妖怪が登場する漫画を探す|怪異と共にある物語
公開日
妖怪が出てくる漫画は怖い話だけではありません。怖がらせる、交流する、共に暮らす、助ける、妨げる、導くという六つの役割と、同じ存在でも作品ごとに関係が変わることを手がかりに、読みたい関わり方から作品を選ぶ方法をまとめました。
「妖怪が出てくる」だけでは絞れない
妖怪が出てくる漫画が読みたい。そう思って探すと、怖い話ばかりが並びます。
ですが、妖怪が出てくる作品で読みどころになるのは、その存在が物語で何をしているかのほうです。怖がられる存在として置かれる作品と、主人公と話す作品と、同じ町で暮らしている作品では、読んでいる時間の中身がまったく違います。
| 妖怪の役割 | 見るポイント |
|---|---|
| 恐怖 | 避けようとするか |
| 交流 | 会話があるか |
| 共生 | 日常の中にいるか |
| 援助 | 主人公を助けるか |
| 妨害 | 行動を止めるか |
| 導き | 物語の入口か |
この六つは並列です。恐怖も六つのうちの一つであって、先に来るものではありません。
役割は一つとは限らない
先に外しておきたい見方があります。
一体の妖怪に役割が一つ、ということはありません。 助けてくれるが同時に行動を妨げる存在もいますし、怖がられていた存在が途中から一緒に暮らす作品もあります。
作品を選ぶときは、六つのうちどれが点いているかを見れば足ります。点く数が多いほど良い、ということではありません。
同じ存在でも関係が違う
役割と近いところですが、分けておきます。
同じ名前の存在が出てきても、近づかないようにする作品と、言葉を交わす作品と、同じ場所で過ごす作品では読み心地が変わります。
紹介文からでも、主人公と妖怪が会話しているかどうかはある程度読み取れます。そこが分かるだけで候補はかなり絞れます。
怖さは条件ではない
混ざりやすいので分けておきます。
妖怪が出てくることと、怖い作品であることは別です。 怖さそのものを味わいたいときは、恐怖の種類や表現から選ぶほうが早く、それは別の入口になります。
ここで見ているのは、妖怪との関わり方です。怖がる関係も六つのうちの一つとして扱います。
一体と長く付き合うか、毎回入れ替わるか
役割と関係を決めたら、もう一つ見ておくと絞りやすくなります。妖怪が何体出てきて、入れ替わるかどうかです。 ここが違うと、同じ「交流」でも読んでいる時間の中身が変わります。
| 妖怪の出方 | 読みどころ |
|---|---|
| 一体と続く | 関係の変化 |
| 毎回変わる | 事例の並び |
| 大勢が常にいる | 場の空気 |
| 途中で増える | 輪が広がる |
一体と長く付き合う作品では、関係が変わっていきます。 怖がっていた相手と話すようになり、やがて隣にいるのが当たり前になる。六つの役割が巻をまたいで移っていくので、どれが点いているかは読んだ範囲で決まります。 関係の変化そのものを読みたい日に向いています。
毎回入れ替わる作品では、一話ごとに別の存在が出ます。 出てきて、何かが起きて、去る。役割も回ごとに切り替わるので、一冊の中に恐怖も交流も共生も入ります。 どこから読んでも入れるかわり、関係が積み上がりません。
大勢が常にいる作品では、個々の存在より場の空気が前に出ます。 誰が誰かを覚えなくても読める作りで、妖怪がいることが前提の世界として描かれます。 共生が点いている作品に多い形です。
途中で増えていく作品もあります。 はじめは一体だけで、関わる相手が少しずつ増える。輪が広がる過程が読みどころになるので、読む順番が効いてきます。
紹介文からは、ここはかなり読めます。 一体の名前だけが出ていれば続く形です。語の選び方も手がかりになります。 「さまざまな」「数々の」といった言い方や、一話ごとの副題が並んでいれば入れ替わる形です。役割よりも表に出やすいところです。
伝えられている話どおりとは限らない
名前を知っている存在が出てきたときの注意です。
名前が同じでも、その作品での姿や力は作品が決めています。 名前だけを借りて中身をまるごと作り直すやり方も、以前からよく使われています。
呼び方は作品ごとに違う
もう一つ、決めつけないでおきたいところです。
妖怪、怪異、幽霊、霊、あやかし。これらの呼び分けを、この記事では学術的な分類として決めません。 作品によって同じ存在を別の言葉で呼びますし、作品の中で独自に定義していることもあります。
| 呼び方 | この記事での扱い |
|---|---|
| 妖怪・怪異 | 作品内の扱いを見る |
| 幽霊・霊 | 呼び分けを決めない |
| あやかし等 | 作品の定義に従う |
読む側としては、その作品がその存在をどう扱っているかが分かれば足ります。
神や信仰が混ざるとき
神様や社、祈りの場面が一緒に出てくる作品もあります。
ここは分けておきます。作品が作った設定と、伝えられてきた話と、実在の信仰です。作品の中の神や儀式を、実在する信仰の説明としては読まないようにします。
実在する宗教の中身を、ここで解説することもしません。 知りたいのは、その場面が作品の側で作られたものかどうかだけです。
「日本の妖怪は」とまとめない
選ぶ話に戻る前に、ひとつ外しておきます。
架空例で役割の点き方を見る
点く役割の組み合わせを変えた例を、こちらで四つ作ります。どの作品のことでもありません。
4つとも、怖さの強さでは並べ替えられません。 役割の組み合わせが違うだけです。
開く前に役割と関係を確かめる
開く前に、さっと確かめておきたいところです。
| 確かめるところ | 見かた |
|---|---|
| 役割 | 六つのどれか |
| 関係 | 会話があるか |
| 呼び方 | 作品内の扱い |
| 由来 | 作品独自かどうか |
| 題材 | 苦手が無いか |
公式の紹介文で分かるのは、たいていどんな存在が出るかと、主人公との関わりがあるかまでです。役割の組み合わせまでは書かれていないことも多いので、試し読みがあればそこを見ます。
結局、妖怪ものは「怖いかどうか」ではなく「役割の点き方」で選ぶ
妖怪が出てくる漫画を探すときにやることは、結局ひとつです。その存在とどう関わる話を読みたいのかを先に決めること。
怖がる側でいたいのか、言葉を交わす話を読みたいのか、一緒に暮らす日々を見たいのか。そこが決まっていれば、紹介文で見る場所が決まります。
「妖怪漫画」とひとことで言っても、役割は作品ごとに違います。今日の自分がどれを求めているかが決まると、選びやすくなります。