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学習漫画とは|説明と物語の役割を知る

公開日

一冊の中に、説明の形で置かれている部分と、場面の形で描かれている部分が混ざっています。ただし、説明だから事実、場面だから作り話、という対応にはなりません。置かれ方と出どころは別なので、確かめが要るのは片側だけではありません。中身の正しさをこの記事は保証しません。

「学習漫画とは」を表したイラスト

一冊の中に、二つの置かれ方がある

何かを知るために作られた漫画があります。開くと、書き方が途中で切り替わることに気づきます。

線を引いて示される図や、まとまった文でされる説明。その合間に、登場人物が動いて話す場面。同じ一冊の中に、二つの置かれ方が混ざっています。

まずは、いま読んでいるのがどちらの形かを見分けるところから始まります。 見分けがついていると、あとの読み方がずいぶん楽になります。

説明の形で置かれている部分

何かを伝えるために、そのまま書かれているところです。

区切られた枠の中の文、図に添えられた短い文、人物ではなく地の文として置かれた一段。話の流れから外れて置かれることが多いので、見た目で分かります。

ここは読み飛ばしても話は進みます。 進みますが、その本がいちばん伝えたいことはたいていこちら側にあります。

一度で分からなくても平気です。 場面のほうを読み終えてから戻ると、入ってくることがあります。

場面の形で描かれている部分

人物が動き、話し、何かが起きるところです。

つまずいて覚える、誰かに聞く、やってみて失敗する。説明されたことを、読む側が飲み込みやすい形に置き換えた部分です。

ここも、ただの飾りではありません。 どの場面を選んだかに、その本が何を大事だと思っているかが出ます。

登場人物は、たいてい作られた人です。 それ自体は隠されていることでも、悪いことでもありません。

形と、出どころは別

置かれ方と出どころを組み合わせた四通りを、同じ大きさの欄で並べた図
四つに上下はありません。どれも実際にあります
置かれ方 出どころ
説明の形 現実を題材にしている
説明の形 していない
場面の形 現実を題材にしている
場面の形 していない

四通りとも、実際にあります。 説明の形をしていても、その本の中だけの決めごとということがありますし、場面の形をしていても、あったことをなぞっていることがあります。

つまり、形からは出どころが決まりません。 ここを取り違えると、以降の読み方が全部ずれます。

説明=事実、場面=作り話、にはならない

この二分は、便利なぶんだけよく外れます。

説明として置かれていても、書いた時点での言い方だったり、ある範囲でだけ通る話だったりします。置かれ方が整っていることと、中身が確かなことは別です。

場面の側も同じです。 作られた人物が動いていても、そこで起きていることは現実から取られていることがあります。

どちらの側も、そのままでは確かめが済んでいません。 形で分けた時点では、まだ何も確かめていない、と思っておくのが安全です。

「説明=事実・場面=作り話」の対応にしない

分けておきたいのは、置かれ方と、出どころの二つだけです。

確かめが要るのは、片側だけではない

説明の側と場面の側の両方に、確かめが要ることを示した図
印が片側だけに付くことはありません

説明の側だけを確かめて、場面の側は素通りする。 これがいちばん多い読み方です。

けれど、場面のほうにこそ、その本の言いたいことが形を変えて入っています。 そこを素通りすると、確かめたつもりで大事なところが残ります。

逆に、場面だけを楽しんで説明を飛ばす読み方もあります。 これも同じだけ抜けます。

両方に印が付く、と思っておきます。 図の黄色を片側で止めなかった理由も、そこにあります。

確かめたいとき、どこを起点にするか

その分野の案内へ当たる、と書きましたが、一冊読み終えたところから急に検索できるわけではありません。 何を手に持って出るかを決めておきます。

起点 そこから進める先
出てきた用語 その語の説明
監修の名前 その分野の資料
参考の欄 挙がった資料
扱う分野 公的な案内

いちばん使いやすいのは、出てきた用語です。 説明の側に置かれていた言葉を、そのまま書き写して持ち出します。 言い換えずに写すのが肝心で、こちらで分かりやすく直すと、その語で調べられなくなります。用語が一つあれば、そこから先はたどれます。

監修の名前が置かれていれば、それも起点になります。 その人が何の分野の人かが分かれば、どの分野の資料に当たればよいかが決まります。 名前そのものを追うのではなく、分野を知るために使います。

参考の欄があれば、そこに挙がっているものが起点です。 一冊読んだあとに次へ進む道が、すでに用意されていることになります。全部に当たる必要はありません。 気になったところに関わる一つで足ります。

用語も監修も参考の欄も無いときは、扱っている分野から入ります。 何についての本だったか。そこから公的な案内を探すことになりますが、起点としてはいちばん粗いので、遠回りになります。

起点を一つ持って出れば十分です。 全部を確かめる必要はありません。気になったところが一つあって、その一つを確かめる道が見えていれば、この記事の使い方としては足りています。

確かめた結果が本と違っていても、本が間違いとは決めません。 書かれた時点の言い方だったのか、範囲を狭めて書いていたのか、こちらの読み取りがずれていたのか。 そこは分からないままです。両方を並べて置いておきます。

この記事は、中身の正しさを保証しない

ここは曖昧にせず置いておきます。

この記事が扱っているのは、一冊の中の置かれ方を見分けるところまでです。 個々の本に書かれている内容が確かかどうかは、一つも確かめていません。

扱う分野によっては、確かめる先が決まっています。 暮らしや身体や決まりごとに関わることなら、その分野の公的な案内や、その道の資料のほうが先です。

そこをこの一本で肩代わりすることはできません。 ここで渡せるのは、読み分けの目のほうだけです。

漫画だけで足りる、とはしない

一冊読み終えると、分かった気持ちになります。 その感じ自体は、とても良いものです。

ただ、分かった気持ちと、確かめが済んだこととは別です。 手を動かす必要があることなら、なおさら別です。

入口としては、とても良いものです。 難しくて近づけなかった話に、入口ができるのは大きいことです。

入口を、到着と読み替えないでおきます。 そこさえ守っていれば、安心して楽しめます。

分かりやすさと、確かさは別のこと

読みやすく書かれているほど正しい、という関係はありません。

分かりやすくするには、たいてい何かを削ります。削られたところに、条件や例外や範囲が入っていたかもしれません。

削ってあることは、手抜きではありません。 全部入れたら誰も読み通せない、というだけの話です。

削られている前提で読みます。 そう思って読むと、あとで詳しいものに当たったときに、話が食い違って見えなくなります。

近くに立つ記事との切り分け

向きの似た記事がいくつかあるため、それぞれの持ち場を書いておきます。

仕事を描いた作品と現実の仕事を分ける記事は、題材のほうを見ています。 あちらが扱うのは描かれた仕事と現実との差で、 ここで扱うのは一冊の中の置かれ方です。

時代や人物の扱いを確かめる記事とも別です。 そちらはどこまでが創作かという範囲の話でした。

根拠の表示を読む記事も、別に立っています。 あちらが見るのは巻末に何が書かれているかです。

そもそもジャンルの名前がどう切られているかは、この記事より外側の一本が引き受けています。

開く前と、読んだ後に見るところ

見るところ 確認すること
部分 どちらの形か
出どころ 形から決めてないか
確かめ 両側に要ると見たか
表示 監修や参考があるか
代わり 漫画だけにしてないか

一ページ分だけ、分けてみる

手元にある一冊を開いて、見開き一つ分だけ、二つに分けてみます。

どこまでが説明の形で、どこからが場面の形か。線を引く場所は、たいてい迷わず決まります。

分けたあとで、どちらにも確かめが要ると思い出せれば十分です。 そこから先は、その分野のちゃんとした案内に任せます。

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