漫画の1ページ目を作る|誰の何が始まるかを伝える
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一枚目で全部を説明しようとすると、読み進める理由が残りません。同じ企画の冒頭を人物先行・出来事先行・状況先行の三通りで書き分け、それぞれ一枚目で何が渡るかを見比べます。事件を起こす必要はありません。
説明を詰めると、続きを読む理由が残らない
一枚目に設定を書き込んだのに、読み手の手が止まることがあります。
全部が渡ってしまうと、次の枚で知ることが無くなります。 情報は入ったのに引きが消えます。
そこで、一枚目で渡すものを一つに絞ってみます。 何を先に出すかで見え方が変わります。
人物・出来事・状況のどれを先に出すか
| 出し方 | 一枚目で渡すもの |
|---|---|
| 人物先行 | どんな人か |
| 出来事先行 | 何が起きたか |
| 状況先行 | どこの話か |
三つのどれかを選びます。 全部を一枚目に載せると、どれも薄くなります。
選ばなかった二つは、二枚目以降で渡せます。 消えるわけではありません。
ほかの出し方もあります。 ここで並べたのは、よく使われる三つです。
同じ企画を三通りで書き分ける
三つの冒頭は、この記事のために書いた同じ架空の企画から作りました。 読んだ覚えのある出だしを借りてはいません。
人物先行では、その人の癖が先に出ます。 何が起きるかは二枚目へ回します。
出来事先行では、起きたことが先に出ます。 誰の話かはまだ分かりません。
状況先行では、場所と時期が先に出ます。 人も出来事もそのあとに来ます。
一枚目で渡さなかったものを見る
渡さなかったものを確かめると、引きが残っているかが分かります。
三つとも、二枚目へ回したものがあります。 そこが続きを読む理由になります。
回したものが無ければ、一枚目に詰め込みすぎています。 どれか一つを後ろへ動かします。
回しすぎて何も渡らないときは、逆に一つ戻します。
一枚目に詰め込まない
手元に置きたいのは、一枚目で渡すものを一つに絞ることと、回したものを確かめることの二つです。
どれを選ぶかは、話の側で決まる
三通りに優劣はありません。
人物の癖が話の軸なら、人物先行が噛み合います。 先に見せたものが後で効きます。
出来事から始まる話なら、状況の説明は後ろで足ります。 後ろへ回しても話は通ります。
迷ったら三通りとも書いてみて、二枚目へ回したものを見比べます。
一枚目に入る枠の数
渡すものを一つに絞っても、枠の数で入る量が変わります。
少ない枠。 一つひとつが大きくなり、渡すものが一つだけ立ちます。
多い枠。 情報は増えますが、どれが手前か決まりません。
一枚目は、二枚目以降より枠を減らせます。 入口をゆっくり通す形です。
| 枠の数 | 起きること |
|---|---|
| 少ない | 一つが立つ |
| 多い | 手前が不明 |
枠を増やして渡すものを二つにしません。 絞った意味が消えます。
一枚目を書き直すのは後でよい
冒頭は、最後まで書いてから直すほうが決まりやすいところです。
何が軸になったかは、結末まで書くと分かります。 そこから逆に選び直せます。
先に一通り置いて、仮のまま進めて構いません。 三通り書くのは後でもできます。
書き直すときも、渡すものを一つに絞る点は変わりません。
一枚目で渡さないと決めるもの
先に渡さないものを決めておくと、絞りやすくなります。
人物の名前。 呼ばれる場面が来るまで要りません。
時代や年代。 場面の様子で分かることがあります。
人物どうしの関係。 二枚目以降のやり取りで出ます。
目的。 何を追う話かは、動き出してから渡せます。
これらを一枚目に入れると、選んだ一つが埋もれます。
渡さないと決めたものは控えておきます。 どこで出すかを後で決めます。
導入が長いときの記事との位置
説明が終わらずに読み手が離れる、という症状を扱う記事は、別の記事が受け持っています。
あちらは導入全体を縮める話で、こちらは一枚目で何を渡すかを選ぶ話です。
導入が長いと感じているなら、先にあちらが向いています。 ここでは最初の一枚だけを扱います。
続けて読むと噛み合います。
紙へ下ろす記事との違い
プロットをページとコマへ下ろす記事は、別に置いてあります。
あちらは全体を配る手順の話で、こちらは最初の一枚に何を載せるかの話です。
下ろす手順の中で、一枚目だけを取り出したのがこちらです。 ここだけを読んでも話は通ります。
全体の配り方が気になったら、そちらへ移ります。
二枚目で何を渡すか
一枚目で絞ったぶん、二枚目の受け持ちが決まります。
回した二つのうち、片方を二枚目で渡します。 二つとも出すと、一枚目と同じことになります。
一枚目で出したものと組み合わせます。 人物先行なら、その人に何が起きたかを二枚目で渡せます。
二枚目でも渡し切らなくて構いません。 三枚目へさらに回せます。
二枚目まで書いてから、一枚目の選び方を見直せます。 続けて読むと噛み合いが見えます。
渡すもの・回した分を見る
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 渡すもの | 一つに絞ったか |
| 回した分 | 二枚目にあるか |
| 説明 | 詰め込んでないか |
| 始まり | 事件に頼ってないか |
| 見せ方 | 派手さに寄ってないか |
一枚目で渡すものを、一つ選んでみる
いま冒頭を書こうとしているなら、三つのうち一つを選びます。
その一つだけを一枚目に置きます。 残り二つは二枚目へ回します。
選べたら今日の手は止めて構いません。 三通りの書き分けは、あとでまとめてやれます。