漫画の歩くポーズを描く|体重移動を表す
公開日
歩く姿が止まって見えるのは、体重の移り方が出ていないからです。同一人物の歩行を四つの段に分け、接地した足と重心の位置が段ごとにどう移るかを測って比べます。
歩かせたのに止まって見える
脚を前後に開いたのに、その場で足踏みしているように見えることがあります。
脚の形だけを変えているからです。 体重がどちらに乗っているかが出ていません。
そこで、重心を一本の線として置きます。 段ごとに位置が変わります。
歩行で動く六つ
| 動くもの | 見るところ |
|---|---|
| 接地 | どちらの足か |
| 重心 | 体の中心線 |
| 脚 | 前後の開き |
| 腕 | 脚と逆の振り |
| 上体 | 傾きの向き |
| 進む先 | 体の向き |
接地は、どちらの足が地面を支えているかです。 ここが決まらないと重心も決まりません。
重心は体の中心が乗っている位置です。 接地している足のほうへ寄ります。
脚と腕と上体は、この二つが決まってから置きます。 先に決めるのは接地です。
四つの段で一巡する
四つの姿は、同じ一人を段ごとに置き直したものです。 体格は変えていません。
黄色い印が、その段で接地している足です。 破線が重心の線です。
この図の座標で測ると、重心は体の中心から −18・−8・14・22 の位置にあります。 左から右へ移っていきます。
どの段でも、重心は接地している足の側にあります。
一枚だけで歩かせるとき
四つの段を全部描ける場面ばかりではありません。 一枚で歩いて見せる方法を置いておきます。
乗り移る途中の段を選びます。 両足が離れている段です。いちばん動いて見えます。
重心を真ん中に置きません。 どちらかの足へ寄せます。
上体を進む向きへ少し傾けます。 立ったままだと止まって見えます。
腕を脚と逆に振ります。 一本でも入っていれば足ります。
| 一枚で選ぶ | 避ける |
|---|---|
| 乗り移る途中 | 両足が揃った段 |
| 重心を片側へ | 真ん中 |
重心は接地した足の側
姿を外して、重心の位置だけを並べたものです。
四つの点が一方向へ並びます。 戻る点があると、歩行が一巡しません。
間隔は等しくありません。 乗り移る途中で大きく動きます。
ここに出した値は図の座標で、画面の実寸ではありません。
速さの話ではない
接地を決めてから、重心をその側へ寄せる。 順序はこの一方向です。
上体の傾きと重心
重心の線を引いても、上体が伴っていないとずれて見えます。
重心が前の足に寄るとき、上体も少し前へ出ます。 体が線に乗ります。
重心が後ろの足にあるとき、上体は起きます。 前へ倒すと乗り移りが早すぎて見えます。
上体を動かす量は、重心の移った量より小さくします。 同じだけ動かすと、上体だけ大きく揺れます。
傾ける向きは進む方向です。 左右へ傾けると、よろけて見えます。
同じ速さでも歩幅は変わる
急いでいなくても、歩幅が広がる場面があります。
気持ちや地面の状態で変わります。 速さだけで決まるものではありません。
歩幅を変えたら、重心の移り方も一緒に見ます。 片方だけ動かすとずれます。
どの歩幅にするかは場面が決めます。
腕は脚と逆に出る
前に出ている脚と同じ側の腕を前に出すと、固まって見えます。
逆に振ると、上体がねじれて自然になります。 一本だけでも効きます。
腕を描かない構図では、上体の傾きで代わりになります。 肩の高さを変えます。
両方を同時に大きく動かす必要はありません。
走る姿を組む記事は別の作り
進む向きと体の向きを別々に決める記事は、走る姿の組み立てを扱います。
あちらが分けるのは向き、ここで追うのは体重の移りです。
歩行と走行では、接地している時間の長さが違います。 手順を流用しないほうが揃います。
走る場面を組むなら、そちらが入り口です。
全身の据わりを見る記事は一枚の中
頭身と重心を扱う記事は、立ち止まった一枚を見ます。
あちらは一枚の中の据わり、ここは段から段への移りです。
据わりが取れていないと、並べても移って見えません。 先にそちらを通せます。
一枚で止まっている場合は、そちらから確かめられます。
重心を追ったあとの三つ
| 追ったあと | 確認すること |
|---|---|
| 接地 | 印が一つか |
| 重心 | 足の側か |
| 並び | 戻っていないか |
二段だけ、重心を置いてみる
いま止まって見えるコマが一つあるなら、その前後で二段だけ作ります。
それぞれで接地した足を決め、重心の線を引きます。 脚の形は触りません。
二段で重心が動いていれば足ります。 動いていなければ、片方の接地を入れ替えます。