 変わり目で示せていれば足ります。
直前から何が変わったか書けるか。 書けないなら、状況図へ戻れます。
誰がどこにいるかを書き出す
試合の場面に、競技の知識は要りません。コマを割る前に、誰がどこにいるかを上から見た形で書き出すこと。
進む向きは交わらないか。持っているのは誰か。 そこまで書ければ、画面は並べられます。
引いた枠が一つでも構いません。 位置が渡っていれば、あとは寄れます。