漫画の泣き顔を描く|涙と表情の関係
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涙のあるなしと姿勢を組み合わせた四つを並べ、涙だけでは読み方が決まらないことを見ます。涙が悲しみを表すとも、泣くことが弱さを表すとも決めていません。
涙を描いたのに、場面と合わない
泣いている絵は描けたのに、その場面の気持ちと噛み合わないことがあります。
涙の描き方の問題とは限りません。涙だけを足して、体のほうを動かしていないだけです。
二つを掛け合わせてある
図の四つは、涙のあるなしと姿勢の二つを掛け合わせたものです。
涙のほかに動かしたのは姿勢だけです。 顔の中身は四つとも同じです。
うつむきと、まっすぐ前を向いた形を並べてあります。 傾きだけの違いです。
どれにも丸や印は付けていません。 正解の泣き顔を作らないためです。
姿勢で動かせるところ
「姿勢」と書きましたが、動かせる場所は分かれます。
頭の傾き。 うつむくか、上げるかです。いちばん先に読まれます。
肩の高さ。 上がると力が入り、下がると抜けます。
背中の丸み。 丸めると内へ向き、伸ばすと外へ向きます。
手の位置。 顔に近いほど隠す形になります。
| 動かす場所 | 変わること |
|---|---|
| 頭の傾き | 向き |
| 肩の高さ | 力の入り |
| 背中 | 内か外か |
| 手の位置 | 隠すか |
一つずつ動かして並べます。 まとめて動かすと、どれが効いたか分かりません。
四つの組み合わせ
| 組み合わせ | 読み方の例 |
|---|---|
| 涙あり・うつむき | こらえている |
| 涙あり・まっすぐ | 言い切っている |
| 涙なし・うつむき | 黙っている |
| 涙なし・まっすぐ | 動じていない |
読み方の例であって、決まりではありません。 場面によって変わります。
涙なしの二つも並べてあります。 泣かせない形も同じ数だけ置きました。
涙を入れる位置を決める
涙を入れると決めたら、どこに入れるかも決めます。
目尻にためる。 まだ落ちていない形です。こらえていることが出ます。
頬に一筋。 落ちた直後の形です。量は少なく見えます。
頬に複数。 流れ続けている形です。時間が経っていることが出ます。
顎まで届く。 いちばん長い時間が経った形です。
| 涙の位置 | 読める時間 |
|---|---|
| 目尻 | まだ |
| 頬に一筋 | 直後 |
| 頬に複数 | 続いている |
量ではなく、位置で時間が読まれます。 増やすより、どこにあるかを選びます。
視線を変えるとまた変わる
涙も姿勢も二枚とも同じです。 変えたのは目の向きだけです。
そらすか、見据えるかで読み方が変わります。 涙の量は動かしていません。
どちらの形も同じ扱いです。 選ぶのは描き手です。
涙を描かない選び方
| 使えるもの | どう伝わるか |
|---|---|
| 手の位置 | 顔を隠す |
| 肩の動き | 声が漏れる |
| 背中 | 顔を見せない |
泣いていると伝えるのに、涙が要るとは限りません。 手や肩で示せます。
顔を見せない形もあります。 背を向けたままでも通ります。
涙を足す前に、姿勢だけで試せます。 足りなければ後から入れられます。
場面の前後が読み方を運ぶ
直前に何があったかで、同じ涙の受け取られ方が変わります。 涙だけで完結しません。
言葉が置かれていれば、そちらが先に目へ入ります。 涙は後から効きます。
読み方を一つに決めきらない形も選べます。 分からないまま進む場面もあります。
前後のコマで受ける
一枚で読み方を決めきらなくて構いません。 前後のコマが半分を運びます。
前のコマで理由を置きます。 何があったかが分かっていれば、涙は説明になりません。
後のコマで受けます。 相手の反応や、その人が次にすることです。
前後が無い一枚だけの場面では、姿勢と視線を多めに使います。 顔だけでは足りません。
前のコマを直すほうが、涙を描き直すより早いことがあります。 顔に戻る前に見ます。
泣き顔で引っかかるとき
泣き顔で引っかかるところを、三つ書き出しておきます。 いずれも自作の場面です。
三つとも、涙を描き込んでいません。姿勢と視線を動かしただけです。
涙以外に動かした所を確かめる
涙のほかに動かしたところがあるか。 涙だけだと読み方が決まりません。
涙なしの形も並べたか。 並べると、涙が要るかどうかが見えます。
弱さの印にしていないか。 言い切りながら泣く形もあります。
涙を消して並べ直す
泣き顔に、決まった形は要りません。涙を描き足すのではなく、一度消して姿勢だけで並べ直すこと。
それで通るか。通らなければ、どこに涙を戻すか選ぶ。 そこまで見えれば足ります。
涙を入れないままでも構いません。 姿勢と視線だけで立つ場面もあります。