COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画の見開きを設計する|中央と余白の使い方

公開日

綴じにかかる中央と、外側の切れやすいところを図で確かめます。中央を空ける決まりも左右対称の正解もなく、何をどこに置けるかだけを見ていく記事です。

「漫画の見開きを設計する」を表したイラスト

描いたものが、綴じに入ってしまう

見開きで組んだのに、大事なところが真ん中に隠れることがあります。

構図が悪いからではありません。綴じにかかる帯と、切れやすい帯を見ていないだけです。

見開き二ページの上に、中央の綴じ帯と外側の切れやすい帯を重ねた図
帯の幅は刷り方で変わります

二つの帯が重なっている

図の見開きに重ねてある帯のうち、真ん中の縦帯が綴じにかかるところです。

外側をふちどっている帯が、切れやすいところです。 どちらも紙の都合で生まれます。

帯の中が描けないわけではありません。 見えにくくなる、というだけです。

帯の幅は刷り方で変わります。 ここでは目安として引いてあります。

中央・内側・外側に向くもの

帯ごとに向いているものを同じ大きさの札で四つ並べた図
帯ごとに向きが違うだけです
置くところ 向いているもの
中央の帯 続く背景
帯のすぐ外 人物の体
内側の広い所 顔や台詞
外側の帯 描き足しの絵

中央の帯には、続きものの背景が向きます。 多少隠れても読めるためです。

顔や台詞は内側の広いところへ置けます。 いちばん見えやすい場所です。

中央をまたぐ置き方

中央の帯をまたいで大きな絵を置いた見開きの図
またいだ形にも印は付けていません

中央をまたいでも構いません。 またいだところが少し隠れるだけです。

顔の真ん中が綴じに来ると読みにくくなります。 少しずらせば避けられます。

どちらの見開きも紙の寸法は変えていません。 比べるためにそろえてあります。

帯の幅をどう見積もるか

帯の幅は刷り方で変わるので、決まった値を書けません。 見積もり方を置きます。

同じ綴じ方の冊子を一冊開いて、真ん中が見えなくなる幅を見ます。 目で足ります。

厚い本ほど中央の帯は広くなります。 開いても平らになりません。

広めに取っておくと、後で狭める分には困りません。 狭く見積もると入りません。

見積もり方 向くとき
現物を見る 綴じ方が決まっている
広めに取る 決まっていない

刷る先が決まったら、そちらの指定が優先します。 ここは目安です。

左右で役割を分ける

右のページと左のページで、入れるものを分けられます。 分けない組み方もあります。

片側だけ細かく割ることもできます。 左右をそろえる決まりはありません。

左右にまたがる大ゴマは一つとは限りません。 二つ置いた見開きもあります。

台詞をどこへ置くか

見開きの台詞は、単ページより置き場所が広くなります。

中央の帯へは置きません。 文字は少し隠れるだけで読めなくなります。

読む順に沿って置きます。 見開きは面が広いので、順番が崩れやすくなります。

左右をまたぐ吹き出しは、綴じで切れます。 またぐなら、文字の無いところで綴じに当てます。

外側の帯にも置きません。 切れると読めません。

台詞の位置から先に決める組み方もあります。 絵より先に置き場所が要る場合です。

めくった先に何を置くか

見開きは、めくった瞬間に両方が目に入ります。 そこが単ページと違うところです。

先に目が行く側へ置くものを決められます。 決めなくても構いません。

次の見開きへ渡すものを残しておけます。 全部を一度に出さなくて済みます。

帯にかかって迷うとき

引っかかりやすいところを、三つ書き出します。 いずれも自作の見開きです。

三つとも、構図を作り直していません。置く場所を動かしただけです。

見開きを何度使うか

一本の中で見開きをいくつ置くかを決めておきます。

一度も使わない作りもあります。 単ページだけで通ります。

一本に一つ。 そこが見せ場だと分かります。いちばん扱いやすい形です。

何度も使う。 一つあたりの効きは下がりますが、絵を見せる本では成立します。

連続して置くと、めくった先がどちらも大きくなります。 あいだに単ページを挟めます。

数より、どこで使うかが先に決まります。

帯にかかっていないか見る

見開きを組んだあとに確認したい5項目のチェックリスト
余白の広さを測る表ではありません

大事なものが中央の帯に入っていないか。 入っていたら少しずらせます。

切れて困る線が外側の帯にないか。 あれば内側へ寄せられます。

中央を空けることが目的になっていないか。 空ける必要はありません。

帯を引いてから描いてみる

見開きの設計に、決まった比率は要りません。描き始める前に、中央と外側へ帯を引いてみること。

大事なものはどの帯にかかるか。かかって困るか、困らないか。 そこまで見えれば、置き場所は選べます。

帯にかけたままでも構いません。 かかると分かって置いたなら、それが設計です。

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