漫画の視線誘導を作る|絵と吹き出しを配置する
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人物の向き・吹き出しの位置・余白・強調したいものの関係で、目が通る道を作ります。唯一の読み順を決めるものではなく、置き方を変えれば道も変わることを並べて見ます。
目がどこへ行くか、自分でも分からない
枠は割れたのに、読み手の目がどこを通るか自分では見えないことがあります。
絵が下手だからではありません。置いたものの関係が、道になっていないだけです。
線は道であって、決まりではない
図の中を通っている線が、置き方から見込める目の道です。
線は読み手への指示ではありません。 そう通りやすい、というだけです。
同じ置き方でも別の道を通る人はいます。 道は一本に決まりません。
線に番号は振っていません。 順序を固定しないためです。
向き・吹き出し・余白・強調の四つ
| 置くもの | 道への効き方 |
|---|---|
| 人物の向き | 見た先へ目が行く |
| 吹き出し | 先に文字を拾う |
| 余白 | 目が素通りする |
| 強調 | そこで一度止まる |
四つとも同時に使わなくて構いません。 一つでも道は変わります。
四つに順番はありません。 置きやすいものから置けます。
吹き出しを動かすと道が変わる
絵は動かさず、吹き出しだけ移してあります。 それだけで道が変わります。
先に文字を拾う人が多いので、吹き出しの位置は効きます。 絵より先に目が行きます。
二つの図は同じ枠の形で描いてあります。 片方を正解として置かないためです。
人物の向きで先を指す
人物が見ている方向へ、読み手の目も動きます。 指や体の向きも同じです。
向きを変えるだけで、次に見てほしいものを指せます。 線を描き足さずに済みます。
向きが道と食い違うと、目が戻されます。 そこが引っかかるところです。
強調をどこに一つ置くか
四つのうち、強調はいちばん効きが強く、いちばん散りやすいところです。
一枠に一つだけ置きます。 二つ置くと、どちらで止まるか決まりません。
道の終わりに置きます。 通ってきた先で止まるので、そこが残ります。
道の途中に置くと、その先へ進みにくくなります。 止めたい場所が途中なら、それで構いません。
強調の作り方は一つではありません。 線を足す、白く抜く、寸法を変える、といった形があります。
置かない枠もあります。 止めずに通す枠です。
余白は通り道になる
何も置いていないところは、目が素通りします。 速く進ませたいときに使えます。
逆に、詰めると目が止まります。 止めたいところに使えます。
余白を空けること自体は、抜けではありません。 通す場所として置いています。
道の始まりと終わりを決める
道を引く前に、両端を決めておくと迷いません。
始まりは、最初に目を置いてほしいものです。 たいていは枠の右上に近い側です。
終わりは、次の枠へ渡したいところです。 左下に近い側になります。
両端が決まれば、あいだの置き方は選べます。 通し方は一つではありません。
始まりと終わりが同じ側にあると、目が戻ります。 そこが引っかかる形です。
両端を決めずに置くと、道が枝分かれします。
道が作れないとき
引っかかるところを、三つ並べました。 いずれも作りごとの置き方です。
三つとも、絵の描き直しをしていません。置く場所を動かしただけです。
枠から枠へ渡す
一つの枠の中で道が作れたら、次は枠のあいだです。
前の枠の終わりと、次の枠の始まりを近づけます。 目が短く動きます。
遠いと、そのあいだで道が切れます。 どこへ行くか決まりません。
人物の向きを次の枠の側へ向けると、渡しやすくなります。 枠をまたいで効きます。
あえて切る場面もあります。 場面が変わるところでは、渡さないほうが分かります。
最初に目を置く場所を確かめる
最初に目を置いてほしいところが決まっているか。 ここが決まると、残りが置けます。
人物の向きと次の位置が食い違っていないか。 食い違うと目が戻ります。
強調が増えすぎていないか。 増やすほど、どれも効かなくなります。
吹き出しを一つ動かしてみる
視線の道づくりに、特別な技法は要りません。絵を直すのではなく、吹き出しを一つだけ移してみること。
移した先へ目が先に行くか。その先に見せたいものがあるか。 そこまで見えれば、道は作れます。
道が一本に決まらなくても構いません。 通りやすさが変われば足ります。