COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画の場面転換を描く|場所が変わったと伝える画面

公開日

場面が切り替わったことを示す導入コマを、引き方の違う四つで比べます。どれが正しいかは決めず、画面に何が入るかで伝わる手がかりが変わることだけを見ていきます。

「漫画の場面転換を描く」を表したイラスト

移ったことは分かるのに、どこか分からない

場面を切り替えたとき、変わったのは分かるが、どこなのかが分からないことがあります。

つなぎが足りないのではありません。導入コマの画面に、手がかりが入っていないだけです。

導入コマの取り方を四つ並べ、それぞれの画面に何が入るかを書いた図
四つとも同じ大きさで描いてあります

取り方で画面に入るものが変わる

図の四つの枠は、同じ場所を別の取り方で描いたものです。

枠の中に書いてあるのが、その画面に入るものです。 絵の代わりに言葉を置いてあります。

四つの枠はどれも同じ大きさで描いてあります。 引いた絵を大きくしていません。

四つに丸や印は付けていません。 どれかを正解にしないためです。

引き・寄り・手元・空の四つ

導入コマの取り方 画面に入るもの
引いて描く 建物と周り
近づいて描く 看板や札
手元だけ描く 持ち物と床
空を入れる 明るさと影

引くと場所が広く入ります。 そのぶん細かいものは見えません。

手元だけでも場所は伝わります。 床や持ち物に手がかりがあるためです。

時間が変わったことを画面で出す

同じ場所で、影の向きと明かりだけ変えた二つの枠の図
どちらの画面にも印は付けていません

場所が同じでも、明るさで時間が変わったと分かります。 影の向きも手がかりになります。

時計を描く手もあります。 描かずに済ませることもできます。

二つの枠は寸法をそろえてあります。 明るさ以外を動かしていないためです。

場所の手がかりになるもの

画面へ入れられる手がかりを挙げておきます。

文字のあるもの。 看板、札、掲示。いちばん速く伝わります。

床と足元。 土か、板か、石か。屋内か屋外かが決まります。

そこにしか無い物。 その場所で使う道具が写っていれば足ります。

窓の外。 中にいながら、外の様子を渡せます。

手がかり 伝わること
文字 場所の名前
床 屋内か外か
道具 何をする場所

どれか一つで足ります。 全部入れると、どれも読まれません。

人物をどこに置くか

同じ導入コマで、人物を小さく置いた形と大きく置いた形を並べた図
どちらの大きさも選べます

導入コマに人物を入れると、誰がいるかも同時に伝わります。 入れない取り方もあります。

小さく置くと、場所のほうが目に入ります。 大きく置くと人物が先に来ます。

入れないと決めたら、次のコマで出せます。 導入コマで全部を出さなくて構いません。

導入コマを置かずに移る

場面の頭に一枠置かない形もあります。

台詞の途中で切り替えます。 会話が続いていれば、場所が変わっても追えます。

同じ形の物をまたいで置きます。 前の場面の物と似た形が、つなぎになります。

人物の顔から始めます。 誰の場面かが先に決まり、場所は後から分かります。

分からないまま進める場面もあります。 どこか分からないこと自体が狙いの場合です。

置かないと決めたなら、次の枠までに手がかりを入れます。 置き場所を移しただけです。

画面の手がかりは重ねられる

看板と空を同じ枠に入れることもできます。 場所と時間が一度に伝わります。

重ねるほど画面は詰まります。 詰まると、どれも目立たなくなります。

一つに絞る選び方もあります。 足りなければ次の枠で足せます。

伝わらないとき

引っかかるところを、三つ挙げます。 どれも作りごとの場面です。

三つとも、場面の順序を変えていません。画面に入れるものを変えただけです。

同じ場所へ二度目に戻るとき

一度出した場所へ戻る場面では、渡す量を減らせます。

一度目と同じ画角にします。 同じ絵が出れば、そこだと分かります。

手がかりは一つで足ります。 全部描き直さなくて構いません。

前と変わったところを一つ入れます。 時間が経ったことが同時に伝わります。

二度目を大きく取ると、初めての場所のように読まれます。 小さくても届きます。

場所が画面から分かるか確かめる

場面転換の画面を決めたあとに確認したい5項目のチェックリスト
引きの大きさを測る表ではありません

どこなのかが画面から分かるか。 手がかりが一つあれば足ります。

手がかりを詰め込みすぎていないか。 多いほど目立たなくなります。

必ず引きから始めようとしていないか。 手元から始める場面もあります。

手がかりを一つ決めてみる

場面転換の画面に、決まった取り方は要りません。引くかどうかではなく、画面に入れる手がかりを一つ決めること。

看板か、持ち物か、空か。それが入る取り方はどれか。 そこまで決まれば、導入コマは描けます。

入れないまま移る場面があっても構いません。 分からせないことが狙いの場面もあります。

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