COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画の吹き出しを配置する|順番と絵の両立

公開日

一つのコマの中では、読む順・人物・絵の見せどころ・吹き出しが同じ場所を取り合います。どこで重なっているかを先に確かめ、吹き出しだけを動かして両立させる手順をまとめます。決まった置き場所がある話ではありません。

「漫画の吹き出しを配置する」を表したイラスト

順番は合っているのに読みにくい

台詞の順に置いたはずなのに、読み返すと引っかかることがあります。

順番そのものは合っています。 詰まっているのは、同じ場所を複数のものが取り合っているからです。

そこで、何と何が重なっているかを先に見ます。 動かす対象がそこで決まります。

読む順・人物・見せどころ・吹き出し

要素 取り合うところ
読む順 右上から左下
人物 顔と視線の先
見せどころ 絵で残したい場所
吹き出し 空いている余白

読む順は動かせません。 右上から左下へ向かう流れは形式の側で決まっています。

人物の顔と、視線が向かう先は空けておきたい場所です。 ここが埋まると表情が読めません。

見せどころは、その絵で見せたくて描いた部分です。 吹き出しで隠すと描いた意味が残りません。

重なりを一つずつ確かめる

一つのコマの中で、読む順・人物・絵の見せどころ・吹き出しがどこで重なるかを示した図
重なっている欄に印を置いています

このコマは、重なりを見せるために組み立てた架空のものです。 既存の誌面から配置を写し取ってはいません。

印が付いた欄が、動かす候補です。 付いていない欄はそのままで通ります。

印が二つ以上並ぶ場合もあります。 そのときは順に動かします。

一つも付かないなら、読みにくさの原因はコマの外にあります。

位置を動かして両立させる

吹き出しの位置を動かして、読む順と絵の見せどころが両立した状態を並べた図
動かしたのは吹き出しだけです

動かすのは吹き出しの側です。 人物と見せどころは絵として決まっています。

読む順を保ったまま置ける余白は、たいてい一箇所ではありません。 上から下へ落ちる形になっていれば通ります。

絵は二本で共通のものを置いています。 位置を動かしたのは吹き出しに限ります。

それでも収まらないなら、吹き出しを分けます。

配置を一つに決めない

ここで持ち帰るのは、重なりを先に見つけることと、動かすのは吹き出しの側だという二つです。

少し重なってよい場所がある

掛かってもよい部分と、掛けたくない部分があります。

背景や服の一部は、掛かっても読み取りが落ちません。 そこを逃がし場所として使えます。

顔・手・視線の先は、掛けると場面が読めなくなります。 ここを空けておけば、残りは余白として使えます。

どこが掛かってよいかは、その絵で何を見せたいかで決まります。

吹き出しどうしの間隔

同じコマに二つ以上置くとき、離し方で読む順が決まります。

近づけて置くと、続けて読まれます。 一息のやり取りになります。

離して置くと、あいだに間が生まれます。 返すまでの時間が伸びます。

同じ高さに並べると、どちらが先か決まりません。 少しずらします。

置き方 読まれ方
近づける 続けて読む
離す 間が空く
同じ高さ 順が不明

間隔は絵の側の余白とも取り合います。 空いている場所から決まります。

吹き出しを分けて逃がす

一つの台詞が長くて置けないとき、二つに割れます。

割った二つを離して置くと、あいだに間ができます。 読む速さも少し落ちます。

割る位置は、息を継ぐところに合わせます。 意味の切れ目と違うと読みにくくなります。

分けたくない台詞なら、コマの側を広げる手もあります。

三つ以上を置くとき

一つのコマに吹き出しが三つ以上入ると、順が崩れやすくなります。

右上から左下へ、階段のように下げます。 一つずつ位置をずらします。

同じ人物の台詞が続くなら、近づけて一組に見せます。 誰の言葉か迷いません。

三つ入らないなら、コマを分けます。 無理に収めると、どれかが読み飛ばされます。

四つ以上は、一つのコマでは追いにくくなります。 数の上限を決めておけます。

視線誘導の記事はページ全体を運ぶ

絵と吹き出しで視線を導く記事は、この判断の一段上にあります。

向こうはページ全体で目をどう運ぶか、ここは一つのコマの中で場所をどう分けるかです。

ページの流れが決まっていれば、コマの中の判断は速くなります。 順にたどれます。

入り口はどちらでも同じです。

コマ割りの記事は枠そのものの話

枠の割り方そのものは、さらに手前の工程です。

枠の並びと大きさはあちらの受け持ちで、内側の置き場所がこちらです。

枠が狭すぎて置けないなら、そちらへ戻ります。 中だけで解けない場合があります。

割り終えていれば、ここから始められます。

書き文字が入る場面

効果音や書き文字が入ると、取り合うものが一つ増えます。

書き文字は吹き出しより先に置き場所が決まります。 音源の近くに置くためです。

書き文字と吹き出しを重ねません。 どちらも読みにくくなります。

書き文字を先に置いてから、吹き出しの場所を探します。 逆にすると置き直しになります。

書き文字が入らないコマでは、四つのままで足ります。

順・顔・見せどころ・逃がしを見る

見るところ 確認すること
順 右上から追えるか
顔 隠れていないか
見せどころ 欠けていないか
逃がし 分けて置いたか

一コマだけ、重なりを見てみる

いま引っかかっているコマが一つあるなら、四つのうち何と何が重なっているかを書き出します。

印が付いたところだけ、吹き出しを動かします。 絵には手を入れません。

一コマ収まれば、置き方の見当が付きます。 他のコマは、同じ順で見ていけます。

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