COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画制作の手順|アイデアから原稿完成まで

公開日

一つの架空短編を通して、アイデアから完成までの五工程と、それぞれで手元に残るものを並べます。この順でなければならない決まりはなく、戻ってよい工程も示します。

「漫画制作の手順」を表したイラスト

描き始めたけれど、どこまで来たか分からない

手は動いているのに、完成まであとどれだけかが見えないことがあります。

進みが遅いからとは限りません。工程の切れ目と、そこで残るものを決めていないだけです。

五つの工程と、それぞれで手元に残るものを並べた流れの図
工程ごとに残るものが違います

工程は切れ目で数える

工程の切れ目は、そこで何が手元に残るかで決まります。

残るものが変われば、工程が一つ進んでいます。 時間の長さではありません。

同じ日に二つ進むこともあります。 一日一工程とは限りません。

どの工程にも丸や印は付けていません。 唯一の順を決めないためです。

五つの工程

工程 できあがるもの
アイデア 一行の筋
構成 場面の並び
ネーム コマと台詞
作画 原稿の線
完成 出せる形

一行の筋が書ければ、アイデアの工程は終わりです。 面白さの保証ではありません。

ネームまで来ると、直す場所が見えます。 作画の前に直せます。

工程が終わったかの見分け

残るものが「ある」と言えるかどうかで決まります。 出来ばえでは決めません。

一行の筋がある。 一文で言えれば足ります。面白いかどうかは別です。

場面の並びがある。 順に並んでいれば足ります。抜けがあっても構いません。

コマと台詞がある。 読める形になっていれば足ります。絵が粗くても進みます。

工程 終わりの判定
アイデア 一文で言える
構成 順に並んだ
ネーム 通して読める

「まだ足りない」で止めないようにします。 足りているかは次の工程で分かります。

同じ短編が形を変えていく

同じ架空短編が、ネームから完成まで四枚で変わっていく図
四枚とも同じ場面です

四枚とも同じ場面です。 変わったのは、そこまでに足した手だけです。

ネームの段階では線は粗いままです。 置き場所だけが決まっています。

完成の形は、人に見せられる状態を指します。 きれいさの基準ではありません。

戻るか進むかの決め方

戻ってよいと決めても、いつ戻るかは別に決まります。

次の工程で手が止まったら戻ります。 作画で止まるなら、ネームに原因があります。

同じところを二回直したら戻ります。 直す対象が前の工程にあります。

気になるだけなら進みます。 進んでから直せることは多くあります。

起きたこと すること
次で手が止まる 戻る
二回直した 戻る
気になるだけ 進む

戻ってよい

作画の途中からネームへ戻る道筋を示した図
戻る道も引いてあります

作画の途中でネームへ戻れます。 そのほうが早いことがあります。

戻った回数を数えなくて構いません。 出来上がりに影響しません。

図には戻る道も引いてあります。 一方通行ではないためです。

工程ごとに残すもの

次の工程へ進むと、前の形は上書きされがちです。 残す先を決めておきます。

一行の筋は別の紙に残します。 途中で話がずれたときに戻れます。

場面の並びも残します。 ネームで組み替えたあと、元の順を確かめられます。

ネームは作画の前に控えます。 作画で迷ったとき、意図した並びが分かります。

残すのは一つずつで足ります。 版をいくつも作らなくて構いません。

進んでいるか分からないとき

つまずくところを、三つ取り上げます。 どれもこの記事で作った短編での話です。

三つとも、描く量を増やしていません。今どこに居るかを決め直しただけです。

工程ごとの成果物が言えるか確かめる

制作の手順を一通り終えたあとに確認したい5項目のチェックリスト
工程の数を採点する表ではありません

工程ごとに残るものが言えるか。 言えれば位置が分かります。

戻った工程を失敗として数えていないか。 数え方の問題です。

完成の形を先に決めたか。 決めると終わりが見えます。

一行で筋を書く

制作の手順に、決まった順番は要りません。描き始める前に、一行で筋を書いてみること。

そこから何が残っていくか。戻ってもよいと決めてあるか。 そこまで見えれば、今の位置は分かります。

途中で順を入れ替えても構いません。 残るものが増えていれば、進んでいます。

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