恋愛漫画の距離感を描く|位置と視線で関係を伝える
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二人の関係は、台詞を足さなくても画面の置き方で伝わります。同じ二人について距離・向き・視線・立ち位置の四つを別々に動かし、それぞれが何を伝えるかを図形の見本で比べます。近いほど良いという関係ではありません。
近づけたのに関係が見えない
二人を並べても、間柄までは読み取ってもらえないことがあります。
距離だけを詰めても、関係は決まりません。 向きと視線が別に動いているからです。
そこで、四つを分けて置きます。 どれが何を伝えるかが見えます。
距離・向き・視線・立ち位置
| 動かすもの | 伝わること |
|---|---|
| 距離 | 心の遠さ |
| 向き | 受け入れ方 |
| 視線 | 見ている先 |
| 立ち位置 | 場での役 |
距離は画面上の離れ方です。 そのまま心の距離として読まれます。
向きは体の正面がどこを指すかです。 近くても背を向けていれば遠く見えます。
視線は目が向いている先です。 体と別に動くので、迷いを出せます。
立ち位置は前後左右のどこに立つかです。 前に立つ側が場を引き受けているように見えます。
同じ二人を四通りで置く
四通りの配置は、同じ二人を置き直しただけの図です。 既存の構図を参考にしてはいません。
二人の形と大きさは四通りで共通です。 位置と向きのほかは触っていません。
近くて向き合う置き方と、近くて背を向ける置き方は別の関係を伝えます。 距離は同じです。
四つに序列は置いていません。 四つはいずれも成立します。
視線と立ち位置は別に決める
立ち位置をそのままに、視線だけ動かせます。
同じ場所に立っていても、目が合っているかで場面が変わります。 片方だけ見ている形も作れます。
体ごと向けると、はっきりした意思になります。 視線だけなら、まだ決めていない状態を出せます。
二つを同時に動かすと、効いた軸が分かりません。
近いほど良いのではない
ここで持ち帰るのは、四つを別々に決めることと、一度に一つだけ動かすことの二つです。
どの軸から動かすか
四つのうち、どれを先に動かすかで手間が変わります。
距離から動かします。 いちばん目に入りやすく、変えた効果がすぐ分かります。
次に向きです。 距離を変えずに向きだけ変えると、意思の強さが出ます。
視線は最後です。 細かい差なので、前の二つが決まってから効きます。
立ち位置は場面の側で決まることが多くあります。 場所が決まれば、前後左右も決まります。
| 動かす順 | 見える差 |
|---|---|
| 距離 | 大きい |
| 向き | 中くらい |
| 視線 | 小さい |
この順でなければならない決まりはありません。
離れたままの場面もある
終わりまで距離が縮まらない話もあります。
縮めない選択そのものが関係を伝えます。 縮めれば伝わるわけではありません。
離れたまま視線だけ合わせる、という置き方もできます。 四つが別々だからです。
縮めるかどうかは、話の側で決まります。
高さの差も置き方の一つ
四つのほかに、目の高さの差があります。
片方が座り、片方が立つ。 見下ろす側と見上げる側ができます。
段差の上下に分かれる。 同じ姿勢でも高さが変わります。
寝ている人物と立っている人物。 差がいちばん大きくなります。
上に立つ側が強い、とは決まっていません。 見下ろされる側が場を動かす場面もあります。
距離を変えずに高さだけ動かせます。 軸が別だからです。
二人以外が入るとき
三人目が入ると、距離の意味が変わります。
二人の間に立つか、外に立つかで場の役が決まります。 距離だけでは読めません。
そのときは、まず二人の配置を固定します。 三人目をあとから置きます。
同時に決めると、誰と誰の話か読めなくなります。
カメラアングルの記事は見る位置の話
見上げる・見下ろす効果を選ぶ記事は、画面の外側を扱います。
あちらは読み手がどこから見るか、ここは人物どうしがどこに立つかです。
配置が同じでも、見る高さで印象が変わります。 二つは重ねて使えます。
配置が決まっていれば、そちらへ進めます。
キャラクターを作る記事は人物側の話
見た目と行動を結びつける記事は、人物そのものを決める側にあります。
あちらは誰であるか、ここは二人がどう置かれるかです。
誰であるかが未定だと、置き方の意味も出ません。 人物を固めてから来ると迷いません。
二人が決まっていれば、ここが入り口になります。
場面が進むと配置は変わる
一つの場面の中でも、二人の置き方は動きます。
動いた理由を画面に出します。 理由なく近づくと、読み手が見落とします。
動いた先で一度止めます。 止まった枠があると、新しい配置が読まれます。
話が進んだあと、最初の配置と比べます。 変わっていなければ、変えない選択として残ります。
毎場面で変える必要はありません。 変わらないことも関係を伝えます。
四つの軸を一つずつ見直す
| 離して見る | 確認すること |
|---|---|
| 距離 | 前と変えたか |
| 向き | 体ごと向くか |
| 視線 | 合っているか |
| 位置 | 高さが違うか |
一コマだけ、距離を変えてみる
いま関係が読めないコマが一つあるなら、距離だけを一段変えます。
向きと視線はそのままにします。 変える軸を一つに保ちます。
読み返して変わらなければ、次は視線だけを動かします。 四つを順に当てれば、効く軸が見つかります。