主人公を阻む障害を考える|難しさの段階を設計
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場面の列を先に書いて、そのどこに阻むものを置くかを決めていきます。段とは置いた場所のことで、難しさの順ではありません。越えられないまま終わる置き方も残しています。
追うものが決まっても、まだ止まらない
主人公が何を追っているかまで決めたのに、読み返すとするすると進んでしまうことがあります。
途中で止まるところが、まだ置かれていないからです。止まる場所は、場面の列のどこかに手で置きます。
段とは、置いた場所のこと
ここでの「段階」は、強さの目盛りではありません。
場面の列のどこに置いたか、それだけを指しています。 何番目に出てくるか、という意味です。
図の札をすべて同じ大きさにしてあるのは、そのためです。 大きい札も小さい札もありません。
札が付いていない場面に、印も付けていません。 何も起きない場面があってかまいません。
五つの場面のうち三つに札を置く
| 場面 | そこで阻むもの |
|---|---|
| 家を出る | (置かない) |
| 駅に着く | 定期が切れる |
| 電車を待つ | 電車が止まる |
| 乗り換える | (置かない) |
| 相手に会う | 先に帰られた |
五つの場面のうち、札を付けたのは三つです。 全部の場面に置く必要はありません。
最後の場面にも置いてあります。 会えないまま終わる形も、そのまま成立します。
置き方はいくつもある
場面の列は動かさずに、札の位置だけを変えられます。 同じ道でも、止まるところが変われば別の話になります。
先に止まる版と、後で止まる版のどちらが上ということもありません。 並べて見比べるためだけの図です。
一度置いてから、まるごと置き直しても構いません。 場面の列が残っていれば、何度でもやり直せます。
阻むものは人でなくてもいい
| 出どころ | どう止めるか |
|---|---|
| 人 | 誰かが止める |
| もの | 必要なものがない |
| 時間 | 間に合わない |
| 場所 | そこへ行けない |
立ちはだかる誰かを用意しなくても、話は止まります。 定期が切れているだけで足ります。
四つを混ぜても構いません。 時間と場所が同時に効くこともあります。
四つのあいだに上下を付けていません。 人が止めるほうが良い、ということはありません。
札を何枚置くか
場面の列に対して、札をいくつ付けるかで話の速さが変わります。
一枚。 そこだけで止まります。短い話に向きます。
三枚前後。 進んでは止まる形になります。図で使っている数です。
全部の場面に付ける。 止まってばかりで、進んでいるように読まれません。
| 札の数 | 読まれ方 |
|---|---|
| 一枚 | まっすぐ進む |
| 三枚前後 | 進んでは止まる |
| 全部 | 進んでいない |
札の無い場面を残します。 何も起きない場面が、次の札を効かせます。
重さを足しても良くならない
苦しい目に遭わせるほど深くなる、という決まりはありません。 足しすぎると、読むほうが先に降ります。
軽い行き違いだけで最後まで書けます。 待ち合わせに間に合わないだけでも、話は動きます。
図に目盛りを置いていないのは、そのためです。 難しさを採点するための道具ではありません。
越え方を決める
札を置いたら、そこをどう越えるかも決めます。
取り除く。 阻んでいたものが無くなる形です。誰かが助ける場合も入ります。
迂回する。 別の道を通ります。目的地は同じです。
条件を満たす。 足りないものを手に入れてから、もう一度当たります。
受け入れる。 越えずに、その状態のまま進みます。
同じ越え方を続けません。 三枚とも取り除く形だと、二枚目から読まれます。
越え方が思いつかない札は、越えないまま置いておけます。
越えなくても終われる
すべての札を越えさせる必要はありません。 途中でやめる選び方も、一つの終わり方です。
越えられなかった場面に、罰の印を付けません。 そこで主人公が何を手放したかが、あとに残ります。
回り道をして、別のところへ着いても構いません。 着いた先が最初の目当てと違っていてもかまいません。
危ないことを手順にしない
人を傷つける方法や、法に触れるやり方を、そのまま書き写しません。 手順として読める形にしないということです。
阻むものとして置くなら、起きたことだけを書きます。 どうやったかは書かなくても場面になります。
この記事の図に出るのは、鍵や定期や電車の行き違いだけです。 それで段は十分に作れます。
内側の迷いはここでは置かない
決めきれない、思い出したくない、といった内側の引っかかりも人を止めます。 ただ、それは置き方が変わります。
ここでは外から止めるものに絞りました。 場面の列の上に置けるものだけを扱っています。
内側のものを足したいときは、外のものと同じ列に並べないほうが見やすくなります。 混ぜると、どこで止まったのかが読みにくくなります。
同じ札を二度使う
一度越えた阻むものを、もう一度出せます。
二度目は越え方を変えます。 同じ手で越えると、一度目の意味が薄れます。
二度目のほうが重くします。 前に越えたものが、今度は通らない形です。
二度目で越えられない形にもできます。 そこが終わりになります。
間を空けます。 続けて出すと、一つの札が長く続いているだけに見えます。
同じ札を三度は出しません。 読み手が結果を予想します。
札の置き場所に迷ったら
手が止まったときのために、四つの置き直し方を書き出しました。 どれも架空の場面で、実在の作品から取ってきたものではありません。
どれも、難しさを足す方向には寄せていません。 置き場所を動かすだけで済ませています。
場面の列・置き場所・阻むものを見る
| 見ること | どう見るか |
|---|---|
| 場面の列 | 先に書けたか |
| 置き場所 | どこで止めるか |
| 阻むもの | 何が止めるか |
| 並べ方 | 難しさ順でない |
| 別の版 | 置き直したか |
埋まらない行があっても進みます。 場面の列と札が一つあれば、もう動かせます。
場面の列を先に書く
障害づくりに、強い敵は要りません。難しさを積み上げるのではなく、場面の列のどこで止めるかを決めること。
どこで止まり、そのとき何が変わるか。越えたかどうかは、そのあとで決まります。
置き直せる余地を残しておくと、あとから何度でも試せます。 場面の列さえ残っていれば、札はいつでも動かせます。