漫画の集中線が伝えるもの|視線と強調の読み方
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中身が同じ面でも、内側へ向かう線があるかないかで見え方が変わります。視線の集中・注目対象・瞬間性・驚き・動きの印象・静かな面との差という六つを、読む側から見比べる方法をまとめました。描き方には入りません。
線があるときと、ないとき
ページをめくると、まわりから内側へ向かって線が集まっている面があります。
それが何を伝えているかは、線のない面と見比べると分かりやすくなります。
中身は同じで、線だけが違う
この記事の要はここです。
二つの面は、枠の大きさも、中に置いたものも同じです。 違うのは線があるかないかだけです。
それでも、目の向かい方が変わります。 線のあるほうでは、視線が内側へ集まります。
図の線の本数や向きは、この図の都合です。 そう引かなければいけない、という決まりではありません。
見比べること自体が、この記事の方法です。 線のある面だけを見ても、変わった分は分かりません。
視線・注目・一瞬・驚き・動き・差
| 読み取れること | どう見えるか |
|---|---|
| 視線の集中 | 一点に集まる |
| 注目対象 | どこを見るか |
| 瞬間性 | 一瞬に見える |
| 驚き | そう読めることも |
| 動きの印象 | 動いて見える |
| 静かな画面との差 | 前後との違い |
六つとも「そう読めることがある」という話です。 必ずそう見えるわけではありません。
同時に全部が出てくることもありません。 一つだけ効いている面もあります。
視線が集まり、注目するところが変わる
線のある面では、目が内側へ向かいます。 外から内へ運ばれる感じです。
そのぶん、何を見るかが決まりやすくなります。 線のない面では、どこから見るかは読む人次第です。
ただし、必ず真ん中を見るとは限りません。 別のところに目が行くこともあります。
その一瞬だけが切り取られる
前後の面と比べると、そこだけ時間が止まったように見えることがあります。
長く続く場面ではなく、短い一瞬として読めます。 これは面そのものの性質ではなく、並びの中での見え方です。
だから、前後の面と一緒に見ます。 一枚だけ取り出すと、その差が消えます。
動いて見えることもある
止まっている絵なのに、動いているように感じられることがあります。
ただし、動きを表すためだけのものではありません。 動いていない場面にも使われます。
速さの目安にもなりません。 どのくらい速いかは、線からは分かりません。
読み取りは一つに決まらない
同じ面でも、受け取り方は分かれます。 驚きに見える人も、速さに見える人も、ただ目を引くだけに感じる人もいます。
どれかが正解ということはありません。 図でも、つなぐ線を引いていません。
分かれたときは、両方そのまま置いておきます。 一つに決めると、そこから先が噛み合わなくなります。
線の向きと集まる先
線がどこへ集まっているかを見ると、何を見せたい面かが分かります。
人物の顔へ集まる形。 表情に目が行きます。
手元や持ち物へ集まる形。 そこに何かがあることが伝わります。
画面の外へ向かって集まる形。 その先に何かがあると読めます。
| 集まる先 | 目が行くところ |
|---|---|
| 顔 | 表情 |
| 手元 | 物 |
| 画面の外 | 見えないもの |
集まる先に何も置かれていないこともあります。 そこも、そのまま受け取っておけます。
静かな画面との差
線のある面だけを見ても、変わった分は分かりません。 まわりの面が静かだから、差が出ます。
全部の面に線が入っていれば、差はなくなります。 どこが強調されているかも見えなくなります。
だから、見るのは一枚ではなく並びです。 前後をめくり戻すと、はっきりします。
線のあいだから見えるもの
線が入ると、背景が見えにくくなります。
もともと描かれていた背景が、線に隠れます。 どこにいるかが分からなくなることがあります。
前の面で場所が示されていれば、そこは分かっている前提になります。
線の外側だけ背景が残っている形もあります。 隅のほうに見えることがあります。
背景が見えないこと自体を、抜けとして読まないでおきます。 そう置かれています。
場所が分からなくなったら、前の面へ戻れます。
描き方の話には入らない
同じページに何度も出るとき
一つのページに、線の入った面が何度も出てくることがあります。
続けて出ると、一つひとつの差が小さくなります。 どれも同じ強さに見えます。
一つだけ入っていると、その面が目立ちます。 前後との差が大きいためです。
何度出てくるかを数える必要はありません。 前後と比べて、差があるかだけ見ます。
ページ全体で線が多い作品もあります。 そこでは、線の有無より向きのほうが手がかりになります。
線の有無をこしらえた場面で見る
使い方を見るために、こしらえた場面を4つ置きます。 どれも実在の作品ではありません。
四つとも、読み取りを一つに決めていません。 見えたことだけを控えています。
線の有無・視線・前後を見る
手を動かすのは、この五つだけで足ります。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 線の有無 | あるかないか |
| 視線 | どこへ向くか |
| 一瞬 | 切り取られたか |
| 前後 | 静かな面との差 |
| 決めつけ | 一つに決めないか |
埋まらない欄があっても進めます。 見比べができていれば読めます。
線の有無を見比べるところから
集中線を読むときにすることは、多くありません。描き方を考えるのではなく、線のない面と見比べること。
目がどこへ向いたか、前後とどう違ったか、一瞬に見えたか。それが分かれば、次の面も同じように読めます。
そして、受け取り方が人と違っても構いません。 一つに決めないほうが、読める幅は広がります。