COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画のストーリーの作り方|題材から結末までの全体像

公開日

題材・主人公・目的・障害・選択・結末という六つの工程を、一つの架空短編で最後まで埋めてみます。この順が唯一の正解ではなく、戻っても入れ替えても途中から決めても構いません。

「漫画のストーリーの作り方」を表したイラスト

題材から結末まで、一度たどる

話を作りはじめるとき、どこから手をつければいいのか迷うことがあります。

そこで、一つの短い話を最後まで通してみます。 全体の形が見えると、次からは動きやすくなります。

六つの工程の欄に、一つの架空短編の中身を入れた図
工程名だけでなく、中身まで入れています

順番は一つではない

別の進み方を同じ大きさの三つの札で並べた図
どれが正しい進み方ということはありません

この記事で言いたいのは、次の一つです。

六つの工程は、並べてあるだけです。 上から順にこなす手順書ではありません。

戻ること、入れ替えること、途中から決めることも、同じように置いています。 どれかを下に見ていません。

結末から先に決める人もいます。 そこから題材をたどることもできます。

引っ越し前日の短編で六つを埋める

工程 この短編での中身
題材 引っ越しの前日
主人公 犬を飼っている人
目的 預け先を見つける
障害 断られてしまう
選択 遠くの知人に頼む
結末 一緒に駅まで歩く

中身まで書いてあるのが要です。 工程名だけ並べても、手は動きません。

この中身は一例です。 同じ工程から、まったく別の話も作れます。

題材と主人公

題材は、話が起きる場所や時のことです。 ここでは引っ越しの前日にしました。

主人公は、その題材の中で動く人です。 職業や年齢よりも、何を抱えているかが効いてきます。

この二つは、どちらが先でも構いません。 人物から決まることもあります。

目的と障害

主人公が何を求めているかを、一つ決めます。 求めるものがあると、話が動きます。

その求めを邪魔するものを置きます。 すぐ手に入るなら、話は進みません。

邪魔するものは、人でなくても構いません。 時間や距離のこともあります。

選択と展開

邪魔があると、主人公は何かを選ぶことになります。 そこがいちばん見どころになりやすいところです。

選ばなかったほうも、書いておくと効きます。 何を諦めたかが人物の形になります。

選んだ結果、状況が変わります。 その変わり方が展開です。

結末は変わったことを書く

結末は、求めたものが手に入るかどうかだけではありません。 何が変わったかのほうが残ります。

ここでは、預け先は見つかったが別れることになりました。 解決と喪失が同時に来ています。

うまくいかない結末でも構いません。 変わったことが書けていれば、話は終われます。

どの工程から始めるか

六つのどれから入っても構いませんが、入り口によって進み方が変わります。

題材から入る。 書きたい場所や時が決まっているときです。人物は後から決まります。

主人公から入る。 動かしたい人がいるときです。題材はその人に合わせて選べます。

結末から入る。 最後の一場面が浮かんでいるときです。そこへ向かう道を逆にたどります。

入り口 次に決まりやすいもの
題材 誰がそこにいるか
主人公 何を求めるか
結末 何が変わったか

入り口が決まらないときは、目的の欄から書けます。 求めるものがあれば、前後が付いてきます。

全部を先に決めなくてよい

六つの工程のうち二つを空けたまま置いた図
空いた欄に印は付けていません

空いた欄があっても、先へ進めます。 進むうちに決まることがあります。

空いた欄に印も付けていません。 足りないところ、という意味ではないためです。

埋まらないまま描き始める人もいます。 それで困らないなら、そのままで構いません。

一本を短く保つ

通す練習では、話を大きくしないほうが早く終わります。

場所を一つにします。 移動が入ると、その分だけ工程が増えます。

人物を二人までにします。 三人目が入ると、関係を決める手間が増えます。

日をまたがせません。 一日で終わる話にすると、結末まで見えます。

短く作った一本は、あとで広げられます。 先に広げると、通し終える前に止まります。

大きい話で一度通したい場合は、そのまま進めて構いません。 時間の見積もりだけ変わります。

細かい組み立ては別のところ

通し終えたあとにすること

一本通したら、そこで終わりにせずに残しておきます。

六つの欄をそのまま控えます。 次に作るとき、同じ形で埋められます。

どの工程で手が止まったかを書きます。 次の一本で、そこを先に決められます。

書き直した欄も残します。 変わったことが、そのまま作り方の記録になります。

二本目は同じ六つで組めます。 一本目より早く終われば、形が身に付いています。

作りごとの進め方で見る

進め方を試すために、四つの場面を書きました。 実在の作品のものではありません。

四つとも、順番どおりに進んでいません。 それでも話は組み立てられます。

題材・求めるもの・邪魔するものを見る

書けたところで見るのは、この五つです。

ストーリーを見直すときに確認したい5項目のチェックリスト
埋まらない欄は残しておけます
見るところ 何を確かめるか
題材 一つに決まったか
求めるもの 何を追うか
邪魔するもの 何が邪魔するか
空いた欄 そのまま進めるか
順番 唯一と思わない

埋まらない欄は残しておけます。 求めるものと邪魔するものが見えていれば動けます。

一度通してみるところから

話作りに、決まった入り口はありません。型に当てはめるのではなく、短い話を一本最後まで通すこと。

誰が、何を求めて、何に邪魔されて、どう選んだか。そこまで書ければ、結末は見えてきます。

途中で戻っても、順番を入れ替えても構いません。 通し終えたという事実だけが残ります。

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