紙の漫画をスマホで撮影して投稿する前の確認
公開日
同じ自作原稿に台形・光のむら・反射・ピント外れを加えた画像を作り、条件ごとの差を実測して並べます。写真そのものは撮っておらず、投稿先の受付条件も推測しません。
撮ったはずなのに読みにくい
紙に描いた原稿を手元の端末で取り込んだのに、そのまま出してよいか決められないことがあります。
腕前の問題ではありません。何がどれだけ崩れているかを、条件ごとに分けて見ていないからです。
測り方の前提
使ったのは、この記事のために描いた 900×1200ピクセルの紙原稿の画像です。外枠・コマ・細い線・文字が同じ位置に入っています。
比較の間、原稿そのものは一度も描き直していません。 変えたのは加えた条件だけです。
測った値は四つです。 上辺と下辺の幅の比、左右の明るさの差、白へ飛んだ画素の割合、元は暗かったのに明るくなった画素の割合です。
条件ごとに崩れ方が違う
正面・均一の状態では、上辺と下辺の比が1.000、左右の明るさの差が−2.8でした。 これが比べる基準になります。
斜めから見た形(台形)を加えると、比が0.841まで下がりました。 上辺が下辺より短くなり、線が消えた割合も39.21%へ上がっています。
片側から光を当てた状態では、左右の明るさの差が40.7になりました。 紙の白が灰色へ寄り、白でも黒でもない画素が45.10%まで増えています。
反射を加えた画像とピントを外した画像では、上下の比は1.000のまま、左右の明るさの差は−2.8と−2.9でした。 台形の行の左右差は−2.5です。
白へ飛んだ画素は、台形で3.61%、反射で0.36%、残りの三つは0.00%でした。 条件ごとに出る場所が違います。
条件は重なって出る
実際の取り込みでは、条件が一つだけということはほとんどありません。
角度と光は同時に出ます。 斜めから見れば、光の当たり方も片側へ寄ります。
反射とピントも同時に出ます。 手で持てば、距離も角度も動きます。
だから一度に直そうとすると、どれが効いたか分かりません。 測るときは一つずつ変えます。
重なっているかどうかは、四つの値の動き方で分かります。 二つ以上の値が同時に動いていれば、条件も重なっています。
見分ける六つ
| 見る条件 | 何に出るか |
|---|---|
| 角度 | 上下の幅の比 |
| 光の向き | 左右の明るさ |
| 反射 | 白へ飛ぶ画素 |
| ピント | 線の残り方 |
| 距離 | 写る範囲 |
| 原稿の状態 | 比較の前提 |
角度と光は別々に出ます。 まとめて直すと、どちらが効いたか分かりません。
原稿を替えると比較になりません。 同じ一枚で条件だけを変えます。
測る場所を決めておく
同じ画像でも、どこを測るかで値が変わります。 場所を先に決めます。
上下の幅は、外枠の上辺と下辺で測ります。 コマの枠では、もともと幅が違うことがあります。
左右の明るさは、紙の白い部分で測ります。 絵の濃い部分を含めると、絵柄の差が混ざります。
線の残り方は、同じ細い線の上で数えます。 太い線は崩れても残るので、差が出ません。
| 測る値 | 測る場所 |
|---|---|
| 上下の幅 | 外枠 |
| 明るさ | 紙の白い所 |
| 線の残り | 同じ細い線 |
反射とピントは線に出る
反射を加えた画像では、元は暗かった画素の6.67%が明るくなりました。 白へ飛んだ画素は0.36%です。
ピントを外した画像では、23.04%が明るくなり、白でも黒でもない画素が20.09%へ増えました。 線が太く薄く広がった状態です。
台形の39.21%には、変形のときに線が間引かれた分も含みます。 数の意味を書き添えておきます。
直す順番
| 直す順 | やること |
|---|---|
| はじめに | 角度を直す |
| つぎに | 光を分ける |
| さいごに | ピントを見る |
一度に二つ変えません。 どちらが効いたか分からなくなります。
直したら同じ場所で測り直します。 見た目の印象とは別に残せます。
直せる条件と直せない条件
四つの条件は、直し方の性質が違います。
角度と距離は、取り込み直せば直ります。 同じ紙をもう一度置き直すだけです。
光の向きも、置く場所を変えれば直ります。 ただし場所が選べないこともあります。
反射は、紙の面と光の位置の関係で決まります。 動かせる余地が小さいことがあります。
ピントは、道具の側で決まる部分があります。 近づけない距離があります。
直せない条件が残った場合は、取り込み方そのものを変える判断になります。 その判断はこの記事の外です。
どの条件か絞れないとき
手が止まる場面を、三つ挙げます。 どれも比べ方の話です。
どの例でも原稿を描き直していません。加えた条件だけを入れ替えて測っています。
四つの値が揃ったか確かめる
上下の幅がそろっているか。 ずれていれば角度です。
左右の明るさが近いか。 離れていれば光です。
細い線が残っているか。 消えていれば反射かピントです。
同じ一枚で条件を一つ変える
取り込みの確認に、特別な機材は要りません。出す前に、同じ原稿で条件を一つだけ変えて見比べること。
上下の幅の比は動いたか。線はどれだけ残ったか。 そこまで測れば、次の取り込みで迷いません。
差が小さくても構いません。 崩れていないと分かっていることも、確かめた結果です。