漫画のジャンルを選ぶ|読みたい体験から入口を探す
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ジャンル名から決めようとすると手が止まります。学校生活を読みたい、働く現場を見たい、知らない土地へ行きたいといった「読みたい体験」を先に決めて、そこから入口の分野へ変換する見方をまとめました。舞台・主題・テンポなど8つの手がかりも整理しています。
ジャンル名から決めようとすると、手が止まる
次は何を読もう。そう思って一覧を眺めていると、ジャンル名を順番に見ては、どれもぴんと来ないまま閉じてしまいます。
理由は単純で、ジャンル名は作り手側の棚の名前だからです。 読む側が持っているのは「学校の話が読みたい」「知らない土地を見たい」といった、もっと手前の気持ちです。
だから順番を入れ替えます。先に読みたい体験を決めて、そこから入口の分野へ変換する。 そうすると、名前を知らない分野にも手が伸びます。
分類表として使わない、という前置き
先に、書かないことを並べておきます。
分野の名前は、探すときの手がかりとして借りるだけです。
まず「読みたい体験」を言葉にする
やることは一つです。いま何を読みたいのかを、一言にします。
「学校の話」「働いている人の話」「知らない土地」。この粗さで十分です。そこまで決まれば、入口はあとから付いてきます。
| 読みたい体験 | 入口候補 |
|---|---|
| 学校生活 | 学園 |
| 働く現場 | お仕事 |
| 作る・食べる | 料理 |
| 知らない土地 | 旅 |
| 競争と成長 | スポーツ |
| 謎を考える | ミステリー |
| ゆっくり過ごす | 日常 |
この表は変換のための道具です。 正しい対応を定めたものではありませんし、左と右が一対一でもありません。
入口ごとに、見えるものが変わる
同じ「読みたい」でも、入口によって前に出るものが変わります。
学園 は、限られた時間と場所の中で人が動きます。関係の近さと、卒業のような区切りが効いてきます。
お仕事 は、その仕事の手つきが見どころになります。知らない現場の段取りが読めます。
料理 は、作る過程と食べる場面が主役になります。手順そのものを読む楽しさがあります。
旅 は、場所が変わり続けます。同じ人物が違う景色に置かれるので、見える面が増えます。
スポーツ は、積み上げと本番があります。競争が中心にある作品もあれば、続けること自体を描く作品もあります。
ミステリー は、問いと手がかりの出し方が骨組みになります。考えながら読む時間が長くなります。
日常 は、大きな出来事より、繰り返しのほうに重みがあります。読む側の速度で進められます。
どれが面白いかという並びではありません。 いま自分が何を見たいかで、合う入口が変わるだけです。
読みたい体験が言葉にならない日は
この記事の手順は、読みたい体験を一言にできることを前提にしています。 でも、それが出てこない日のほうが多いかもしれません。そのときの進み方を置いておきます。
まず、読みたくないものから決めます。 今日は重い話は避けたい、頭を使いたくない、長い作品には入りたくない。避けたい側のほうが、たいてい先に言葉になります。 外すだけでも入口はかなり減ります。
次に、直前に読んだものを思い出します。 前に読んだ作品と同じ方向へ行きたいのか、違う方向へ行きたいのか。前作を基準にすると、ゼロから決めるより速いです。
それでも出てこなければ、場所から入ります。 学校、職場、台所、道の上。体験より場所のほうが具体的なので、思い浮かべやすいことがあります。 場所が決まれば入口は自動的に絞られます。
時間から入る手もあります。 十分しかない、今日は長く読める。使える時間が決まれば、テンポの軸だけで候補が絞れます。 体験が決まっていなくても始められます。
それも決まらない日は、前に合わなかった入口の隣を開きます。 合わなかったのが一作だけなら、その分野をもう一度試す。入口ごと外していないかを確かめる日として使えます。
1作品が一つの分野に収まるとは限らない
ここが肝心なところです。
学園とスポーツ、仕事と人間関係、料理と家族、旅と日常、謎とコメディ。組み合わせで成り立っている作品のほうがふつうです。
だから、一つの入口で探して見つからなくても、そこで終わりではありません。 隣の入口から同じ作品に行き当たることがあります。
入口を決める8つの手がかり
分野の名前でまだ迷うときは、もう少し細かい手がかりを使います。
舞台と主題
どこの話か、何の話か。この二つが決まると、入口はかなり絞れます。舞台だけ決まっていて主題が空でも構いません。
読後感とテンポ
読み終わったあとどうなりたいか、どれくらいの速さで進みたいか。速い遅いに優劣はありません。
人間関係と人数
誰を追うのか。一人を深く見たいのか、複数の人物を眺めたいのか。ここは入口を変えると大きく変わります。
距離と目的
現実に近いところを読みたいのか、離れたいのか。目的に向かって進む話か、日々が続く話か。離れているほうが非現実的で軽い、ということはありません。
| 迷ったとき | 確認すること |
|---|---|
| 舞台 | どこの話か |
| 主題 | 何の話か |
| テンポ | 速いか遅いか |
| 人数 | 一人か複数か |
| 距離 | 現実寄りか |
架空の読者状況で見てみる
体験から入口への変換がどう働くのか、こちらで四つ書いてみます。実在の読者でも作品でもありません。
4つとも、入口は一つに決まりません。 決まらないのは迷っているからではなく、そもそも重なっているからです。
同じ入口でも、作品ごとに違う
分野を決めても、そこから先はまた別です。
同じ学園でも、静かな作品と賑やかな作品があります。同じミステリーでも、じっくり考える作品とテンポで読ませる作品があります。入口は候補を集めるためのもので、そこから先は一作ずつ見ます。
だから、入口が合わなかったのか、その一作が合わなかったのかは分けて考えます。 一作で判断すると、分野ごと候補から外してしまいます。
合わなければ隣の入口へ移れば済みます。 一度決めた分野に付き合い続ける必要はありませんし、戻ってきても構いません。
読後感・構造・要素量の入口との境目
近いところに別の入口があるので、線を引いておきます。
読み終わったあとの気分から選ぶ見方とは、順番が違います。 あちらは読後感そのものを起点にします。こちらは体験から分野へ変換して、まだ試していない領域へ渡るのが目的です。
物語の構造から選ぶ見方とも別です。 視点の数や人物の配置は、どの分野にもまたがるので、ここでは主役にしません。
特定の要素の量を確かめる見方とも違います。 ここでは分野を、量の多い少ないで並べません。
入口を決める前に見る5点
開く前に、さっと確かめておきたいところです。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 体験 | 何を読みたいか |
| 入口 | どの分野から入るか |
| 重なり | 他の要素もあるか |
| 決めつけ | 一つに固定していないか |
| 次 | 合わなければ隣へ |
結局、ジャンル名は棚の名前で、読む側の言葉ではない
ジャンルから漫画を探すときにやることは、結局ひとつです。読みたい体験を先に決めて、そこから入口を一つだけ選ぶこと。
一覧を上から順に見ていくと、知っている名前で止まります。体験から変換すると、名前を知らなかった分野が候補に入ってきます。
入口は住所ではありません。合わなければ隣へ移れます。 そう思っておくと、まだ読んでいない分野にも手が伸びます。