スカッとする漫画を選ぶ|達成感と逆転の種類
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スカッとする作品は復讐ものだけではありません。達成・解決・逆転・主張・決着・回復という6つの解け方に分け、描写注意をセットで控える形で自分に合う作品を選ぶ方法をまとめました。
スカッとする漫画は復讐ものだけではない
読んだあとに気分が晴れるような作品が読みたい。そう思って探すと、誰かが痛い目に遭う話ばかりが出てくることがあります。
でも、スカッとする作品は復讐ものだけではありません。何度も断られていた提案が別の形で通る。誤解されていた人が自分の言葉で事情を伝える。 誰も倒していなくても、読み終わったときに息が抜けます。
見るのは、何がどう解けたかです。 止まっていたものが動いたのか、届かなかったものに届いたのか。そこまで分けると、自分がどの解け方を読みたいのかが決まります。
爽快感の種類を6つに分ける
まず、何が解けたのかを分けます。
| 爽快感の種類 | 見るポイント |
|---|---|
| 達成 | 目標への到達 |
| 解決 | 問題が動く |
| 逆転 | 不利な状況が変わる |
| 主張 | 自分の意思を示す |
| 決着 | 長い問題に区切り |
| 回復 | 少し取り戻す |
この6つは並列です。どれかが強くて、どれかが弱いという並びではありません。 次の章からは、このうち4つを例として少し詳しく見ます。残りの2つが軽いという意味ではありません。
達成
届かなかったところに届く形です。
解決
止まっていた問題が動く形です。
逆転
不利だった状況が変わる形です。
主張
言えずにいたことを言える形です。
決着
長く続いていたことに区切りがつく形です。
回復
失っていたものを少しだけ取り戻す形です。
なお、結末が明るいか暗いかでは分けません。同じ明るい終わり方でも、解けたものが違えば読後の感じ方は変わります。
達成で生まれる爽快感
目標に手が届く形です。
大きな目標である必要はありません。一度きりの小さな成功でも、それまでが長ければ十分に効きます。 何度も断られていたこと、ずっとできなかったこと。積み重なった時間のぶんだけ、届いた瞬間が軽くなります。
見るのは、届くまでに何が積まれていたかです。 そこが描かれていない達成は、読んでいても実感が湧きにくいところがあります。
問題が解決するときの爽快感
止まっていたものが動く形です。
動くきっかけはいろいろです。誰かが手を貸す、条件が変わる、別の方法が見つかる。きっかけの派手さと、動いたときの爽快感は比例しません。 小さなきっかけで長く止まっていたものが動くほうが、効くことさえあります。
見るのは、何が塞いでいたかです。 塞いでいたものがはっきり描かれているほど、外れたときの感じが強く出ます。
不利な状況が逆転するとき
立場や評価が変わる形です。
ここで言う逆転は、状況や結果が変わることです。 読んでいるこちら側の見方がひっくり返る仕掛けのことではありません。そちらは別の軸なので、混ぜないほうが探しやすくなります。
不利から有利へ
条件そのものが変わる形です。
誤解から理解へ
事情が伝わって、見られ方が変わる形です。
隠れていたことが分かる
知られていなかったことが共有される形です。
認められる
やってきたことが評価される形です。
言えなかったことを言える瞬間
自分の意思を示す形です。
言う相手は誰でも構いません。上司でも、家族でも、友人でも。大事なのは、それまで言えずにいたという時間があることです。 その時間がないと、ただの発言になってしまいます。
強い言い方である必要もありません。静かに断るだけでも、それまでが長ければ十分に効きます。
勝つこと以外の「解決」もある
解決は勝利だけではありません。
- 諦める
- 離れる
- 断る
- 距離を置く
- 役割を手放す
- 誰かに助けを求める
- 自分の考えを伝える
どれも、それまでの状態が変わっています。争いから降りる選択でも、区切りはつきます。 むしろ、勝ち負けの形にならない解け方のほうが、読後に長く残ることがあります。
紹介文に「逆転」と書かれていなくても、こうした解け方をする作品はあります。言葉のほうで絞りすぎないほうが、当たる範囲は広がります。
溜めの長さで、解けたときの軽さが変わる
ここまで何度か「それまでが長ければ十分に効く」と書きました。これは六つの種類とは別の軸で、探すときにも使えます。
解ける瞬間の大きさより、そこまでの溜めの長さのほうが効きます。 一度断られただけで通った提案より、何年も断られ続けた提案が通るほうが軽くなる。同じ達成でも、積まれていた時間で読後感が変わります。
溜めが長い作品は、読むのに時間が要ります。 解ける場面まで我慢して読むことになるので、途中は重いことが多いです。すぐ晴れたい日には噛み合いません。
溜めが短い作品は、区切りが何度も来ます。 一話ごとに小さく解ける形で、細切れの時間でも読めます。ただし一回ぶんの軽さは控えめです。
紹介文からは、溜めの長さがある程度読めます。 「何年も」「ずっと」「一度も」といった語があれば溜めが長い形、日常の一場面が書かれていれば短い形。期間を示す語を探すのがいちばん早い見分け方です。
暴力や制裁を爽快感と混同しない
ここは分けておきたいところです。
描写注意を確認して選ぶ
爽快感のある作品には、扱いに配慮が要る描写が入ることがあります。
暴力、いじめ、立場を利用した行為、罪に関わる出来事、差別、脅されること、仕返し、家庭の事情、職場での問題。こうしたものが描かれることがあります。
これは作品の欠点でも価値でもありません。 自分が今それを読める状態かどうか、というだけの話です。
候補を控えるときは、この3行で足ります。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 爽快感 | 6つのどれか |
| 注意 | 必要なときだけ |
| 結末 | 書かない |
架空例で爽快感の違いを見る
六つの種類がどう場面になるのか、四つ書き出します。書いたのはこちらで、実在する作品のものではありません。
4つとも、誰かを打ち負かしてはいません。 Dにいたっては争いから降りているだけですが、それまでの状態が変わっているので区切りはつきます。解け方が違えば、読んだときの軽さも変わります。
解け方を選ぶ前に見る5点
開く前に、さっと見ておきたいところです。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 種類 | 6つのどれか |
| 解決 | 勝つこと以外もあるか |
| 描写 | 苦手な題材はないか |
| 断定 | 善悪を決めていないか |
| 期待 | 強さを求めていないか |
結局、爽快感は「誰かが負けること」からは来ない
この方向でいちばん多い外し方は、相手が痛い目に遭う話を探してしまうことです。 復讐ものが目立つので自然な流れですが、探す範囲がかなり狭くなりますし、読んだあとに思っていたほど晴れないことがあります。
息が抜けるのは、止まっていたものが動いたときです。 誰かが負けたときではありません。何度も断られていた提案が別の形で通る、誤解されていた人が事情を伝える、争いから降りる。 どれも誰も倒していませんが、それまでの状態は変わっています。
だから見るのは、何がどう解けたかです。 届いたのか、動いたのか、言えたのか、区切りがついたのか。六つに分けておけば、紹介文に「逆転」と書かれていない作品も拾えます。 言葉で絞りすぎないほうが、当たる範囲は広がります。
そして、解ける瞬間より溜めの長さのほうが効きます。 積まれていた時間が描かれていない達成は、届いても実感が湧きにくい。爽快感が薄いと感じたときは、解け方ではなく溜めが足りていないことがあります。
描写注意は、解け方とは別の枠で確かめます。 混ぜると、重い描写があることが爽快感の強さのように見えてしまいます。届く場面が見たいのか、言えなかったことが言える場面が見たいのか。今日の一つを決めて探してみてください。