友情を描く漫画の探し方|仲間・ライバル・再会
公開日
友情を描く作品は「仲が良いかどうか」だけでは選べません。仲間・ライバル・再会という三つの形に分け、それぞれの中でどんな関係が描かれるかを手がかりに作品を探す方法をまとめました。行動と読む側の受け取りを分け、結末には触れません。
友情の形を三つに分ける
友情を描いた漫画が読みたい。そう思っても、「友情もの」という一言では候補が広すぎます。
友情と呼ばれる関係が、作品によってまるで違うからです。この記事では、探すときの手がかりとして仲間・ライバル・再会の三つに分けます。
| 三つの形 | 見るところ |
|---|---|
| 仲間 | 同じ側にいるか |
| ライバル | 相手をどう見るか |
| 再会 | 離れていた時間 |
三つに順番はありません。 一つの作品が二つ以上にまたがることもあります。
仲間として描かれる関係
同じ側にいる形です。
| 仲間の中身 | 見るところ |
|---|---|
| 同じ目標 | 向かう先の共有 |
| 支え合う | 助けの向き |
| 集団の中 | 多くの線の一本 |
| 長く続く | 重なった時間 |
| 出会ったばかり | 知らない部分 |
部活でも仕事でも創作でも成立します。見るのは目標そのものより、向かう先を共有していること自体が関係にどう働いているかです。
支え合う形では、助けの向きを見ます。いつも片方が支えている時期もあれば、場面によって入れ替わることもあります。どちらが良いということではありません。
長く続いているほど深い、という数え方はしません。 時間の長さは関係の形の一つであって、濃さの目盛りではありません。出会ったばかりの二人を描く作品では、読む側も二人と同じ速さで相手を知っていきます。
ライバルとして描かれる関係
相手として見ている形です。
| ライバルの形 | どう描かれるか |
|---|---|
| 競争だけ | 勝ち負けが中心 |
| 対立を含む | ぶつかる場面 |
| 尊敬がある | 相手を認める |
| 協力へ変わる | 組む場面が出る |
紹介文からは、二人が同じことに取り組んでいるかくらいまでが読み取れます。どちらが勝つかは結末の話なので、ここでは扱いません。
再会として描かれる関係
離れていた時間がある形です。
| 再会で見る | 何を見るか |
|---|---|
| 離れた期間 | どれくらい空くか |
| 出会い直す | 会う場面があるか |
| 距離 | 残るかどうか |
| 関係 | 変わるかどうか |
一対一か、集団の中か
三つの軸のどれでも、同じように使える見かたです。
一対一の関係を描く作品は、二人のあいだだけを見ていられます。集団の中の関係を描く作品では、多くの線のうちの一本として置かれます。
同じ作品でも、集団を描きながら特定の二人に寄ることがあります。どちらの読み方をしたいかを先に決めておくと選びやすくなります。
三つが混ざる作品をどう見るか
三つに分けましたが、一つの作品が三つとも通ることは珍しくありません。 仲間だった二人が競い合うようになり、一度離れて、また同じ場所に立つ。ここで「どれに当てはまるか」を決めようとすると止まります。
混ざっているときは、いま描かれている形を見ます。 作品全体でどれかに決める必要はありません。紹介文に書かれているのは物語の入口なので、そこで出ている形が最初の形です。 その先で変わるかどうかは、結末の話になります。
順番には、よくある並びがあります。 仲間から競い合いへ、競い合いから離れることへ、そして再会へ。逆向きもあります。 相手として見ていた二人が同じ側に立つ、離れていた二人が組む。どちらの向きも、それ自体が読みどころです。
探すときは、入口の形で選んで構いません。 仲間の話として始まる作品を開けば、途中で形が変わっても仲間の時間はちゃんと描かれます。入口が合っていれば、変化はおまけとして受け取れます。
変化そのものを読みたい日は、期間の長い作品を選びます。 一話で終わる作品では形は変わりません。何年かをまたぐ作品なら、三つの形が順に出てくることがあります。
行動と、読む側の受け取りを分ける
混ざりやすいので分けておきます。
作品に描かれるのは行動です。そこから関係の深さを読み取るのは、読む側があとから足したことです。
友情として美化しないもの
ここは譲れないところです。
「本物の友情」を条件にしない
選ぶ前に、はっきりさせておきたいところです。
結末を知らずに形だけ見る
友情を描く作品は、関係の変化そのものが物語になっていることが多いところです。
関係の形と、その関係がどうなるかは別のことです。 形までなら、楽しみを減らさずに確かめられます。
架空の3例で三つの形を見る
三つの形がどう場面になるのか、こちらで三つ書いてみます。実在の作品のものは一つも含みません。
3つとも、どれが強い友情かでは並べ替えられません。 形が違うだけです。
形を決める前に見る6点
開く前に、さっと決めておきたいところです。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 形 | 三つのどれか |
| 人数 | 一対一か集団か |
| 期間 | どれくらいの時間か |
| 変化 | 形が動く話か |
| 美化 | 支配を絆にしていないか |
| 結末 | 読みすぎていないか |
結局、友情は「濃さ」では比べられないので形で選ぶ
友情を描いた作品を探すとき、つい深さや本物かどうかを基準にしてしまいます。でもそこは、読む人によって答えが変わるところです。 長く知っているほど深い、一緒にいるほど親しい、犠牲を払うほど強い。どれも成り立ちませんし、そう並べた瞬間に候補の順番が自分の読みたさと無関係になります。
代わりに置くのが形です。 同じ側にいるのか、相手として見ているのか、離れていた時間があるのか。形は作品の側にある構造なので、紹介文の前半から読み取れますし、結末を明かしません。 一対一か集団かを足せば、候補はもう数えられる数になります。
三つが混ざっていても困りません。 入口の形で選べば、途中で変わってもその時間はちゃんと描かれています。変化そのものを読みたい日だけ、期間の長い作品へ寄せれば足ります。
そして、描かれた行動を深さに読み替えないこと。 助けたから信頼している、喧嘩するから仲が良い、というのは読む側が後から足した解釈です。支配や見張りを絆として紹介しないのも、同じ線の上にあります。
同じ側にいる話を読みたいのか、相手として見ている話を読みたいのか、離れていた時間のある話を読みたいのか。今日の一つを決めて探してみてください。