漫画のラストページを考える|読み終えた余韻を設計する
公開日
結末そのものを変えずに、最後の一枚に何を映すかだけを入れ替えてみます。人物・物・場所・行動という四つの最後の画面を並べ、それぞれで読後に残るものがどう変わるかを見ていきます。大ゴマで閉じる決まりはありません。
話は閉じたのに、読後が薄い
結末まで書き切ったのに、閉じたあとに何も残らないことがあります。
出来事としては終わっていても、最後に何を映すかを選んでいません。 成り行きで最後の一枚が決まっています。
そこで、結末はそのままで最後の画面だけを入れ替えます。 残るものが変わります。
人物・物・場所・行動を映す
| 映すもの | 残りやすいもの |
|---|---|
| 人物 | その人の気配 |
| 物 | 経てきた時間 |
| 場所 | 話の外の広さ |
| 行動 | 続いていく感じ |
四つのどれかを選びます。 四つを一枚へ詰めると、どれも立ちません。
選んだもの以外を消す必要はありません。 画面の中心をどれにするかの話です。
四つ以外を置いても構いません。 よく使われるのがこの四つというだけです。
同じ結末を四通りで閉じる
四つの画面は、一つの架空の結末をこちらで四通りに閉じたものです。 世に出た最終頁から取ったものではありません。
人物で閉じると、その人がどう変わったかが残ります。 表情でなくても、立ち方で足ります。
物で閉じると、そこまでの時間が残ります。 使い込まれた様子が効きます。
場所と行動は、話の外へ視線を伸ばします。 続きを読む側に預ける閉じ方です。
選ぶ前に、何を残したいかを決める
先に決めるのは、映すものではなく残したいものです。
残したいものが決まると、四つのどれが噛み合うかが見えます。 逆順だと迷い続けます。
残したいものは一つで足ります。 二つ書くと、最後の一枚が割れます。
決まらないときは、そこまでの話で一番動いたものを選びます。
ラストで決めつけないこと
手元に置きたいのは、残したいものを先に決めることと、最後に映すものを一つに絞ることの二つです。
最後の一枚は、あとから決めてよい
結末を書いた時点で決めなくても構いません。
通して読み返すと、何が一番動いたかが分かります。 そこから選び直せます。
途中で仮の一枚を置いておけば、手は止まりません。 印だけ付けておきます。
差し替えても、前の頁は動かさずに済みます。
残したいものに書けること
「残したいもの」と言われても、書き方が決まらないと選べません。
変わった人物の姿。 前と違う立ち方をしている、という形です。
変わらなかったもの。 何が起きても同じままのものです。
問いの答え。 冒頭で立てた問いへの答えです。
答えの無い問い。 閉じたあとに読み手が考える形です。
| 残したいもの | 選びやすい映すもの |
|---|---|
| 変わった姿 | 人物 |
| 変わらないもの | 物か場所 |
| 答えの無い問い | 場所か行動 |
一行で書けないなら、まだ決まっていません。 通して読み返せます。
続きがある場合の閉じ方
次があるときは、閉じ切らない形も選べます。
行動で閉じると、そのまま次へ渡せます。 立ち上がるところで切る形です。
物や場所で閉じても、次へつなげられます。 同じものを次の回の最初に置きます。
一話ごとに閉じ切る作りも、もちろん成り立ちます。
最後の一枚の手前に置くもの
結末と最後の一枚のあいだに、一枚入ることがあります。
結末の直後に間を置きます。 出来事が済んだことが伝わってから、最後の一枚へ移ります。
間を置かずに続けると、最後の一枚が結末の一部に見えます。 残したいものが立ちません。
間の一枚には何も起こさなくて構いません。 場所だけ、手元だけで足ります。
続けて閉じる形もあります。 勢いのまま終える話では、間を置きません。
山場を組む記事との位置
一番高いところを組み立てる手順は、別の記事が引き受けています。
あちらは一番高いところを作る話で、こちらはその後をどう閉じるかの話です。
山場がまだなら、あちらを先に通します。 こちらは終わりの一枚に絞っています。
両方を同じ一本に当てて構いません。
場面をつなぐ記事との違い
場所と時間を渡して場面をつなぐ記事は、別に置いてあります。
あちらは途中の切り替えを迷わせない話で、こちらは最後をどう置くかの話です。
同じ「切り方」でも、途中と最後では見るものが違います。 渡すのか、残すのかの差です。
つなぎ方が気になったら、そちらを開きます。
差し替えて比べる
最後の一枚は、作ってから比べられます。
四つのうち二つで閉じてみます。 同じ結末のまま、最後だけ差し替えます。
読み返して、残ったものが違うかを見ます。 違わなければ、どちらでも構いません。
決めた残したいものと噛み合うほうを選びます。 印象の強さでは選びません。
前の一枚は消さずに残しておけます。 後で戻すことがあります。
二つ作る時間が無ければ、一つで足ります。 残したいものが決まっていれば選べます。
残すもの・映すもの・大きさを見る
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 残すもの | 先に決めたか |
| 映すもの | 一つに絞ったか |
| 大きさ | 面積で決めてないか |
| 台詞 | 有無で決めてないか |
| 出どころ | 実作を引いてないか |
残したいものを、一行だけ書いてみる
いま結末まで書けているなら、読後に何を残したいかを一行書きます。
映すものを決めるのはその次です。 残したいものが先です。
一行あれば、今日の分としては十分です。 四通りの比較は、日を改めてからで構いません。