COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画で怒りを描く|強さと抑え方を変える

公開日

怒りは強さと抑え方の二つが別に動きます。同じ人物について表情・視線・姿勢・手・距離・動作を組み替えた四通りを並べ、強く出すことが上位ではないことを確かめます。

「漫画で怒りを描く」を表したイラスト

怒っているように見えない

怒りの場面を描いたのに、読み返すと伝わっていないことがあります。

強く描けば伝わる、と考えて表情だけを濃くしているからです。 濃さは一つの軸にすぎません。

そこで、強さと抑え方を分けます。 二つを別々に決めます。

怒りが出る六つの場所

出る場所 動くもの
表情 眉と口
視線 向ける先
姿勢 前後の傾き
手 体からの距離
距離 相手との間
動作 動く量

表情は眉と口です。 いちばん先に目が行きます。

視線は向ける先です。 まっすぐ向けるか外すかで、抑えているかどうかが出ます。

姿勢と手と距離と動作は、体の側に出ます。 顔を描かないコマでも使えます。

強さと抑え方で四通り

怒りの強さと抑え方の二軸で、同じ人物を四通りに描いた図
人物の大きさは四通りとも同じです

人物は簡単な図形で置いています。特定の作品の場面を下敷きにしていません。

上下の行が強さ、左右の列が抑え方です。 二つは別の軸として置いてあります。

この図では、強さで眉の傾きが 4 と 15 に変わります。 抑え方では手の位置が体の中心から 56 と 18 に変わります。

行を変えると眉だけ、列を変えると手だけが動きます。

出す側と抑える側

怒りが出る六つの場所を、出す側と抑える側に分けて並べた図
出す側と抑える側で場所が違います

同じ六つの場所が、抑え方によって別の置き方になります。

出す側では、視線をまっすぐ向け、手を体から離します。 動きが外へ向きます。

抑える側では、視線を外し、手を体に付けます。 動きが止まります。

出す側と抑える側に上下はありません。

強いほど正しいのではない

強さと抑え方を切り離し、動かすのは一方ずつ。 要点はこの順序にあります。

顔を描かないコマで出す

六つのうち四つは、顔が入らないコマでも使えます。

姿勢。 背中や肩だけのコマでも、傾きで出ます。

手。 手元だけのコマで、体からの距離や握り方が出ます。

距離。 二人を引いて見せるコマで、間の詰まり方が出ます。

動作。 足や物を持つ手など、体の一部だけでも動きは出ます。

顔が入らないコマ 使える場所
背中 姿勢
手元 手
引きのコマ 距離

顔を入れられないから伝わらない、ということはありません。 場所を選び直せます。

抑えた側が弱いのではない

抑えた怒りは、量が少ないわけではありません。

外へ出ていないだけで、内側の量は同じです。 そう読めるように置きます。

抑えた側を先に描くと、出した側が効きます。 差が働きます。

順番は話の運びが決めます。

コマ間で軸を動かす

一コマの中で決めた二軸は、コマをまたいで動かせます。

抑えた側から出す側へ移す。 ためていたものが出る流れです。

出す側から抑えた側へ移す。 抑え込んだ、または止められた流れです。

強さだけを上げる。 抑え方は変えずに、量だけ増やす流れです。

同じまま続ける。 変わらないことを見せる流れです。

どのコマで動かすかを先に決めます。 決めずに描くと、毎コマ濃くなります。

距離と手は別に決める

相手との距離を詰めると、それだけで張りが出ます。

手を動かさなくても、近づくだけで伝わる場面があります。 二つは別に決められます。

近づけたうえで手を体に付けると、抑えている形になります。 組み合わせで意味が変わります。

両方いっぺんに変えると、どちらが効いたのか追えません。

表情を組み合わせる記事は顔の側

目・眉・口・姿勢を組み合わせる記事は、顔の中を扱います。

あちらは顔の組み合わせ全般、ここは怒りに絞った二つの軸です。

顔で足りないときに、体の側を足せます。 二つは続けて使えます。

顔のほうから組み立てるなら、そちらが入り口です。

場面の張りを作る記事は外側

情報と間と距離を調整する記事は、場面の組み方を扱います。

あちらは読み手の待ち方、ここは人物の内側です。

張った場面の中に、抑えた怒りを置くこともできます。 重ねて使えます。

場面ごと作り直すときは、そちらを先に見ます。

描いたあと三つを戻す

戻すところ 確認すること
表情 濃くしすぎか
手 離しすぎか
距離 詰めたままか

一コマだけ、抑えた側を試す

いま伝わっていない怒りのコマが一つあるなら、抑えた側で描き直します。

視線を外して、手を体に付けます。 表情はそのままにします。

二つを見比べて、場面に合うほうを選びます。 変わらなければ、次は距離だけを詰めます。

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