ダンス漫画を選ぶ|競技と表現の違いを楽しむ
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ダンスが出てくることと、ダンスが主題であることは別です。競技・舞台・ストリートという分野の違いと、技術の説明がどれくらい入るかという説明量の違いから、読みたいダンスの物語を選ぶ方法をまとめました。説明量は作品の良し悪しではありません。
「ダンスが出てくる」と「ダンスが主題」は別
ダンスの漫画が読みたい。そう思って探すと、踊る場面がある作品をまとめて候補にしてしまいます。
でも、踊る場面が一度あることと、ダンスが物語の軸になっていることは別です。 文化祭で一度踊る作品と、練習から本番までが続く作品では、読む体験がまるで違います。
見たほうがいいのは、どの分野のダンスを、どれくらいの説明つきで読むかです。 そこが決まると、同じ「ダンスもの」の棚でも選ぶものが変わります。
踊る場面・部活・大会を主題の条件にしない
先に、混ざりやすいところを外しておきます。
見たいのは、作品の中心がどこに置かれているかです。
三つの分野で分ける
まず、どの場で踊るのかを見ます。
| 分野 | 前に出るもの |
|---|---|
| 競技 | 点数と順位 |
| 舞台 | 見せ方と振付 |
| ストリート | 即興とその場 |
競技には、大会と採点があります。 勝ち負けがはっきり出るぶん、結果に向かう時間が物語になります。
舞台では、見せるための作品を作ります。 振付、構成、通し稽古。仕上げていく過程が読みどころです。
ストリートでは、その場での掛け合いや交流が中心になります。 バトルもセッションも、集まった人との関係の中で起こります。
補助として、部活動・チーム・ソロという見方も足せます。 同じ競技でも、一人で挑む話と集団で挑む話では読み心地が違います。
説明量は、良し悪しではない
もうひとつの手がかりが、技術や用語の説明がどれくらい入るかです。
技を名前で説明する作品もあれば、体の感覚だけで進む作品もあります。練習の過程を細かく描く作品もあれば、本番の場面だけを見せる作品もあります。
説明が多いほうが親切、少ないほうが洗練されている、ということはありません。 何も知らないところから入るなら説明があると助かりますし、動きそのものを追いたいなら説明は少ないほうが速く読めます。
いま自分がどちらを求めているか、というだけの話です。
見るところは六つ
分野と説明量に、あと四つ足します。
| 見るところ | 確認ポイント |
|---|---|
| 競技 | 大会や勝敗が中心か |
| 舞台 | 見せる作品づくりか |
| ストリート | 交流や即興が中心か |
| 練習 | 上達の過程を描くか |
| 説明量 | 用語の解説が多いか |
| 人間関係 | チームや仲間が中心か |
練習が厚い作品は、できるようになるまでの時間を読むことになります。 人間関係が中心なら、踊りは関係が動く場になります。
一人で踊るか、揃えて踊るか
分野と説明量のほかに、人数の形をもう一つ足すと候補が絞れます。 ソロかチームかという話は先に補助として挙げましたが、ここが変わるとうまくいかないときの形そのものが変わります。
| 踊り方 | 失敗の形 |
|---|---|
| 一人で踊る | 届かない |
| 揃えて踊る | ずれる |
| 掛け合う | 返せない |
一人で踊る作品では、相手がいません。 比べる先も、合わせる先も自分の外にない。だから失敗は「届かなかった」という形で来ます。 観客や審査に対して何が足りなかったのかを、本人が引き受けることになります。読んでいる時間は内側に向きます。
揃えて踊る作品では、合わない人がいます。 一人が上手くなっても全体は揃わず、揃えるために誰かが抑えることもあります。 失敗は「ずれる」という形で来て、原因が一人に決まりません。集団の話として読むことになるので、関係の描写が増えます。
掛け合う形の作品では、相手の出方で自分の踊りが決まります。 用意してきたものをそのまま出せない。失敗は「返せなかった」という形で、その場でしか起きません。 準備の時間より、その一回のやり取りに読みどころが集まります。
同じ分野の中でも人数の形は変わります。 競技にもソロと団体があり、舞台にも独舞と群舞があります。分野を決めただけでは、この軸は決まりません。
紹介文からは、人数の形はだいたい読めます。 部やチームの名前が出ていれば揃える形、個人名だけなら一人で踊る形に寄ります。説明量よりも表に出やすいところです。
体や才能の話にしない
ダンスを扱うと、身体の話に寄りがちです。この記事ではそこを扱いません。
怪我や体づくりの助言はしない
怪我や身体の負担が描かれる作品もありますが、この記事は指導の記事ではありません。
怪我の治し方、ストレッチのやり方、食事の制限、体重の落とし方、筋力づくりの組み立て、医療の判断。どれもこの記事の範囲外です。
作品の中に練習や手当の場面が出てきても、それを現実の安全の根拠にはしないでください。 物語のための描写であって、手引きではありません。
架空例で分野と説明量の組み合わせを見る
分野と説明量の組み合わせを、こちらで四通り作ってみます。どの作品のことでもありません。
4つとも、踊る場面の多さでは分けられません。 どの分野を、どれくらいの説明つきで読むかで、手ざわりが変わります。
「初心者向け」は読まないと判定できない
作品を控えるときは、どこまでが確かめたことなのかを分けておきます。
体験別・音楽もの・演劇もの・勝敗ものの入口との境目
混ざりやすい入口があるので、分かれ目を示しておきます。
読みたい体験から分野を選ぶ見方は、その手前の話です。 あちらは分野そのものを決める段階で、こちらはダンスという分野の中を分けています。 総論には戻りません。
音楽の活動を読む見方とは別です。 曲が流れることと、体の表現が主題であることは違います。 演奏する側が中心なら、そちらの棚です。
演じる物語を読む見方とも分かれます。 舞台という言葉が同じでも、台詞で進むのか動きで進むのかは別のことです。
勝敗を読む見方だけにも寄せません。 競技を扱っても、練習・表現・チームのほうが主題の作品はあります。 大会があることと、勝ち負けが読みどころであることは別です。
分野と説明量を決める前に見る5点
開く前に、さっと確かめておきたいところです。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 分野 | 競技か舞台か |
| 説明 | 解説がどれくらいか |
| 練習 | 過程が描かれるか |
| 断定 | 体や才能の話にしないか |
| 実用 | 治し方と混ぜないか |
結局、ダンスものは「踊る場面の多さ」ではなく「場と説明量」で選ぶ
ダンス漫画を探すときにやることは、結局ひとつです。大会に向かう話か、舞台を作る話か、その場のやり取りの話か。どこを読みたいのかを先に決めること。
そこに説明量の好みを足すと、同じ分野の中でも選ぶものが変わります。 名前を覚えながら読みたい日もあれば、動きだけを追いたい日もあります。
そして、説明の量は作品の質とは関係ありません。 多いから丁寧、少ないから上級、という読み方をやめると、候補はむしろ増えます。