COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画の線に強弱を付ける|輪郭と奥行きを整理する

公開日

線が全部同じ太さに見えるときは、奥行きと線幅が対応していません。同じ線画を均一線・外輪郭・手前・奥の四通りで並べ、どこを太くすると何が分かれるかを測って比べます。

「漫画の線に強弱を付ける」を表したイラスト

線が全部同じ太さに見える

描き上げた線画を見ると、どこが手前か分からないことがあります。

すべて同じ太さで引いているからです。 線の側に奥行きの情報がありません。

そこで、線幅を部位ごとに変えます。 形は変えません。

線幅で分ける四つ

分けるもの 受け持つこと
外輪郭 物の切れ目
手前 近さ
奥 遠さ
均一 変えない選択

外輪郭は物と物の境目です。 ここを太くすると形が分かれます。

手前を太く、奥を細くすると距離が出ます。 二つで一組です。

均一のままにする選択もあります。 変えないことも一つの決め方です。

同じ線画を四通りで

同じ線画を均一線・外輪郭・手前・奥の四通りの線幅で並べた図
線画は四通りとも同じ形です

四枚とも同じ図形を引き直さずに使っています。形は四枚で完全に同一です。

変えたのは線幅だけです。 どの枚も同じ大きさの同じ図形でできています。

均一の枚では、どこが手前か読み取れません。 情報が線に乗っていないからです。

残りの三枚は、太くした場所がそれぞれ違います。

太さの段をいくつ作るか

段を増やすほど整うわけではありません。 数を先に決めます。

二段。 外輪郭と中の線だけを分けます。形が立てば足ります。

三段。 外輪郭・手前・奥です。距離が二つに分かれます。

四段以上。 隣の段との差が小さくなり、見分けが付きません。

段の数 分かれるもの
二段 形の切れ目
三段 距離
四段以上 見分けにくい

二段から始めて、足りなければ三段にします。 最初から細かく分けません。

奥行きと線幅を対応させる

奥行きの段と線幅の対応を測って並べた図
測った線幅はこの図のものです

手前を強くした枚から測ると、外輪郭 4・手前 7・奥 3 です。

手前がいちばん太く、奥がいちばん細くなります。 差は 4 です。

外輪郭はその中間に置いています。 形の切れ目は残しつつ、手前を立てています。

ここに出した太さは作図用の値で、ペン先の号数ではありません。

太いほど良いのではない

形はそのまま、線幅だけを動かす。 変える軸は一つに保ちます。

均一線のままでよい場面

線の太さをそろえたほうが合う画面があります。

図解に近いコマや、細かい物が密に並ぶ場面です。 強弱が邪魔になります。

均一で通すと決めたら、そのページは揃えます。 混ざると迷って見えます。

どちらにするかはページごとに選べます。

ページの中でそろえる

同じページの中で、段の数と太さの割り当てをそろえます。

コマごとに段の数を変えません。 隣のコマと比べて読まれるためです。

同じ物は同じ段にします。 前のコマで手前だった物を、次のコマで奥の太さにしません。

カメラが引いた場合は、全体を一段細くできます。 相対の差は保ちます。

そろえたかどうかは、ページを並べて離れて見れば分かります。 一コマずつでは気付きません。

一本だけ太くして試す

全部を引き直す必要はありません。

外輪郭を一本だけ太くして、離れて見ます。 それで形が立つことがあります。

足りなければ手前の物を一段太くします。 順に一つずつ足します。

戻すのも一本ずつです。

線が震える記事は引き方の側

試し描きを記録して比べる記事は、線そのものの引き方を扱います。

あちらは引く前の準備、ここは引き終えた線の太さの割り振りです。

震えが残っていると、太さの差も読み取れません。 順序としてはあちらが先です。

線が安定しない場合は、そちらを開きます。

トーンの記事は面の濃さ

明暗と質感を使い分ける記事は、面の側を扱います。

あちらは塗りの濃さ、ここは線の太さです。

トーンを貼らない画面でも、線幅だけで距離は出せます。 別々に使えます。

面から整えたい場合は、そちらへ進めます。

引いたあと三つを見比べる

見比べるところ 確認すること
外輪郭 形が立つか
手前 いちばん太いか
奥 細くなるか

一コマだけ、外輪郭を太くする

いま平らに見えるコマが一つあるなら、外輪郭だけを一段太くします。

中の線は触りません。 変える場所を一つに絞ります。

離れて見て形が立てば足ります。 立たなければ、次は手前の物を太くします。

この記事の内容に誤りを見つけた場合は お問い合わせ からお知らせください。編集方針は こちら にまとめています。