漫画のネームの描き方|ページに物語を配置する
公開日
手元のプロットを、ページ・コマ・台詞と行動へ順に下ろしていきます。架空のプロット一本で四段を通し、同じ出来事でも割り方を変えれば別のページになることを見ていきます。描き込みの量で良し悪しは決まりません。
出来事は並んだのに、紙に置けない
プロットの側は書けているのに、いざページに落とそうとすると手が止まることがあります。
どの出来事をどの紙に載せるかが、まだ決まっていません。 順番だけが手元にあります。
そこで、四つの段へ順に下ろしてみます。 一段ずつなら置いていけます。
出来事・ページ・コマ・台詞の四段
| 段 | 決めること |
|---|---|
| 出来事 | 何が起きるか |
| ページ | 何枚に載せるか |
| コマ | いくつに割るか |
| 台詞と行動 | 誰が何をするか |
上の段が決まってから下へ行きます。 ページが決まらないうちにコマを割ると、あとで全部動きます。
戻って構いません。 コマを割ってからページ数を変えることもあります。
四段ぶんを一日で埋めなくても進みます。 途中で止めて別の出来事へ移れます。
プロットからネームへ下ろしてみる
図に置いたプロットは、この記事のために書いた架空の一本です。 どこかの現場の工程をなぞってはいません。
左の一行から、右の三段へ線が伸びています。 どの出来事が何枚になったかが追えます。
一つの出来事が一枚とは限りません。 二枚に伸びることも、半分で済むこともあります。
台詞と行動の段は、まだ下書きで構いません。 ここで見るのは置き場所で、線の上手下手は原稿の段階です。
同じ出来事でも、割り方は一つではない
出来事を変えずに、ページはもう一通り作れます。
コマの数を減らすと、一つあたりが大きくなります。 見せたいところを決めた結果です。
この場で優劣を付けなくて済みます。 同じ出来事から両方が作れます。
迷ったら両方を描いて、あとで選べます。
描き込みの量で測らない
手元に置きたいのは、ページを決めてからコマへ下りることと、割り方を二通り試すことの二つです。
描き込みの量は、出来とは別
線の数を増やしても、流れが良くなるわけではありません。
読む人の目がどう動くかは、コマの大きさと並びで決まります。 中の絵が四角のままでも確かめられます。
描き込みたくなったら、そこは原稿の段階へ回します。 ネームで抱えなくて済みます。
見るのは描き込みではなく、次のコマへ目が進むかどうかです。
一つの出来事が何枚になるか
ページの段でいちばん迷うのが、一つの出来事に何枚当てるかです。
動きが一続きのものは一枚に収まります。 途中で切ると、次の枚でつながり直す手間が要ります。
場所が変わるものは二枚に分かれます。 移った先を渡す枚が要ります。
やり取りが続くものは伸びます。 往復の数だけ枠が要ります。
| 出来事の形 | 枚数 |
|---|---|
| 一続きの動き | 一枚 |
| 場所が変わる | 二枚 |
| やり取り | 往復による |
先に枚数を当てておくと、コマの段で割り直さずに済みます。
入れなかった情報の置き場所
ネームに書かなかったことを捨てる必要はありません。
別の紙に控えておけば、原稿の段階で拾えます。 ページの端に小さく書いておく人もいます。
全部を紙面へ載せると、コマが言葉で埋まります。 置き場所を分けるとそこが避けられます。
どこへ置いたかだけ、分かるようにしておきます。
途中で止めるときの残し方
四段を一度に埋めきらずに止めることがあります。 残し方を決めておきます。
どの段まで下ろしたかを書きます。 次に開いたとき、続きから始められます。
途中で気づいたことを端に書きます。 前の段へ戻る必要があるときは、そこに残ります。
割り方を二通り作りかけているなら、両方残します。 片方を消すと、比べられません。
何も残さずに止めると、次は同じところから考え直すことになります。
工程の区別を扱う記事との位置
プロットとネームで何が決まるかを分ける記事は、別の記事が受け持っています。
あちらは二つの段階の違いを整理する話で、こちらはプロットを実際に紙へ下ろす手順の話です。
区別が気になっているなら、そちらが先です。 ここでは手を動かす側だけを扱います。
続けて読まなくても差し支えありません。
読む側の用語整理とは向きが違う
公開された途中の絵を見るときの用語をまとめた記事は、読む側のために置いてあります。
あちらは見た目から段階を読み取る話で、こちらは自分で描くときの順序の話です。
同じ語が出てきても、立つ位置が逆です。 見るのか、描くのかが違います。
用語の整理が必要になったら、そちらを開けば足ります。
台詞の段で決めること
四段目では、言い回しまで決めなくて構いません。
誰が話すかを決めます。 台詞の主が決まれば、置き場所も決まります。
どれくらいの長さかを決めます。 長さが分かれば、入る場所が決まります。
言い回しは原稿の段階で直せます。 ここで練ると、コマのほうが動いたときに無駄になります。
行動も同じです。 何をするかまでで、どう描くかは後です。
決まらない台詞は、内容だけ書いて先へ進めます。
順・対応・割り方を見る
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 順 | ページが先か |
| 対応 | 出来事とつながるか |
| 割り方 | 二通り試したか |
| 情報 | 詰め込んでないか |
| 描き込み | 出来で測ってないか |
出来事を一つだけ、紙へ下ろしてみる
いまプロットが一本あるなら、そのうち一行だけを選びます。
何枚に載せるかを先に書きます。 コマへ下りるのはその次です。
一行ぶん下ろせたら、そこで手を離してかまいません。 続きは次に机へ向かったときで構いません。