COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画のモノローグを書く|絵と重ならない内面の言葉

公開日

絵を見れば分かることを語りでもう一度書くと、同じ情報が二回届きます。一つの場面について絵の側で渡るものと語りの側でしか渡らないものを分け、重なった行を語りから外す手順をまとめます。絵で示したら言葉が禁止になる話ではありません。

「漫画のモノローグを書く」を表したイラスト

絵と言葉が同じことを言っている

描いたコマに語りを乗せると、読み返したとき二重に聞こえることがあります。

絵で見えているものを、言葉でもう一度なぞっているからです。 情報としては一つです。

そこで、どちらの側で渡すかを分けます。 語りに残すものがそこで決まります。

見れば分かるものと、見ても分からないもの

渡す側 渡せるもの
絵 場所・表情・動き
語り 理由・過去・迷い

絵の側は、見れば分かるものを受け持ちます。 どこにいて、どんな顔で、何をしているかです。

語りの側は、見ても分からないものを受け持ちます。 なぜそうしたのか、前に何があったのかです。

この線引きは場面で動きます。 表情で迷いまで見せられるなら、語りは要りません。

絵の側と語りの側へ分ける

一つの場面について、絵で渡る情報と語りで渡る情報を左右に分けた図
両側に同じ行があると重なりです

並べた行は、説明用に一から書いたものです。 既存のモノローグを引用してはいません。

左に置けるものは、語りに書かなくて済みます。 描いてあるからです。

右にしか置けないものが、語りの中身になります。 見ても届かないものだけが残ります。

両側に同じ行があるなら、そこが重なりです。

重なった行を語りから外す

重なっていた行を語りの側から外したあとの、絵と語りの並びを示した図
外したのは語りの側だけです

外すのは語りの側です。 絵は描いてあるので減らせません。

外したぶん、語りは短くなります。 残った行は絵で届かないものだけです。

絵の側の行は前後で共通です。 語りの側からだけ行を落としました。

短くなった語りが物足りないなら、絵の側を減らす選択もあります。

絵で示したら言葉は禁止、ではない

ここで押さえるのは、両側に同じ行が無いかを見ることと、外すのは語りの側だという二つです。

語りの箱をどこに置くか

語りは絵の上に載ります。 置き場所で読む順が変わります。

枠の上に置くと、絵より先に読まれます。 前置きとして働きます。

枠の下に置くと、絵を見たあとに読まれます。 受けとして働きます。

吹き出しの近くへは置きません。 台詞と語りのどちらが先か決まりません。

置く場所 読まれる順
枠の上 語りが先
枠の下 絵が先

一本の中で位置を変えないでおくと、読み手が迷いません。

あえて重ねる場面がある

わざと同じことを言わせる置き方があります。

人物が自分に言い聞かせている場面がこれに当たります。 重なっていること自体が状態を示します。

重ねると強調になりますが、続けると効かなくなります。 一本の中で数を絞ります。

重ねたのか、うっかり重なったのかだけ区別しておけば足ります。

語りの人称と時をそろえる

誰が、いつの立場で語っているかを決めておきます。

その場の人物が、その場で思っている形。 絵と同じ時間です。いちばん近くで読まれます。

後から振り返って語る形。 先を知っている語り手になります。

誰でもない語り手が説明する形。 人物の内側には入れません。

途中で入れ替えると、誰の言葉か分からなくなります。 場面をまたいで固定します。

入れ替える場合は、字の形や箱の形を変えて区別できます。

語りの量は場面で変わる

場面ごとに量を揃える必要はありません。

動きが続く場面は語りを減らせます。 絵の側が多くを受け持っているからです。

止まっている場面は語りが増えます。 見えるものが少ないためです。

量の目安は、絵の側に何行あるかで決まります。

無言のコマの記事は言葉を置かない話

無言のコマを使う記事は、言葉を置かない選択のほうを扱います。

向こうは言葉を外したときに何が残るか、ここは残す言葉を選ぶ話です。

外すか残すかが分かれ道です。 全部外すなら、そちらを先に開きます。

同じコマに二つとも使えます。

説明場面を減らす記事は場面の話

説明場面を減らす記事は、場面の単位で寄せる話です。

向こうは場面と場面をまたいで重なりを探し、ここは一つのコマの中で絵と言葉を比べます。

単位が違うので、結論も別に出ます。 場面ごと寄せてから、コマの中を見る順になります。

着手の順は問いません。

絵の側を減らすとき

重なりを外すのに、語りではなく絵を減らす選び方もあります。

語りに残したい言葉が決まっている場面で使えます。 言葉が先にある場合です。

絵の側を引いた画面にします。 表情が見えなくなり、語りの側が受け持ちます。

後ろ姿にします。 顔の情報が落ちるので、迷いは語りへ移ります。

どちらを減らすかは、どちらを残したいかで決まります。 両方残すと重なります。

絵の列と語りの列を見る

見る列 確認すること
絵の列 見れば分かるか
語りの列 絵に無いことか

一コマだけ、二つに分けてみる

いま語りを乗せたコマが一つあるなら、そのコマで分かることを左へ、分からないことを右へ書き出します。

両側に出た行を、語りから消します。 絵には触れません。

一コマ分けられれば、あとは同じ作業です。 次のコマからは、分けるところだけを見れば足ります。

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