タイムリープとタイムトラベル|漫画の時間設定を読む
公開日
二つの呼び名に、広く共通する決まった定義はありません。架空の線で並べ方を三つ置き、身体・意識・移動先の時間・元の時間・繰り返し・分岐・戻れるかの七つを軸に、作品ごとの決まりとして読む見方をまとめました。
共通の決まった定義はない
時間を移る話には、二つの呼び名がよく使われます。どちらがどちらかを知りたくなります。
けれど、広く共通している決まった定義はありません。 使う人によって、指す範囲が違います。
架空の線で並べてみる
この記事の要はここです。
こしらえた線を引いて、並べ方だけを見比べます。 実在の作品も、理屈の説明も使いません。
| 並べ方 | 線がどうなるか |
|---|---|
| 戻って同じ線 | 一本のまま |
| 戻って別の線 | 途中で分かれる |
| 繰り返す | 同じところを二度 |
三つは例です。 これで全部というわけでも、順番があるわけでもありません。
どの並べ方になるかは、作品の中で決められています。 外から決まるものではありません。
整理する軸は七つ
| 整理する軸 | 何を見るか |
|---|---|
| 身体 | 移るかどうか |
| 意識・記憶 | 残るかどうか |
| 移動先の時間 | いつへ行くか |
| 元の時間 | どうなっているか |
| 繰り返し | 同じ区間を通るか |
| 分岐 | 線が分かれるか |
| 戻れるか | 帰り道があるか |
七つ全部が必須条件、ということではありません。 決められていない軸もあります。
軸ごとに別々に控えます。 まとめて一つの呼び名にすると、そこで食い違いが起きます。
身体が移るか、意識だけか
その場から身体ごといなくなるのか、意識や記憶だけが移るのか。 ここが分かれます。
意識だけが移る場合、そのときの身体はどうなっているかも決められています。 書かれていないこともあります。
どちらが本格的ということはありません。 決め事が違うだけです。
移動先と、元の時間との関係
行き先が過去なのか先なのか、どのくらい離れているのか。 これも作品ごとです。
そして、元いた時間がどうなっているか。 止まっているのか、進み続けているのか、無くなるのか。
ここは書かれていないことも多くあります。 書かれていないなら、決まっていないものとして読みます。
繰り返しと、分かれ方
同じ区間を何度も通る作りがあります。 通るたびに変わることもあれば、変わらないこともあります。
線が分かれる作りもあります。 分かれた先がどうなるかも、作品の中で決められています。
繰り返しと分岐は別の軸です。 繰り返すけれど分かれない、という作りもあります。
戻れるかどうか
帰り道があるかどうかも、一つの軸です。
戻れる作りもあれば、戻れないことが話の中心になっている作りもあります。 一度だけ戻れる、という決め方もあります。
戻れないから重い、ということもありません。 決め事として読みます。
決まりが後から明かされるとき
七つの軸を導入で読み取る、という書き方をしてきました。ただ、決まりが最初から示されている作品は多くありません。 読み進めるうちに分かる作りのほうがふつうです。
| 明かされ方 | 読み方 |
|---|---|
| 冒頭で示す | 埋めて進む |
| 試して分かる | 手探りで進む |
| 終盤で明かす | 読み返す |
| 最後まで不明 | 空けたまま |
冒頭で決まりが示される作りでは、軸を埋めてから読み進められます。 何ができて何ができないかが分かっているので、人物の判断を先読みしながら読めます。 落ち着いて読める形です。
試すうちに分かる作りがいちばん多くあります。 人物が何かをやってみて、うまくいかないことで決まりが見えてくる。 読んでいる側も同じ順で知るので、軸は途中まで空いたままです。 空いたまま読み進めて構いません。
終盤で明かされる作りでは、それまでの場面の意味が変わります。 分からないまま読んできたことが、後から筋道として見えてきます。 このとき読み返すと、軸が全部埋まった状態でもう一度読めます。一度目に軸を埋めようと頑張らなくてよい理由がここにあります。
最後まで決まりが示されない作品もあります。 それでも話は成り立ちます。軸を空けたままにしておけば、読み終えたときに困りません。 示されなかったことを、作りの不足として数えないでおきます。
途中で決まりが変わったように見えることもあります。 たいていは、それまで知らなかった決まりが後から明かされただけです。 崩れたのか、明かされたのかは読み進めれば分かります。すぐに崩れと決めないでおきます。
だから、軸は一度で埋めきらなくて構いません。 読みながら足していく形にしておけば、明かされ方がどの型でも同じやり方で付き合えます。
全部を必須条件にしない
七つの軸がそろって初めてこの呼び名、という条件表は作りません。
一つの軸だけで呼び名が決まることもありません。 身体が移るからこちら、意識だけだからあちら、とは書けません。
書かれていない軸は、空けたままにします。 埋めるために、ほかの作品の決まりを持ち込みません。
因果の説明はしない
架空の設定で読む
読み方を見るために、仮の設定を4つ用意します。 実在の作品を指すものではありません。
四つとも、呼び名を決めていません。 軸ごとに分けて控えています。
設定を読む五つ
読みながら、次の五つを見ます。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 身体か意識か | どちらが移るか |
| 行き先 | いつへ行くか |
| 繰り返し | 同じ区間を通るか |
| 分岐 | 線が分かれるか |
| 空欄 | 他作から補ってないか |
全部そろわなくても構いません。 作品の中の決まりとして読めれば、それで足ります。
呼び名より、軸ごとの決まりを控える
時間の移り方で迷ったときにすることは、多くありません。どちらの呼び名かを決めるのではなく、軸ごとにどう決められているかを控えること。
身体なのか意識なのか、繰り返すのか、分かれるのか。それが分かれば、呼び名が違って使われていても戸惑いません。
そして、決まっていない軸があっても構いません。 空けたままにしておくのが、いちばん正確です。