漫画の伏線を置く|提示から回収までを管理する
公開日
置いたものを一枚の台帳に控えて、どこで出してどこで効いたかを自分で追える形にします。閉じないまま残る行があってよく、あとから足した行にも印は付けません。
置いた先で見失う
先の場面で効かせるつもりで置いたのに、書き進むうちにどこへ置いたか分からなくなることがあります。
覚えておく作業だからです。紙の上に一枚、控えを作ってしまうほうが早く済みます。
置いた場面・置いたもの・回収した場面
| 欄 | 何を書くか |
|---|---|
| 置いた場面 | どこで出したか |
| 置いたもの | 何を出したか |
| 回収した場面 | どこで効いたか |
三つより増やすと、書くのが面倒になって続きません。 続かない台帳は役に立ちません。
きれいに書く必要もありません。 自分が読み返せれば足ります。
行のあいだに矢印は引いていません。 順に進む流れ図ではなく、控えだからです。
右が開いた行は、まだ閉じていない
図で三行目だけ枠の右端がないのは、回収の欄が空だからです。
開いているのは、まだ閉じていないという意味だけです。 失敗の印ではありません。
ばつ印も赤も付けていません。 見て分かるようにするためだけの書き分けです。
閉じた行と開いた行で、太さも大きさも変えていません。 良い行と悪い行を作らないためです。
置き方はひと通りでない
| 置き方 | どんな形か |
|---|---|
| 見える形 | そのまま出す |
| 見えない形 | 気づかれにくい |
| 意味が動く | 後で別の意味に |
| 置いたまま | 回収しない |
読む人に気づかせない形だけが伏線ではありません。 見えている状態で置いても働きます。
四つを混ぜて使えます。 一つの話の中に、見える形と見えない形が同居して構いません。
四つに上下は付けていません。 気づかれにくいほうが上ということはありません。
何を台帳に載せるか
置いたものを全部書くと、台帳が長くなって続きません。 載せる目安を置きます。
後で効かせるつもりで置いたものを載せます。 そのつもりが無いものは載せません。
読み返したときに気づいてほしいものを載せます。 気づかれなくてよいものは要りません。
一度しか出さないものを載せます。 何度も出るものは、忘れません。
| 載せる | 載せない |
|---|---|
| 後で効かせる | その場で済む |
| 一度だけ出す | 繰り返し出る |
迷ったら載せておきます。 開いた行は、あとで消せます。
あとから足してよい
書いているうちに要る手がかりが出てきたら、そこで足します。 先に全部そろえる必要はありません。
足した行に印を付けていません。 最初からあった行と区別する意味がないためです。
前の場面に戻って置き直しても構いません。 順に置いていくものではありません。
開いた行をいつ閉じるか
開いたままの行を、どこで閉じるかを決めておきます。
置いた場面から遠いほど、読み手は忘れます。 遠くで閉じるなら、途中でもう一度出せます。
終盤にまとめて閉じると、そこが説明の場面になります。 分けて閉じられます。
閉じる順番を決めておきます。 大きいものを最後に置くと、終わりが締まります。
閉じる場面が思いつかない行は、開いたままにします。 無理に閉じると、そこだけ浮きます。
閉じたら、台帳の行に印を入れます。 残りが数えられます。
意味は途中で変わる
置いたときのつもりと、効かせるときの意味がずれることがあります。 そこで台帳のほうを書き直します。
書き直した行も、ほかの行と同じ扱いです。 直したから弱い、ということはありません。
つもりの欄を残しておくと、どこで変わったかが分かります。 消さずに書き足せます。
読み返してどう楽しむかには入らない
ここで扱うのは、作っている側が自分の置いたものを追う話です。
読む人が読み返して何に気づくかは、この台帳では決まりません。 そこは読む側の体験です。
探し方の案内も書きません。 置く側の手元と、読む側の楽しみは別のものです。
回収しないと決める行
置いたまま閉じない行があって構いません。 決め方を置きます。
世界の側の話は閉じなくて済みます。 その場所ではそういうもの、で終わります。
人物の来歴も閉じなくて構いません。 全部を説明しなくても、人物は立ちます。
読み手が問いとして受け取ったものは、閉じるか、閉じないと分かる形にします。 忘れられたように見えると、置き忘れと区別が付きません。
閉じないと決めた行には、その旨を書きます。 次に読み返したときに迷いません。
台帳が詰まったら
扱いに迷いやすいところを、三つ挙げておきます。 いずれもこちらで作った例で、実在の作品のものではありません。
どれも、閉じる行を増やそうとはしていません。 追える形へ戻しているだけです。
どこで置いたか書けたか見る
どこで置いたかが書けているか。 場面が分かれば、あとから戻れます。
開いたままでよいか、自分で決めたか。 決めたうえで開いているなら、それで閉じています。
意味を変えた行を書き直したか。 古いつもりのまま残っていると、あとで食い違います。
一行だけ控えてみる
伏線づくりに、複雑な仕掛けは要りません。先に全部を組み立てるのではなく、置いたものを一行控えること。
どこで出して、どこで効かせるか。効かせる先がまだ空でも構いません。 空の行は、開いたまま置いておけます。
閉じるかどうかは、あとで決められます。 台帳が残っていれば、いつでも戻れます。