感情を背景で表す|人物の気持ちを画面へ広げる
公開日
同じ表情のまま背景だけを入れ替えた画面を並べて比べます。背景で気持ちが決まるわけではなく、読み取りの助けになるところまでを見ていく記事です。
表情を描いたのに、気持ちが伝わらない
顔は描けているのに、その人が何を感じているか読み取りにくいことがあります。
表情が弱いからとは限りません。まわりが空いたままで、手がかりが一つしかないだけです。
人物は動かさず、地だけ入れ替える
図の三つの枠には、同じ大きさの同じ人物が入っています。
変えてあるのは後ろの地だけです。 人物の位置も表情も動かしていません。
人物のまわりは白く抜いてあります。 地に沈まないようにするためです。
図の左上に書いてあるのが、その組の表情です。 三枚のあいだでは変えていません。
どの枠にも丸や印は付けていません。 正解の背景を作らないためです。
無地・細かい線・粗い点の三枚
| 枠 | 後ろに入れた地 |
|---|---|
| 一枚目 | 何も入れない |
| 二枚目 | 細かい線 |
| 三枚目 | 粗い点 |
線や点そのものに意味はありません。 呼び名として書いてあるだけです。
一枚目は地を入れていません。 入れない形も並べてあります。
表情を変えても同じ三通り
表情を変えると、同じ地でも読み方が変わります。 地だけでは決まらないということです。
三枚とも人物は同じ大きさで置いてあります。 背景だけを入れ替えました。
どちらの組にも印は付けていません。 比べるための並びです。
地の粗さ・余白・人物の大きさ
| 助けになるもの | どう効くか |
|---|---|
| 地の粗さ | 場の張り方 |
| 余白の広さ | 間の長さ |
| 人物の大きさ | 近さの度合い |
三つとも同時に使わなくて構いません。 一つでも見え方は変わります。
三つに順番はありません。 使いやすいものから使えます。
余白の広さを動かす
三つの助けのうち、余白はいちばん手を入れやすいところです。
人物のまわりを広く空けます。 間が長く感じられ、静かな場面に向きます。
詰めて置きます。 場が狭く感じられ、逃げ場が減ります。
枠の端に寄せます。 空いた側に何かが来る、と読まれます。
| 余白の取り方 | 読まれ方 |
|---|---|
| 広く空ける | 間が長い |
| 詰める | 場が狭い |
| 片側へ寄せる | 続きがある |
地を入れずに余白だけ動かす形もあります。 背景を描かない場面で使えます。
主役は人物のまま
背景を強くしすぎると、人物より先に目が行きます。 そうなると表情が読まれません。
地を薄くすれば、人物が前に残ります。 濃さは選べます。
背景を入れない選び方もあります。 白いままでも場面は立ちます。
一本の中で地の使い方をそろえる
同じ地を同じ場面で使い続けると、読み手が覚えます。
覚えたあとは、地だけで場が伝わります。 説明の枠を一つ減らせます。
毎回ちがう地を当てると、覚える前に次が来ます。 助けになりません。
使う地を三つか四つに絞ります。 絞った分だけ、差が読み取られます。
どの地をどの場面で使ったかを控えておきます。 次の話でも同じ形が使えます。
前後の場面が意味を決める
同じ地でも、前の場面によって読み方が変わります。 背景は単独では働きません。
台詞が入れば、そちらが先に読まれます。 背景は後ろから支える側です。
決めきれないときは、入れずに進められます。 後から足すこともできます。
地を入れる場面を選ぶ
全部の枠に地を入れません。 入れる場面を決めておきます。
表情だけでは足りないと感じた枠に入れます。 読み返して決められます。
場面が変わった最初の枠に入れます。 どこへ来たかが伝わります。
台詞の無い枠に入れます。 支える側が空いているからです。
台詞が長い枠は、入れないほうが読めます。 文字と地が重なります。
読み違えそうなとき
引っかかるところを、三つ並べます。 どれも作りごとの場面です。
三つとも、表情を描き直していません。後ろの地を動かしただけです。
背景を入れたあとで見るところ
人物より背景が先に目に入っていないか。 入っていたら薄くできます。
背景だけで意味を決めていないか。 前後の場面と台詞が先に働きます。
入れない形も並べてみたか。 入れないほうが通ることもあります。
背景を外して見比べる
感情の表し方に、決まった模様は要りません。地を足す前に、外した形と並べて見比べること。
外しても読めるか。入れると何が変わるか。 そこまで見えれば、入れるかどうかを選べます。
入れないままでも構いません。 表情と前後の場面だけで立つこともあります。