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動物漫画を選ぶ|飼育・共生・動物視点の物語

公開日

動物が出てくることと、動物との関係が描かれることは別です。飼育・共生・野生・仕事・動物視点・観察という6つの関わり方で作品を分け、動物視点と擬人化と観察の違いも整理しました。動物漫画は癒やしだけではありません。

「動物漫画を選ぶ」を表したイラスト

「動物が出てくる」と「関係が描かれる」は別

動物の漫画が読みたい。そう思って探すと、動物が登場する作品をまとめて候補にしてしまいます。

でも、動物が画面にいることと、人と動物の関わりが物語になっていることは別です。 背景に猫がいるだけの作品と、その猫の世話が話の軸になっている作品では、読む体験がまるで違います。

動物が出てくるだけの場合と、人と動物の関わりが描かれる場合を同じ大きさの面で並べた図
面の大きさは同じです。関わりの帯があるかどうかだけが違います

見たほうがいいのは、どういう関わり方が描かれているかです。 そこで分けると、同じ「動物もの」の棚でも選ぶものが変わります。

登場・ペット・絵柄を主題の条件にしない

先に、混ざりやすいところを外しておきます。

見たいのは、作品の中心がどこに置かれているかです。

関わり方で分ける

六つの関わり方で見ます。

飼育・共生・野生・仕事・動物視点・観察の6つを、人の面と動物の面の置き方で表した図
6つは並列です。順番に優劣はありません
見る関係 確認ポイント
飼育 世話や生活が中心か
共生 同じ環境で暮らすか
野生 人が管理しない距離か
仕事 獣医や保護が軸か
動物視点 動物側から進むか
観察 生態を見ることが中心か

飼育

迎えること、世話、食事、通院、日々の生活。責任と時間が物語に入ってきます。 一緒に暮らすことの手間まで描かれる作品もあります。

共生

飼う・飼われるという形をとらず、同じ場所で暮らしている関係です。 距離の取り方そのものが読みどころになります。

野生

人が管理しない動物との関わりです。近づけない距離があること自体が主題になります。 出会いが一度きりで終わる作品もあります。

仕事として関わる

獣医、飼育員、保護に携わる人、研究する人。役割を通した関わりが軸になります。 仕事の側が中心なら、働き方の話としても読めます。

動物の側の立ち位置が、取れる関わり方を狭める

六つの関わり方は並列ですが、作品ごとに全部が選べるわけではありません。 動物がどういう立ち位置に置かれているかで、描ける関わりがほぼ決まります。ここを知っておくと、探す順番が短くなります。

動物の側 出やすい関わり方
家庭で暮らす 飼育・共生
人が管理しない 野生・観察
役割を持つ 仕事・共生

家庭で暮らす動物が出る作品では、飼育か共生が手前に来ます。 世話の時間が自然に入るためです。野生の距離を読みたい日には、ここを探しても当たりません。

人が管理しない動物が出る作品では、野生か観察になります。 近づけないことが前提なので、世話の場面はほとんど出てきません。 距離そのものを読みたい日向きです。

役割を持って人と関わる動物では、仕事の側が中心になります。 使われる、支える、共に働く。関わりはあるのに、飼育とは手触りが違います。

同じ作品の中で立ち位置が変わることもあります。 保護されて家庭へ入る、あるいは家庭から離れて野生へ戻る。その場合は、変わる前と後で読み心地も入れ替わります。

動物視点は、いくつかに分かれる

「動物の視点」とひとくくりにすると、まったく違う作品が同じ棚に入ってしまいます。

動物の内面を描く・擬人化する・人が観察する・生態を描くの4つを、語りの印の位置で分けた図
語りの印がどちら側にあるかで分かれます
描き方 見分けるところ
内面を描く 動物の側から語る
擬人化 人の言葉で話す
観察 人が外から見る
生態 行動そのものを描く

動物の内面を物語として描くことと、人の言葉と感情を与えることは違います。 前者は動物の側に語りがあり、後者は人の語り方を借りています。

人間の側が観察する作品では、語りは人の側にあります。 生態そのものを描く作品は、語り手を置かずに行動を見せます。

どれが正確ということはありません。 擬人化された行動を、実際の動物がそうすると受け取らなければ、それで足ります。

動物漫画は癒やしだけではない

ここは先に置いておきます。

動物漫画に含まれうるものを、同じ大きさの面で並べた図
並びに順位はありません。含まれることがある、というだけです

飼育の責任、保護、別れ、病気、老いや死、野生との距離の取り方、人の都合で動物が扱われること。動物が出てくる作品には、これらが含まれることがあります。

動物漫画イコール癒やし、とは書きません。 穏やかな作品もありますが、それは動物が出てくるからではなく、その作品がそう作られているからです。

飼い方の助言はしない

動物を扱う記事ですが、飼育や医療の実用情報は書きません。

病気、投薬、食事、しつけ、飼育環境、急を要するときの対応、繁殖、予防接種。どれもこの記事の範囲外です。

作品の中に世話の場面が出てきても、それを実際の飼育の根拠にはしないでください。 物語のための描写であって、手引きではありません。

実在の動物の行動についても断定しません。 この動物は必ずこうする、この仕草は必ずこういう意味、という書き方はしません。

架空例で関わり方の違いを見る

関わり方の違いがどう場面になるのか、四つ書き出します。実在する作品のものではありません。

4つとも、動物が出てくるかどうかでは分けられません。 どの関わり方が中心かで、読み心地がまるで違います。

読まずに中身を断定しない

作品を控えるときは、どこまでが確かめたことなのかを分けておきます。

体験別・料理もの・旅もの・音楽ものの入口との境目

近いところに別の入口があるので、線を引いておきます。

読みたい体験から分野を選ぶ見方は、その手前の話です。 あちらは分野そのものを決める段階で、こちらは動物という分野の中で関わり方を分けています。 総論には戻りません。

食の過程を読む見方とは別です。 食材として動物が出てくることは、動物との関係が主題であることにはなりません。

土地や移動を読む見方とも分かれます。 旅先で動物を見る場面があるだけでは、ここでいう関わりにはなりません。

音楽の作品を選ぶ見方とも別です。 動物が場にいることを雰囲気の要素として数えると、関わりが描かれていない作品まで入ってきます。

関わり方を決める前に見る5点

開く前に、さっと確かめておきたいところです。

動物漫画を選ぶ前に確認したい5項目のチェックリスト
全部そろわないことのほうが多いです
見るところ 確認すること
関係 どの関わり方か
中心 動物が主題か
視点 誰の側から進むか
範囲 癒やしだけと思わないか
実用 飼育の助言と混ぜないか

結局、動物ものは「動物が出るか」ではなく「関わり方」で選ぶ

動物漫画を探すときにやることは、結局ひとつです。飼うところか、並んで暮らすところか、遠くから見るところか。どの関わり方を読みたいのかを先に決めること。

そこが決まってから紹介文を見ると、同じ棚の中でも見る場所が決まります。 語りがどちらの側にあるかまで分かれば、開いたときの印象も想像がつきます。

そして、動物が出てくることだけを理由に、内容を穏やかだと決めないでおきます。 何が描かれるかは、作品ごとに確かめるほうが確実です。

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