COMISTA JOURNAL漫画を描く

ネーム修正を管理する|意見と変更理由を残す

公開日

もらった意見をどう扱ったかを一行ずつ残す台帳の作り方をまとめます。採った意見も採らなかった意見も同じ表に並べ、理由を書いておくと後から同じ検討を繰り返さずに済みます。すべての意見を反映する必要はありません。

「ネーム修正を管理する」を表したイラスト

意見は集まったのに、どれを直したか分からなくなる

何人かにネームを見てもらうと、言われたことが手元に溜まります。

直したところと、直さなかったところの区別が付かなくなります。 少し時間が空くと特にそうです。

そこで、受けた意見を一行ずつ残す表を作ります。 判断ごと残すのが要点です。

意見・判断・理由の三欄

欄 書くこと
意見 言われた内容
判断 採るか採らないか
理由 そう決めた根拠

意見はそのままの言葉で写します。 要約すると後で意味が変わります。

判断は二つのどちらかです。 保留にすると、あとで同じ検討をやり直すことになります。

理由は一行で足ります。 短くても用は足ります。

採った意見と採らなかった意見を同じ表に残す

受けた意見ごとに、採否と理由を一行ずつ記入した台帳の図
採らなかった行も消さずに残しています

台帳の記入例は、中身まで含めて架空です。 受け取った指摘を転記したものではありません。

採らなかった行を消してしまうと、検討したこと自体が残りません。 同じ指摘がまた来ます。

採った行と採らなかった行は同じ形で並べます。 どちらかを上に置く表にはしていません。

理由の欄はどの行も埋めます。 空いた行が後で読めなくなります。

採らなかった理由が、あとで効く

理由を残していない場合と残している場合で、同じ指摘が再び来たときの手順を比べた図
残しておくと、同じ検討をやり直さずに済みます

同じ指摘は、別の人からもう一度来ることがあります。

理由が残っていないと、また一から考え直すことになります。 前回と逆の判断に着地することもあります。

残っていれば、その一行を読み返すだけで済みます。 考え直してもよく、そのときは理由を上書きします。

判断を変えること自体は問題ありません。 変えた記録が残っていれば足ります。

修正の管理で決めつけないこと

残すのは、意見をそのまま写すことと、採否と理由を必ず一行ずつ書くことの二つです。

一つの意見を一行に割る

長い指摘は、そのまま一行にすると判断できません。

「前半が読みにくくて、あと人物が分かりにくい」は二行に割ります。 採否が別々に決まるからです。

割ったあとも、言葉はそのまま写します。 要約は後で意味が変わります。

どこを指した意見かを添えます。 ページや場面の名前で足ります。

割れないなら、そのまま一行で置けます。 判断が一つで済むなら割る必要はありません。

割った行どうしで採否が食い違っても構いません。 別の判断です。

意見を全部反映しなくてよい

受けた意見が互いに食い違うことがあります。

両方を立てようとすると、どちらの形からも外れます。 片方を採って、もう片方に理由を書きます。

採らない理由は「今回は別の形で見せたいから」で足ります。 相手を否定する言葉にする必要はありません。

食い違い自体は、見え方が分かれている印です。

保留にしたくなったとき

採るか採らないか決めきれない意見が出ます。

その場で決められないなら、決める時期を書きます。 「作画に入る前に決める」のような一行です。

時期も書けないなら、採らない側へ置きます。 理由は「今回は判断できない」で足ります。

保留の欄を作ると、そこへ溜まります。 溜まった行は誰も読み返しません。

決め直すときは、理由の欄を上書きします。 行を増やさずに済みます。

台帳は評価表ではない

行が増えても、ネームの出来が下がったわけではありません。

指摘が多い場面は、読む人が引っかかった場所というだけです。 直す価値があるかは別に判断します。

点数や順位を付ける欄は置きません。 付けると、採否がその数字に引きずられます。

残すのは内容と判断だけで足ります。

台帳を次の稿へ持ち越す

一つの稿で台帳を閉じたあと、次の稿でも使えます。

採らなかった行は残したまま持ち越します。 同じ指摘が来たときに読み返せます。

採った行は、直し終えた印を付けて畳めます。 消さずに置いておきます。

稿が変わったら、その区切りを一行入れます。 どの稿への意見か分かります。

前の稿の理由が今も通るかを見ます。 通らなくなっていたら、そこで上書きします。

意見をもらう前の記事との順番

意見を受け取る前の段取りは、先行する記事が扱っています。

向こうが扱うのは渡す前で、ここで扱うのは返ってきたあとです。

工程の並びでは、そちらが手前に来ます。 聞きたいことが決まっていると、台帳の行も短くなります。

先に受け取ってしまっていても、ここから始められます。

ネームが終わらない記事との違い

いつまでも終わらないときの進め方は、独立した記事になっています。

向こうの詰まりは自分の内側にあり、ここでの詰まりは外から来た量です。

止まっている原因が自分側か外側かで分かれます。 症状が違います。

自分の中で決まらないなら、あちらを先に開きます。

写し・判断・理由を見る

見るところ 確認すること
写し 言葉のまま残したか
判断 保留を残していないか
理由 全行に書いたか
不採用 消さずに置いたか
上書き 変えた記録が残るか

直近の一件だけ、三欄を埋めてみる

いちばん最近もらった意見が一つあるなら、それだけ台帳に書き出します。

意見をそのまま写して、採否と理由を一行ずつ足します。 他の行は後で構いません。

一行埋まれば、書き方は決まります。 残りは同じ形で並べるだけです。

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