久しぶりに漫画制作を再開する|小さな一作から戻る
公開日
今回だけ削る工程を決めて、一場面から描き切る最小のプランを作ります。戻る一作の大きさを選ぶところまでを、工程の話として扱います。
描こうとすると、大きく考えてしまう
久しぶりに描こうと思ったとき、つい前と同じ完成度を思い浮かべます。
前は一話を仕上げていたのだから、今回も一話、と考えます。
その大きさが、手を止める側に働きます。
ブランクの長さは基準にならない
何年空いたかを数えても、次にやることは決まりません。
長く空いたから大きく戻す、短いから小さく戻す、という関係はありません。 決まるのは、いま一作を終わらせられる工程の数のほうです。
空いた期間を書き出す作業は、ここでは省きます。 工程表を見るほうが早く決まります。
今回だけ削る工程を決める
工程を並べて、今回やらないものに印を付けます。
削るのは、無くても話が終わる工程からです。 トーンや背景の描き込みが当てはまります。
話を考えるところと、コマを割るところは残します。 ここが無いと作品になりません。
削った工程は、次の一作で戻せます。 永久にやめるわけではありません。
削ってよい工程と、残す工程
| 工程 | 今回 |
|---|---|
| 話を考える | やる |
| コマ割り | やる |
| トーン | 今回はやらない |
| 背景の描き込み | 今回はやらない |
残す工程は、最後まで行くために要るものだけです。
見栄えに関わる工程は、後から足せます。
逆に、話の骨格は後から足せません。 だから先に残します。
削ることと、薄くやることは違う
削るというのは、その工程を今回は置かないことです。
残した工程は、いつもどおりにやります。 全部の工程を少しずつ手加減すると、どこで力を抜いたのかが後から分かりません。
分からないと、次にどれを戻すかも選べません。 削った工程が名前で残っているから、一つずつ戻せます。
| やり方 | 後から分かること |
|---|---|
| 工程を削る | 抜いた工程の名前 |
| 全部を薄く | 分からない |
戻る一作は小さくする
大きさは、終わるところまで行けるかどうかで選びます。
一場面だけでも、終われば一作です。
数ページや一話ぶんは、次に回しても構いません。
選ぶのは一つだけです。 二つ並行すると、どちらも終わりません。
一場面を選ぶときの見方
どの一場面でもよい、というわけではありません。 終わるところまで行ける場面には形があります。
説明が要らない場面を選びます。 前置きを描き足すことになると、一場面では収まりません。
出てくる人物は一人か二人にします。 三人以上になると、誰の場面かを決める作業が増えます。
終わりを自分で決められる場面にします。 続きが要る場面は、その続きまで描かないと終わりません。
| 見るところ | 選ぶ側 |
|---|---|
| 説明 | 要らない |
| 人物 | 一人か二人 |
| 終わり | 自分で決める |
途中で止まったら工程をもう一段削る
削ったつもりでも、まだ大きいことがあります。
止まったら、自分を責める前に工程表を見ます。
ペン入れをやめて下書きのまま出す、という削り方もあります。
削り方はいくらでもあるので、止まるたびに一段ずつ下げます。
締切は置かない
再開の一作に締切を置くと、削った工程と締切が同時にのしかかります。
どちらも間に合わせるための仕掛けなので、二重にかけると効きません。
出す日は、終わってから決めます。 終わっていない作品の出し先は、どのみち決められません。
誰かと約束している場合は別です。 その場合は締切のほうが先にあるので、工程をさらに削ります。
原因を意欲の側に置かない
この記事は、描けない理由を気持ちの問題として扱いません。
扱っているのは、工程をどこまで削るかという手順だけです。
そこを整えても描けないときは、別の理由があります。
その場合は、この記事の外の話になります。
終わったら、次に戻す工程を一つ選ぶ
一作終わったら、削った工程のどれを戻すかを選びます。
一度に全部戻すと、また同じ大きさになります。
一つだけ戻して、また終わるところまで行きます。
これを何回か繰り返すと、元の作り方に戻っています。
一場面ぶんの工程表を書く
いま何も進んでいないなら、一場面だけの一作を選びます。
削る工程を決めるところまでなら、十分ほどで終わります。
その十分が、次に鉛筆を持つところまでの距離を縮めます。