漫画のテーマを決める|伝えたいことを物語へ変える
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テーマを単語のままにせず、具体的な場面まで落とすところを扱います。同じ一語からでも別の場面が作れること、答えを決めずに置いておけることを、架空の例で見ていきます。教訓にはしません。
テーマは単語で止まらない
描きたいことを聞かれて、一つの言葉が浮かぶことがあります。
ただ、その言葉のままでは、まだ場面になっていません。 手を動かすところまで届きません。
同じ語から、別の場面が作れる
この記事で言いたいのは、次の一つです。
同じ一語からでも、まったく違う場面が書けます。 言葉が同じでも話は同じになりません。
二つの札を同じ大きさで置いているのは、そのためです。 どちらかを選ばせる図ではありません。
語と場面を線でつないでもいません。 一つの場面が決まっている、という意味になるためです。
単語・場面・問い・別の場面・教訓・読後
| 見るところ | 何を確かめるか |
|---|---|
| 単語 | それだけか |
| 場面 | 具体があるか |
| 問い | 答えを決めない |
| 別の場面 | ほかも作れるか |
| 教訓 | 押し付けないか |
| 読後 | 何が残るか |
六つとも、書いたあとで見るものです。 先にそろえてから書く必要はありません。
全部そろわなくても進めます。 場面が一つ書けていれば動けます。
単語は出発点
浮かんだ言葉そのものは、間違いではありません。 そこから始められます。
ただ、そのままでは何も起きません。 誰が、いつ、何をするのかが要ります。
図でも、単語の側に罰の印を付けていません。 足りないという意味ではなく、途中という意味です。
場面まで落とす
その言葉が出てくる、ひとつの出来事を書きます。 短い一文で足ります。
人と、時と、起きたことが入っていれば動きます。 説明の文ではなく、出来事の文にします。
きれいにまとまっていなくて構いません。 あとで書き直せます。
場面に書ける形
出来事の文と言われても、何を入れればよいか決まりません。
誰がを入れます。 名前でなく、何をしている人かで足ります。
いつ、どこでを入れます。 一言で構いません。
何をしたかを入れます。 動いた結果まで書きます。
| 入れる先 | 例の形 |
|---|---|
| 誰が | 店番をしている人が |
| いつどこで | 閉店の間際に |
| 何をした | 売り物を一つ渡す |
気持ちを書きません。 「寂しくなる」では、場面になりません。
答えは決めなくてよい
その場面で何が正しいのかを、決めておく必要はありません。
読む人によって受け取り方が変わります。 決めてしまうと、その幅がなくなります。
書いている側が迷ったままでも構いません。 迷いがそのまま話の芯になることがあります。
教訓にしない
同じことを何度出すか
一つのテーマを、話の中で何度触れるかを決めます。
一度。 山場の一場面だけで扱います。短い話に向きます。
二、三度。 前半で小さく出しておき、山場でもう一度出す形です。
毎場面。 どの場面も同じことを言っているように読まれます。
出すたびに形を変えます。 同じ形で繰り返すと、言い聞かせている形になります。
一度も言葉にしない形もあります。 出来事だけで通ります。
読後に何が残るか
話が終わったあと、何が残ってほしいかを考えます。 それがテーマの手がかりになります。
残ってほしいものは、答えでなくて構いません。 問いのままでも成り立ちます。
言葉にできなくても構いません。 書いているうちに形になることがあります。
自分の考えを正解にしない
書いている側の価値観が入るのは自然なことです。 それ自体は避けられません。
ただ、それを唯一の正しさとして置かないようにします。 場面の中で判じない、という意味です。
反対の見方をする人物を出しても構いません。 どちらかを負けにしなくても話は成り立ちます。
場面から言葉を探す
言葉が先に浮かばない場合、逆からも進められます。
書いた場面のうち、いちばん残ったものを選びます。 自分が書いていて手が止まらなかった場面です。
その場面で何が起きたかを一行書きます。 出来事の文です。
その一行に共通する語を探します。 二つ三つの場面から探すと出やすくなります。
言葉が見つからなくても構いません。 場面が書けていれば話は進みます。
見つけた言葉を、あとから場面へ足しません。 既にそこにあります。
作りごとのテーマで見る
移し方の感じをつかむために、行き詰まりやすいところを四つ挙げます。 どれも架空のものです。
四つとも、答えを決めていません。 場面が書けたところで止めています。
単語から場面までの五手
手を動かすのは、この五つです。
| 手順 | どうするか |
|---|---|
| 単語を書く | 出発点にする |
| 場面にする | 具体で書く |
| もう一つ | 別の場面も |
| 答え | 決めずに置く |
| 見直し | 教訓でないか |
埋まらない欄があっても進めます。 場面が一つ書けていれば足ります。
単語を場面に変えるところから
テーマ決めに、難しい言葉は要りません。立派なことを掲げるのではなく、出来事の文を一つ書くこと。
誰が、いつ、何をしたのか。そこまで書ければ、その言葉は話になりはじめています。
答えは決めずに置いておけます。 決め切らないほうが、読む人の受け取る幅が残ります。