スキャンした漫画の紙の色を整えて投稿する
公開日
取り込んだ原稿の紙の地の色を、前と後を並べて確かめます。強くかけすぎると薄い線から先に消えることまでを、出力の段階に限って扱います。
紙の地が灰色のまま出てしまう
手描きの原稿を取り込むと、白いはずの紙が薄い灰色になっていることがあります。
画面で見ると気にならない濃さでも、出したあとに並べると地の色が浮いて見えます。
直す場所は、描き足すところではなく出力の手前です。
前と後を並べて見比べる
比べたのは、この記事のために描いて取り込んだ原稿です。
四つの欄のうち、変わったのは二つだけです。 残りは前後で同じままにしています。
どの欄が動いたかを先に決めておくと、かけすぎたときに気付けます。
灰色がどこから来ているか
同じ灰色に見えても、出どころが違います。 直す場所が変わるので、先に分けます。
紙そのものが白くない場合。 全面が均一に灰色へ寄ります。
影が落ちている場合。 片側だけ、または端だけが暗くなります。
読み取りの側で明るさが落ちている場合。 全面が均一で、線の濃さも一緒に薄くなります。
| 見え方 | 見る先 |
|---|---|
| 全面が均一 | 紙か設定 |
| 片側だけ暗い | 影 |
| 線も薄い | 設定 |
片側だけ暗い場合は、出力の側で直すと反対側が飛びます。 読み取りからやり直すほうが早く済みます。
変えてよい欄と、変えない欄
| 見るところ | 補正の前後 |
|---|---|
| 紙の地の色 | 灰色から白い |
| 線の濃さ | そのまま |
| 薄いトーン | 見えるまま |
| 消しゴムの跡 | 残るから消える |
動かしたいのは紙の地の色と、消しゴムの跡です。
線の濃さと薄いトーンは、そのままで通します。 ここが動いたら、かけすぎています。
この四つを並べておけば、前後を見比べるだけで判断が付きます。
強くかけると先に消えるもの
いちばん先に消えるのは、薄い線です。 下描きを活かした線や、かすれた線から抜けます。
薄いトーンもその次に飛びます。 点が消えて白い面になります。
紙の質感も無くなります。 手描きらしさが落ちるのはここです。
弱いほうから試す手順
強さを決め打ちにしません。 段階を決めて、下から上げます。
まず弱くかけて、四つの欄を見ます。 地の色が動き、線とトーンが動いていなければそこで止めます。
地が動かなければ、一段上げてもう一度見ます。 一段ずつ上げるのは、消えた位置を特定するためです。
線かトーンが動いた段が出たら、その一つ前へ戻します。 動いた段が上限です。
上げるたびに前後を見比べます。 まとめて上げてから見ると、どの段で消えたか分かりません。
戻せない操作は控えめにする
強くかけて消えたものは、同じ絵から取り戻せません。
だから、かける強さは弱いほうから試します。 足りなければ少し足します。
取り込んだままのファイルは、別の場所に残しておきます。
残してあれば、かけすぎたときにやり直せます。 残していないと描き直しになります。
読み取りの工程は扱わない
ここで見ているのは、取り込んだあとの出力の調整だけです。
紙をどう置くか、どの機械でどう読ませるかは、別の記事の担当です。
混ぜると、直す場所が二つになってどちらが効いたのか分からなくなります。
先に出力の側で整えて、それでも足りないときに前の工程へ戻ります。
決めた強さを控えに残す
同じ紙と同じペンなら、次も同じ強さで足ります。 控えておけば、毎回試し直さずに済みます。
残すのは、紙の種類・使ったペン・決めた強さの三つです。 どれか一つでも変われば、試し直す合図になります。
上限として出た段も書いておきます。 次に少し強くしたくなったとき、どこまで上げられるかが分かります。
控えは原稿とは別の場所に置きます。 原稿ごとに散らばると、次の作品で探せません。
| 控える欄 | 変わったら |
|---|---|
| 紙の種類 | 試し直す |
| 使ったペン | 試し直す |
| 決めた強さ | そのまま使う |
見比べてから出す
整えたら、前のファイルと並べて見比べます。
見るのは紙の地ではなく、薄い線と薄いトーンです。 地の色は見れば分かります。
縮めた状態でも一度見ます。 縮めると、飛んだトーンが目につきます。
二つを並べて差が想定どおりなら、そこで出します。
次の原稿は同じ順で整える
いま原稿ごとに違う強さでかけているなら、一度決めた強さを控えに書き残します。
同じ紙と同じペンなら、次も同じ強さで足ります。
紙を変えたときだけ、もう一度弱いほうから試し直します。