漫画のアクションを分かりやすくする|前後の動作をつなぐ
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動きが伝わらないとき、一つの動作を前・中・後の三つに割って並べます。同じ人物が同じ動作を続けていると読めるよう、位置・向き・姿勢をまたいで保つところまでを図形の見本でたどります。描き方が一つに決まる話ではありません。
描いたのに何をしたか伝わらない
動きのある場面を描いて読み返すと、何が起きたのか分からないことがあります。
一枚ずつは描けています。 つながりのほうが抜けています。
そこで、一つの動作を三つに割ります。 前と後があれば、中が読めます。
前と中と後が示すもの
| 割る先 | そこで示すもの |
|---|---|
| 前 | 始まる姿勢 |
| 中 | 動く向き |
| 後 | 止まった形 |
前は、動き出す直前の形です。 ここで立っている位置が決まります。
中は、いちばん動いている瞬間です。 どちらへ向かっているかを担います。
後は、動き終わった形です。 前と比べられる状態にしておきます。
前・中・後を並べて置く
三つの枠は、動きの説明のためにこちらで引いた図形です。 既存の漫画の一場面ではありません。
三つとも同じ人物です。 体格と向きは三つで共通です。
進む方向は三つを通して同じです。 途中で逆へ動くと、別の動作に見えます。
前と後を見比べると、何をしたかが読み取れます。
向きと位置をまたいで保つ
保たれている側は、三つが一つの動作として読めます。
反転している側は、同じ絵でも別の出来事に見えます。 向きが変わると位置関係も崩れます。
崩れているのは絵の巧拙ではありません。 向きの対応だけの問題です。
反転が必要な場面では、あいだに向きを変える一枚を入れます。
描き方を一つに決めない
手元に残すのは、前と後を先に決めることと、向きを三つでそろえることの二つです。
枚数を増やす場面
三つでは足りない動作があります。
始まりから終わりまでが長い動作。 走り出して跳ぶ、といった形です。途中が二枚要ります。
途中で向きが変わる動作。 変わる手前に一枚入れます。
見せ場にしたい動作。 枚数を増やすと、そこだけ時間が伸びます。
| 枚数 | 向く動作 |
|---|---|
| 二枚 | 短い動き |
| 三枚 | ふつうの動き |
| 五枚 | 見せ場 |
増やすのは一つの動作だけにします。 全部を増やすと、どれも見せ場になりません。
中を省ける場面もある
前と後だけで読める動作があります。
手を伸ばして取る、立ち上がる、といった短いものがこれに当たります。 中を入れると間延びします。
省いたぶんは、次の動作へ回せます。 枚数は有限です。
省けるかどうかは、後の一枚だけで分かるかで決まります。
二人以上が動く場面
同じ枠で二人が動くと、前と後が二組になります。
片方を先に三つ割ります。 もう片方は、その三つに合わせて置きます。
二人とも中の一枚を大きく描くと、どちらを見るか決まりません。 一方を抑えます。
二人の向きは同じ枠の中でそろえます。 逆を向くと、位置関係が崩れます。
片方を止めておく手もあります。 動いている側が読みやすくなります。
音や線に頼らずに通す
効果音とスピード線を外しても読めるかを見ます。
外して読めないなら、動作の側が足りていません。 音や線は補助として効きます。
読めるなら、そのうえで足すと強くなります。 順序が逆になると、足し続けることになります。
試すのは一場面で十分です。
スピード線の記事は線そのものの話
動く方向と背景を整理する記事は、この判断に足す側にあります。
あちらが決めるのは線の向きと本数、ここで決めるのは動作そのものの並びです。
動作が読めていれば、線は最小で足ります。 こちらを先に通しておくと、線の作業が短くなります。
線を使わない作りでも、この手順は通ります。
コマ割りの記事は枠の話
読む順番と見せ場を作る記事は、この手前の工程にあたります。
あちらは枠の並びと見せ場の位置、ここは枠の中に置く動作の中身です。
枠が三つ取れないなら、そちらへ戻って割り直します。 中だけでは解けません。
枠が決まっているなら、ここが入り口です。
動作と動作をつなぐ
一つの動作が終わったら、次の動作が始まります。 つなぎ目を決めます。
後の一枚が、次の動作の前になります。 姿勢がそのまま引き継がれます。
引き継げない姿勢なら、あいだに一枚入れます。 立ち上がる、向き直る、といった枚です。
つなぎ目で位置が飛ぶと、別の場面に見えます。 足元の位置を見ます。
一つずつ割ってからつなぐと、後で組み替えられます。
位置・向き・姿勢を確かめる
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 位置 | 前から動いたか |
| 向き | 途中で反転しないか |
| 姿勢 | 三つで変わるか |
一つの動作だけ、三つに割ってみる
いま伝わっていない動作が一つあるなら、前と後の二枚だけ先に決めます。
そのあいだに入る一枚を考えます。 要らなければ二枚のままで構いません。
一つ通れば、残りの動作も同じ手順で割れます。 場面ごとに割り方を考え直さずに済みます。