漫画で起承転結を使う|型を目的にしない構成づくり
公開日
四つの区切りを等分に割る決まりはありません。同じ出来事の並びについて、起承転結それぞれの長さと役割を変えた三案を並べ、型に合わせるのではなく話に合わせて配るところまでを見ていきます。
型に合わせると、話のほうが痩せる
四つの区切りへ収めようとして、入れたかったものが削られることがあります。
型が先に立って、出来事のほうを型へ寄せています。 順番は合っているのに手応えが薄くなります。
そこで、配り方を何通りか並べてみます。 同じ出来事でも、長さと役割は動かせます。
起・承・転・結で動かせること
| 区切り | 動かせること |
|---|---|
| 起 | どこまで置くか |
| 承 | 何を重ねるか |
| 転 | 何が入れ替わるか |
| 結 | どこで閉じるか |
四つを同じ長さにする決まりはありません。 どこを厚くするかは、その話が決めます。
起から順に手を付けなくても組めます。 転を置いてから前を作る進め方もあります。
四つ全部に出来事を置かなくても成り立ちます。 承が薄い話もあります。
三案で配り方を見比べる
並べた三案は、この記事のために組み立てた架空の一本から作りました。 公開されている作品を読み解いたのではありません。
一案目は承を厚く取っています。 関係が積み上がる話に向きます。
二案目は転を前へ寄せています。 早いうちに向きが変わる話になります。
三案目は結を長く残しています。 何が変わったかを見せる時間が要る話です。
転で何が入れ替わるか
転に大きな事件を置かなくても成り立ちます。
入れ替わる先は出来事に限りません。 受け取り方が動くだけでも転になります。
静かな転を選ぶと、結で説明する量が減ります。 そこまでで伝わっているためです。
どちらを取るかは、承までに何を積んだかで決まります。
型を先に立てない
手元に置きたいのは、長さを話に合わせて配ることと、転に何を置くかを選ぶことの二つです。
承に何を重ねるか
四つのうち、承がいちばん薄くなりやすいところです。 重ねられるものを挙げます。
同じことを二度やらせます。 二度目で少し違う結果になると、そこが積み上がります。
関わる人を一人増やします。 関係が増えると、転で動く幅が広がります。
やらない理由を見せます。 断り続けた分だけ、転で受けたときに差が出ます。
| 重ねるもの | 転で効くこと |
|---|---|
| 繰り返し | 差が見える |
| 増えた関係 | 動く幅 |
| 断る理由 | 受けたときの差 |
何も重ねずに転へ入ると、入れ替わる前がありません。
型は確かめる道具として使う
先に型へ収めるのではなく、書いたあとで当ててみる使い方があります。
当ててみて空いた区切りが見つかれば、そこが薄いところです。 そこを足すかどうかは、その場で判断します。
埋まらない区切りを残したまま出しても構いません。 型に通ることが出来の証明にはなりません。
使う場面は、詰まったときの見取り図としてで足ります。
結をどこで閉じるか
転で入れ替わったあと、どこまで書くかを決めます。
入れ替わった直後で閉じる。 短く切り上げる形です。何が変わったかは読み手が補います。
変わったあとの行動まで書く。 一つ動かしてから閉じます。変化が確かめられます。
しばらく後の場面まで書く。 時間が飛び、変化が続いていることが出ます。
どこで閉じるかは、承でどれだけ積んだかで決まります。 積んだものが多いほど、結は短くて足ります。
結が長くなったら、承で渡せていなかったものがあります。 そこを見直せます。
三幕で区切る記事との位置
出来事と人物の変化を三つの幕で整理する記事は、別の記事が受け持っています。
あちらは継ぎ目で何が起きたかを見る話で、こちらは四つの区切りへどう配るかの話です。
片方だけ使っても、両方を重ねても構いません。 区切りの数が違うだけです。
どちらか一方に絞らなくて済みます。
四つの枠で組む記事との違い
四コマの枠それぞれに役割を決める記事は、別に置いてあります。
あちらは一枠ずつの役割を決める話で、こちらは長さそのものを配る話です。
枠の数が四つでも、扱っていることが違います。 配分か、役割かの差です。
枠の役割まで決めたくなったら、そちらへ移ります。
空いた区切りの扱い
当ててみて、何も入らない区切りが出ることがあります。
空きが承なら、転までの積み上げがありません。 足すかどうかを決めます。
空きが転なら、入れ替わりが起きていません。 話としては通っていることもあります。
空きが結なら、閉じ方を選んでいません。 ここだけは足しておけます。
空いたまま出しても構いません。 型に通ることが条件ではありません。
空きを埋めるために出来事を作ると、型のための場面になります。 それは避けられます。
長さ・転・結を見る
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 長さ | 等分にしてないか |
| 転 | 事件に頼ってないか |
| 結 | 短さで測ってないか |
| 空き | 残したままか |
| 順 | 型が先でないか |
一案だけ、幅を変えてみる
いま四つに区切った並びがあるなら、どこか一つの幅を変えます。
厚くしたい区切りを一つ選んで、そこへ出来事を足します。 他は触りません。
それだけで今日は十分です。 他の案は、手が空いたときに作れば足ります。