COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画で設定を説明しすぎないための見直し方

公開日

決めた設定を全部その場で伝えようとすると、台詞が長くなります。同じ一つの設定について、説明として言わせた形と場面に置いた形を並べ、行き先が四つあることを見ていきます。削ることだけが直し方ではありません。

「漫画で設定を説明しすぎないための見直し方」を表したイラスト

全部を先に伝えなくていい

決めた設定があると、早いうちに伝えておきたくなります。

その結果、人物どうしが知っているはずのことを言い合う場面ができます。 読む側へ向けた説明が、台詞の形で入ってきます。

まず見たいのは、いまの場面でそれが要るかどうかです。 要らなければ、置き場所を変えれば済みます。

同じ設定を二通りで置く

一つの架空設定について、説明として言わせた形と、場面の中に置いた形を並べた図
同じ設定です。伝え方だけが違います

図の設定は、説明用にその場で決めたものです。 どこかの作品から借りていません。

上は、人物に説明として言わせた形です。 内容はそろっていますが、その場の用事とは関係なく話しています。

下は、同じことが分かる場面に置いた形です。 言葉では言っていませんが、やっていることから読み取れます。

どちらも同じ設定を伝えています。 違うのは、読む側が受け取る経路です。

説明台詞が悪いわけではない

言葉で言ってしまったほうが早い場面もあります。

場面にすると長くなるなら、台詞に残すほうが読みやすいことがあります。 短く済ませたいところでは有効です。

引っかかるのは、量と置き場所が合っていないときです。 書き方の良し悪しの話ではありません。

すべてを行動に置き換える決まりもありません。

分ける・後へ送る・場面に置く・台詞に残す

一つの説明について、分ける・後へ送る・場面に置く・台詞に残すの四つの行き先を並べた図
消すという行き先は置いていません。必要な説明は残ります

長い説明を見つけたとき、行き先は一つではありません。

分ける。 一度に言わず、二つ三つの場面へ配ります。

後へ送る。 いま要らないなら、必要になる場面まで持っていきます。

場面に置く。 言葉にせず、やっていることから分かる形にします。

台詞に残す。 そのままでよければ、置いたままにします。

行き先 どうするか
分ける 複数の場面へ配る
後へ送る 要る場面まで持つ
場面に置く 行動から分かる形に
台詞に残す そのまま置く

この四つに「消す」は入れていません。 要る説明は、どこかには残ります。

説明の量で決めつけないこと

手元に置きたいのは、いまの場面で要るかと、要るならどこへ置くかの二つです。

いま必要かで決める

その説明が無いと、いまの場面が読めなくなるかどうかを見ます。

読めるなら、まだ要りません。 先へ送れます。

読めないなら、その場で伝える形を選びます。 台詞でも場面でも構いません。

判断がつかないときは、一度外して読み返してみます。 引っかからなければ、送って大丈夫です。

場面に置く形

言葉にせずに伝えると決めたとき、どうするかを置きます。

人物に守らせます。 その決まりがあることが、守っている様子から分かります。

人物に破らせます。 破ったときに何が起きるかで、決まりの中身が伝わります。

物で示します。 置いてあるもの、使っているものから読み取れます。

置き方 伝わるもの
守らせる 決まりがあること
破らせる 決まりの重さ
物で示す 前提の様子

全部は伝わりません。 細かい条件は台詞に残せます。

後へ送ってもいい

必要になる場面まで持っていくと、説明が短くなります。

その場で全部を渡さなくても、読む側は待てます。 分からないまま進む時間が、そのまま引きになることもあります。

送り先を決めずに外すと、どこにも戻らなくなります。 外すときは、行き先を一緒に書いておきます。

最後まで置き場所が見つからないなら、そこで初めて要らなかったと分かります。

分けて配るときの間隔

一つの説明を複数の場面へ配ると決めたら、間隔を決めます。

近すぎると、分けた意味がありません。 続けて出ると一度に言ったのと同じです。

離しすぎると、前に出したことを忘れられます。 二つ目が初出のように読まれます。

あいだに一つか二つ場面を挟むくらいが扱いやすい間隔です。

配った先で、それぞれが場面の用事に噛み合っているかを見ます。 噛み合っていないと、分けても説明のままです。

三つ以上に割らないほうが追えます。 割るほど、どこで何を渡したか分からなくなります。

世界の規則を作る記事との位置

どんな規則を作るかを決める記事が、別にあります。

あちらはいまの話に効く規則を選んで広げる話です。こちらは広げた規則を、読む人へどれだけ出すかを扱います。

作る量と、見せる量は別です。 広げた規則をすべて出さなくて構いません。

規則そのものが足りないと感じたら、そちらの記事のほうが向いています。

場面の組み立てを扱う記事との位置

場面をまとめて組み直す話は、この記事では扱いません。

ここで見るのは、一つの説明をどこへ置くかまでです。 場面の並べ替えや、全体の流れの作り直しには入りません。

四つの行き先を決めたあと、場面の順を見直したくなることはあります。 そこは別の工程です。

一度に両方をやろうとすると、どちらも決まらなくなります。

知らないままでよいもの

読む側が最後まで知らなくても通る設定があります。

人物どうしが知っている前提。 読む側は様子から察します。

世界の仕組みの細かいところ。 場面で効かなければ、出さずに済みます。

過去の経緯。 今の場面に関わらなければ、渡さなくて構いません。

知らせないと決めたものは、控えておきます。 後で要ると分かったときに探せます。

知らないままのほうが、読む側が考える余地になります。

要否・行き先・送り先を見る

見るところ 確認すること
要否 いまの場面で要るか
行き先 四つから選んだか
送り先 置く場面を決めたか
量 少なさで測ってないか
台詞 残す選択も見たか

一つだけ場面へ移してみる

いま長いと感じている説明があれば、そのうち一文だけを選びます。

言葉にせず、やっていることで分かる形に書き換えます。 うまく書けなければ、台詞に残して構いません。

一つ移すと、残りの説明も短くなることがあります。 そこで一度読み返してみます。

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