COMISTA JOURNAL漫画を描く

日常の出来事を漫画のネタへ変える方法

公開日

見たことをそのまま描くのではなく、観察・気づき・変化・架空場面の四段を通して、誰の話でもない形へ書き換えていきます。人の名前や勤め先を残さない外し方も併せて見ていきます。

「日常の出来事を漫画のネタへ変える方法」を表したイラスト

そのまま描くと、報告で終わる

出先で妙に引っかかった光景を、そのままコマに起こしたのに何も起きないことがあります。

起きたことを写しただけだからです。見たものを、誰の話でもない形へ書き換える手が要ります。

観察・気づき・変化・架空場面の札を一段ずつ右へずらして並べた図
どの段にも人の名前は入れていません

段のあいだに矢印を引いていない

四段は並べてありますが、一方通行の手順ではありません。

途中で止めても構いません。 気づきのところまでで置いておける観察もあります。

戻って観察を書き直しても構いません。 書き換えているうちに、見ていたものが変わることがあります。

図の段どうしを線でつないでいないのは、そのためです。 必ず最後まで行くという意味になるためです。

観察・気づき・変化・架空場面

段 何を書くか
観察 見たことだけ
気づき 引っかかった点
変化 置き換えるところ
架空場面 誰の話でもない

観察の欄には、起きたことしか入れません。 感想も評価も、まだ足しません。

架空場面まで来ると、もとの光景は残っていません。 それが書き換えられたという印になります。

観察に「誰が」を入れない

観察の段に、人の名前も呼び名も入れません。 そこに入れたくなったものは、たいてい外す対象です。

起きたことだけを短く書きます。 一行で足ります。

図の例が「雨の日にバスが混む」で止まっているのは、そのためです。 誰がいたかは書いていません。

気づきは、引っかかったところ

その光景の、どこが気になったのかを書きます。 うまく言えなくても構いません。

正しい分析でなくてかまいません。 自分が引っかかったという事実のほうが要ります。

言葉にできないときは、観察を一つ足してみます。 二つ並ぶと見えてくることがあります。

変化は、置き換えるところ

気づきを残したまま、起きたことのほうを入れ替えます。 ここが書き換えの中心です。

人も、場所も、時も替えられます。 引っかかりが残っていれば、別のものに替えても成り立ちます。

替えるほど、もとの人から遠くなります。 それは薄まったのではなく、作りごとになったということです。

メモから外すもの

メモから外すものを同じ大きさの札で四つ並べた図
一つ残れば分かってしまいます
外すもの どうするか
名前 呼び名も書かない
所属 勤め先や学校
場所 別の場所にする
日付 いつかを決めない

外したぶんを、別の言い方で書き足しません。 言い換えて残すと、外したことになりません。

四つに軽い重いはありません。 どれか一つ残れば、そこから届いてしまいます。

別の観察でも同じ四段

別の観察を同じ四段で書き換えた図
途中で止めても構いません

段の名前は変わりません。 中身だけが入れ替わります。

二つ目のほうが早く終わることもあります。 観察がそのまま場面になることもあります。

どちらが良い観察ということはありません。 並べて見るためだけの図です。

どんな光景を書き留めるか

引っかかった光景と言われても、何を拾えばよいか決まりません。

いつもと違っていたところ。 同じ場所で、前と違う様子です。

理由が分からなかったところ。 なぜそうなっているか説明できないものです。

二つのことが同時に起きていたところ。 噛み合っていない組み合わせです。

拾うところ 気づきになりやすい形
いつもと違う 何が変わったか
理由が不明 誰が決めたのか
同時に起きた 噛み合わなさ

人が写っていなくて構いません。 物と場所だけの観察から始められます。

全部がネタになるわけではない

見たものが残らず使えるわけではありません。 書き換えても動かないものがあります。

そのときは、観察のまま置いておけます。 あとで別の気づきと組み合わさることがあります。

捨てなくても構いませんが、無理に伸ばさなくても構いません。 使わない観察があって普通です。

観察を溜めておく形

書き留めたものを、後から使える形にしておきます。

一件一行にします。 長く書くと、後で読み返しません。

観察と気づきを分けて置きます。 混ざると、どこを残すか決められません。

日付を入れません。 いつのことか分かると、外し残しになります。

場所も書きません。 書き留めた時点で外しておくほうが安全です。

溜まったら、気づきの側だけを読み返します。 似た気づきが二つあれば、そこから場面が出ます。

迷ったときの三つ

判断に困る場面のために、三つの迷い方を書き出しました。 どれも架空のもので、実在の誰かの話ではありません。

三つとも、面白さを足す方向には動かしていません。 残すか外すかを決めているだけです。

自分のことを書くとき

自分の体験なら、そのまま使えるとは限りません。

その場に居合わせた人がいます。 その人の側の事情は、自分のものではありません。

読んだ人に、自分のことだと分かる形でも構いません。 困るのは、ほかの人が分かることです。

自分のことだけに絞ると、書ける範囲が狭まります。 そのときも、四段を通して書き換えます。

書き換えた結果、自分の話でなくなって構いません。 引っかかりが残っていれば、それで足ります。

名前・場所・本人を見る

日常の観察から外し残しがないか確認する5項目のチェックリスト
良いネタを選ぶための表ではありません
確かめる先 何を見るか
名前 残っていないか
場所 分からないか
本人 気づかれないか
実話らしさ 見えないか
変えない それも選べる

どれか一つでも引っかかったら、もう一段替えます。 迷ったら外す側に倒せます。

一段だけ書き換えてみる

ネタ探しに、特別な出来事は要りません。珍しいことを待つのではなく、引っかかった光景を一行で書き留めること。

そのどこが気になったのか。そこを残して、ほかを替えられるか。 そこまで進めば、もう自分の作りごとです。

替えきれないものは、替えきれないまま置いておけます。 全部を使い切る必要はありません。

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