制作途中の漫画を公開する前に考えること
公開日
途中のものを見せることと、完成作品として出すことを分けて考えます。見せる範囲・途中版である表記・差し替えの予定を先に決め、公開前に見る六つの欄にまとめました。
途中だけど見せたくなる
描いている最中に、誰かに見てほしくなることがあります。
出してから「まだ途中なんです」と付け足すことになりがちです。 順番が逆になっています。
先に決めておけば、出したあとで言い足さずに済みます。 決めるのは三つだけです。
途中を見せるのと、完成として出すのは別
同じ原稿でも、二つの出し方は別のことです。
読む人が期待するものが違います。 途中だと分かっていれば、粗さは前提として読まれます。
あとで直せる範囲も違います。 完成として出したものを差し替えると、読んだ人の記憶と食い違います。
だから、どちらとして出すのかを先に決めます。 そこが決まると、残りの準備も決まります。
どこまでを途中と呼ぶか
「途中」の幅が決まっていないと、表記の書き方も決まりません。
話が最後まで通っていない状態。 続きがあることを書きます。
話は通っているが、絵が仕上がっていない状態。 絵を直す予定があることを書きます。
両方できているが、直したいところが残っている状態。 これを途中と呼ぶかは自分で決めます。
| 状態 | 表記に書くこと |
|---|---|
| 話が途中 | 続きがある |
| 絵が途中 | 直す予定 |
| 手直し前 | 決めしだい |
どれに当てはまるかを先に決めます。 決めてから、表記の言葉を選びます。
途中版だと分かる書き方をする
途中だと本人が思っていても、読む人には分かりません。
作品の中に書くか、添える文に書くかは、出す場所によって変わります。 どちらでも構いませんが、どこかには書きます。
書いていなければ、完成作として読まれます。 それを後から訂正するのは大変です。
表記の欄を落とすと、二つの出し方の区別そのものが消えます。 図でこの行だけ扱いが分かれているのは、そのためです。
差し替える予定があるなら先に言う
あとで描き直すつもりなら、そのことも書いておきます。
読んだ人が、続きを待てばよいのか、これで終わりなのかを判断できます。
予定が変わることはあります。 変わったときに書き直せばよく、最初から正確である必要はありません。
書いておくと、自分の側も「まだ途中」という状態を保てます。
差し替えたときの扱い
予定どおり差し替えたら、そこでも決めることがあります。
前の版を残すか消すか。 残すなら、どちらが新しいかが分かる形にします。
差し替えたことを知らせるか。 読んだ人がいるなら、知らせる側に寄せます。
表記を書き換えるか。 完成にしたなら、途中版の表記を外します。外し忘れると、完成作が途中版として読まれます。
差し替えた日を控えます。 前の版を読んだ人と、後の版を読んだ人が分かれます。
公開前に見る六欄
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 見せる範囲 | どこまで出すか |
| 途中版の表記 | どこに書くか |
| 差し替えの予定 | あるかないか |
| ネタバレの範囲 | 先の展開を出すか |
| 第三者の素材 | 入っていないか |
| 個人情報 | 入っていないか |
上の四つは決める欄で、下の二つは直す欄です。 性質が違うので、同じ扱いにしません。
ネタバレは自分の作品にも起こる
先の展開を途中で見せると、完成したときに驚きが残りません。
どこまで出すかは、自分で決められることです。 誰かの決まりに従う話ではありません。
決めておかないと、勢いで出してしまいます。 出したものは戻せません。
範囲を先に線引きしておくと、迷わずに済みます。
途中版を消すかどうか
完成したあと、途中版をどうするかを決めます。
残す場合。 作り方を見せる記録になります。完成版と見分けが付く形にします。
消す場合。 完成版だけが残ります。読んだ人が途中版を探しても見つかりません。
どちらでも構いませんが、決めておきます。 決めずにいると、古い版が残ったまま忘れられます。
消すと決めたなら、出した場所を全部たどります。 一か所に出したつもりで、別の場所にも残っていることがあります。
途中でも消すものは消す
第三者の素材と個人情報は、完成でも途中でも同じように扱います。
途中だから大目に見てもらえる、ということはありません。 公開された時点で、見る人にとっては同じです。
資料として置いた画像や、下描きに書いたメモが残っていないかを見ます。
この二つだけは「決める」ではなく「直す」欄にしてあります。 判断ではなく作業だからです。
出したあとに決めることを残さない
六つの欄が埋まってから出すと、出したあとにやることが減ります。
埋まらない欄があるなら、そこがまだ決まっていないところです。 出すのを止める理由にはなりませんが、分かったうえで出せます。
決めたことを残しておくと、次の一本で同じことを考え直さずに済みます。
見せる範囲と表記だけ先に決める
途中のものを見せるか迷っているなら、まず見せる範囲だけを決めます。
次に、途中版だとどこに書くかを決めます。 この二つが決まれば、出すかどうかは判断できます。
残りの四欄は、出す直前に一度見れば足ります。 全部を一度に決める必要はありません。