漫画の背景を省略する|場所が分かる情報を残す
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同じ架空の場面を情報多め・中間・最小限の三段階で並べ、どこまで省いても場所が分かるかを見ます。省略が多いほど良いわけでも、背景なしが上級でもありません。
省いたら、どこか分からなくなった
描く量を減らしたら、場所まで伝わらなくなることがあります。
減らしすぎたとは限りません。何を残すかを決めずに減らしているだけです。
三枚とも同じ場面
図の三枚は、同じ場所を描いたものです。減らし方だけが違います。
最小限に残した形は、中間にも多めにも入っています。 別の場所に差し替えていません。
枠の大きさも三枚でそろえてあります。 減った量だけが見えます。
どの段階にも丸や印は付けていません。 上手い順を作らないためです。
三つの段階
| 段階 | 残っているもの |
|---|---|
| 情報多め | 窓と棚と机 |
| 中間 | 窓と机 |
| 最小限 | 窓だけ |
最小限でも場所は分かります。 窓の形が残っているためです。
多めが正解ではありません。 見せたいものが人物なら邪魔になります。
段階を選ぶ基準
段階はコマごとに選べますが、選ぶ基準を決めておきます。
場面の最初のコマ。 情報多めにします。ここで場所が伝わります。
人物を見せるコマ。 最小限にします。背景が競合しません。
場所が変わったコマ。 また多めに戻します。変わったことが伝わります。
間が空いたあとのコマ。 中間にします。思い出す手がかりが要ります。
| コマの役割 | 選ぶ段階 |
|---|---|
| 場面の最初 | 情報多め |
| 人物を見せる | 最小限 |
| 場所が変わる | 情報多め |
| 間が空いた後 | 中間 |
残すのは場所が分かるもの
| 残す手がかり | 伝わること |
|---|---|
| 窓や戸 | 内か外か |
| 床の線 | 立つ位置 |
| 大きな家具 | 何をする所 |
一つ残れば足ります。 三つそろえなくても通ります。
人物が居れば、床の線だけでも立ちます。 足元が決まるためです。
省いた場所に何を置くか
省くと面が空きます。 空けたままにするかどうかを決めます。
白いまま残す。 いちばん軽く、人物が立ちます。
トーンを置く。 明るさで場所の印象だけを残せます。形は描きません。
効果を置く。 集中線や流線です。場所ではなく動きを伝えます。
| 置くもの | 伝わること |
|---|---|
| 白いまま | 人物が立つ |
| トーン | 明るさ |
| 効果 | 動き |
どれを置いても、場所の手がかりは別に一つ要ります。 置いたもので代えられません。
コマごとに段階を選ぶ
最初のコマで多めに描くと、あとは省けます。 場所が伝わったあとだからです。
場面が変わったら、また一度戻せます。 場所が変わったことを伝えるためです。
途中で増やしても構いません。 順に減らす決まりはありません。
省略を決めた記録を残す
同じ場所が何度も出るなら、毎回考え直さずに済みます。
場所ごとに、残す手がかりを一つ決めて書きます。 教室なら窓、廊下なら床の線、といった形です。
決めた手がかりは作品の中で変えません。 変えると、同じ場所だと分かりにくくなります。
場所が増えたら行を足します。 一つの場所につき一行で足ります。
次の話でも同じ表を使えます。 同じ舞台なら作り直しません。
伝わらなくなったとき
戸惑うところを、三つ挙げます。 どれもこの記事で組んだ場面です。
三つとも、描き足していません。残す手がかりを選び直しただけです。
手がかりが一つ残ったか確かめる
場所が分かる手がかりが一つ残っているか。 一つで足ります。
前のコマで場所が伝わっているか。 伝わっていれば省けます。
段階を量で決めていないか。 見せたいものが先です。
場所が分かる手がかりを一つ選ぶ
背景を省くのに、決まった量はありません。減らす前に、場所が分かる手がかりを一つ選ぶこと。
それが残っていれば、どこまで省けるか。人物の足元は乗っているか。 そこまで見えれば、伝わり方は落ちません。
多めのままでも構いません。 見せたいものが背景なら、それも選び方です。