COMISTA JOURNAL漫画を描く

ネームはどこまで描く?伝える相手別の情報量

公開日

ネームの描き込みは、渡す相手が誰かで必要な量が変わります。同じ一場面を三段階で並べ、自分用・一緒に作る人用・初めて読む人用でそれぞれ何が伝わればよいかを見ていきます。細かく描くほど良いという話ではありません。

「ネームはどこまで描く?伝える相手別の情報量」を表したイラスト

どこまで描けばいいか分からない

ネームを描いていて、手が止まる場所があります。

これ以上描くべきか、ここで止めてよいかが決まりません。 基準が見えないからです。

そこで、誰に渡すかを先に決めます。 必要な量がそこから出ます。

自分・共作者・初読者で変わる

渡す相手 伝わればよいこと
自分 話の順番
一緒に作る人 場面の役割
初めて読む人 読む順と流れ

自分用なら、順番が分かれば足ります。 後から自分が読み返せる形であればよいからです。

一緒に作る人へ渡すなら、場面が何をしているかまで要ります。 絵柄は要りません。

初めて読む人へ渡すなら、目が迷わない程度まで要ります。 ここで初めて読む順が問題になります。

同じ場面を三段階で描く

同じ一つの場面を、情報量の違う三段階のネームとして横に並べた図
三段とも同じ場面です。枠の大きさは変えていません

三段階の場面は、記事の説明用に新しく引いた図です。 元にした下描きは存在しません。

段が上がるほど、入っている要素が増えます。 描いている場面は三段を通して変わりません。

枠の大きさは一段目から三段目まで同一です。 描き込みの量に上下を付けないためです。

どの段で止めても、ネームとして成立します。

段を上げる前に、相手を決める

渡す相手ごとに、どの段まで描けば足りるかを対応させた図
相手が決まると、止める段も決まります

相手が決まっていないと、際限なく描き込むことになります。

自分用なら一段目で止まります。 順番が読み取れれば目的は済んでいます。

一緒に作る人へ渡すなら二段目です。 場面の役割が読めればよく、絵の精度は別の工程です。

初めて読む人へ渡すなら三段目です。 読む順と台詞の位置まで入ります。

描き込みで決めつけないこと

ここで持ち帰るのは、渡す相手を先に決めることと、決めた段で止めてよいことの二つです。

描き込まないまま渡してよい場面

全部の場面を同じ段まで上げなくて構いません。

見せ場だけ三段目、間の場面は一段目、という混ぜ方ができます。 読む人が迷うのは見せ場の前後だからです。

均一に上げると時間だけが延びます。 伝わり方は変わりません。

どこを上げたか分かるようにしておけば足ります。

各段で増えるもの

段が上がると何が増えるのかを、先に決めておきます。

一段目。 枠と、その中で起きることの一言です。順番だけが分かります。

二段目。 人物の位置と、場面が何をしているかが入ります。役割が読めます。

三段目。 台詞の位置と、目が動く順が入ります。読む順が決まります。

段 増えるもの
一段目 枠と出来事
二段目 位置と役割
三段目 台詞と読む順

絵の精度はどの段にも入りません。 描き込みは別の工程です。

途中で段を戻してもよい

描き込んだあとで、減らしたくなることがあります。

下げる操作は後退ではありません。 情報が多すぎて読む順が見えなくなることは実際に起こります。

一段下げて読み返すと、迷う場所が見えます。 そこだけ上げ直せます。

上げる方向にしか進めない工程ではありません。

どの場面から段を上げるか

全部を同じ速さで上げません。 上げる順番を決めます。

見せ場から上げます。 ここが決まらないと、前後の量も決まりません。

次に、その前後の場面です。 見せ場へ入る形と出る形が読めます。

間の場面は最後です。 一段目のまま残ることもあります。

迷っている場面は後回しにします。 上げても決まらないので、時間だけ延びます。

上げた場面と上げていない場面が分かるようにしておきます。

ネームの描き方の記事はどこを扱うか

ネームを描く手順そのものは、この記事の外に置いてあります。

向こうが扱うのはページへ置く工程で、ここで見るのは置いたあとの密度です。

置き方そのものが未定なら、そちらから入るほうが早く済みます。 ここでは置いたあとの量を見ます。

一つのネームに続けて当てられます。

質問を決める記事との違い

見てもらう前に何を聞くか決める記事は、これとは別立てです。

向こうが決めるのは質問の中身で、ここで決めるのは渡す現物の密度です。

聞きたいことが立っていれば、必要な段も自然に絞れます。 二つは続けて使えます。

開く順番は自由です。

渡すときに添える一行

段を決めて止めたら、その旨を相手へ渡します。

「順番だけ見てください」と書きます。 描き込みの不足を指摘されずに済みます。

上げていない場面があることも伝えます。 そこを読み飛ばしてもらえます。

添えないと、相手はいちばん粗いところを見ます。 見てほしい場所へ目が行きません。

一行で足ります。 長く書くと、そちらを読む時間になります。

相手・段・読む順を確かめる

見るところ 確認すること
相手 誰へ渡すか決めたか
段 一つに決めたか
順番 読む順が分かるか
台詞 位置だけでよいか
戻し 段を下げられるか

一場面だけ、段を決めてみる

いま描きかけの場面が一つあるなら、そこを誰に見せるかだけ決めます。

決まったら、その段まで描いて止めます。 残りの場面は後で構いません。

一つ止められれば、次からは迷う時間が減ります。 残りの場面には同じ問いを当てるだけで足ります。

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