漫画の導入が長いときの直し方
公開日
説明を削るのではなく、本筋が始まる位置を前へ動かします。同じ情報を残したまま、重なっているところをまとめ、あとで足りる話を後ろへ回す手順を架空の場面で見ていきます。
説明が終わらないうちに読み手が離れる
丁寧に書いたつもりの冒頭が、読み返すとなかなか本題に入らないことがあります。
書いた量の問題ではありません。本筋が始まる位置が、うしろにありすぎるだけです。
仕切りより上が導入
図に一本だけ引いてある横の仕切りは、本筋が始まるところです。
その上にある札が導入にあたります。 枚数ではなく、位置で決まります。
札はどれも同じ大きさで描いてあります。 長い札・短い札を作っていません。
札のあいだに矢印は引いていません。 上から順に読まれる並びだからです。
仕切りの上に四つ並んでいた
| 順 | 置いてあったもの |
|---|---|
| 一 | 町の様子を説明 |
| 二 | 家の事情を説明 |
| 三 | 主人公の日課 |
| 四 | 電話が鳴る |
三枚目までが仕切りより上にあります。 電話が鳴るまでに三つ説明が入っています。
どれも間違った情報ではありません。 置き場所だけが問題です。
仕切りを前へ動かした形
札は一枚も消えていません。 減ったのは仕切りより上にある枚数だけです。
一枚目は、二つの説明を一行にまとめたものです。 中身は両方とも残っています。
日課は仕切りの下へ回しました。 本筋が始まってから出せば足ります。
重なっているところをまとめる
同じことを二度説明していないか見ます。 町の話と家の話が同じ内容なら、一行で済みます。
まとめても情報は減りません。 言い方が一つになるだけです。
まとめられないなら、そのまま二行で構いません。 無理に縮めなくてよいのです。
あとで足りる話を後ろへ回す
本筋が動き出してからでも分かることは、後ろへ置けます。 先に言わなくても読めます。
回した情報を消してはいません。 出す場所が変わっただけです。
後ろへ回して読みにくくなったら、戻せます。 位置は何度でも動かせます。
後ろへ回せるものの見分け
仕切りの上にある札のうち、どれを下へ回せるかを決めます。
本筋が動いてから初めて使う情報は回せます。 使う場面の直前で足ります。
知らなくても最初の場面が読める情報も回せます。 読みながら分かります。
回せないのは、最初の場面の意味が変わるものです。 知らずに読むと別の場面に見えます。
| 回せるか | 見分け方 |
|---|---|
| 回せる | 後で初めて使う |
| 回せる | 無くても読める |
| 回せない | 場面の意味が変わる |
迷ったら回してみて、読み返せます。 分からなくなったら戻せます。
読み手が本筋の前に要るもの
| 要るもの | なぜ先に要るか |
|---|---|
| 誰の話か | 追う相手が決まる |
| どこにいるか | 場面が像を結ぶ |
| 何が起きたか | 本筋の入口になる |
この三つがそろえば、本筋へ入れます。 それ以上は後ろで足せます。
三つの順番は決まっていません。 どれから書いても構いません。
本筋が始まる位置をどこに置くか
仕切りをどこまで上げるかに、決まった枚数はありません。 目安を置きます。
読み手が最初の一枚で追う相手を決められるところまでです。 そこから先は後ろで足せます。
一枚に収まる話も、数枚かかる話もあります。 渡す量で変わります。
上げすぎると、誰の話か分からないまま本筋が動きます。 そこで読み手が止まります。
上げた位置で一度読み返して、戻すかどうかを決められます。 一度で決めなくて構いません。
導入が縮まらないとき
直しあぐねるところを、三つ挙げます。 どれもこちらで作った架空の場面です。
どの手も、情報を捨てていません。置き場所を変えただけです。
回した情報をどこで出すか
下へ回した札は、出す場所を決めておきます。
その情報を使う場面の直前に置きます。 使うところで出ると、説明に見えません。
人物に言わせるか、画面に出すかは後で決められます。 ここでは位置だけ決めます。
出す場所を決めずに回すと、そのまま落ちます。 一本読み返して気づきます。
出さなくても通るなら、そのまま出さずに済みます。 回した先で要らないと分かることがあります。
誰の話かが上にあるか見る
誰の話かが仕切りより上にあるか。 ここが後ろだと、追う相手が決まりません。
消した情報がないか。 まとめたか、後ろへ回したか、どちらかになっているはずです。
戻せる形になっているか。 動かしただけなら、いつでも戻せます。
仕切りを一行ぶん上げてみる
導入の直しに、短くする決まりは要りません。説明を消すのではなく、本筋が始まる位置を一行ぶん上げること。
その一行は、まとめられるか。それとも後ろへ回せるか。 どちらかできれば、入口は前へ寄ります。
戻したくなったら戻せます。 札はどれも残っています。