漫画の街並みを描く|道と建物の重なりを整理する
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街並みは建物を並べるだけでは奥行きが出ません。架空の街区を前景・中景・遠景の三層に分け、道の幅と建物の重なりで距離を作る手順を簡略図で整理します。実在の都市は写しません。
道と建物が同じ距離に見える
建物を並べたのに、すべてが同じ距離にあるように見えることがあります。
横に置いていくだけで、前後を決めていないからです。 重なりが起きません。
そこで、三つの層に分けます。 描く順もそこで決まります。
街で重ねる三層
| 層 | 受け持つもの |
|---|---|
| 遠景 | 空と輪郭 |
| 中景 | 街の骨格 |
| 前景 | 手前の遮り |
遠景は輪郭だけで足ります。 細かく描くと手前と競います。
中景が街の骨格です。 道と建物の並びはここで決まります。
前景は手前を遮るものです。 一つ置くだけで距離が出ます。
前景から順に重ねる
街区はこちらで組んだ簡略図です。実在の都市も実在の建物も再現していません。
描く順は遠景・中景・前景です。 逆に描くと遠くの建物が手前を隠します。
この図では遠景に四棟、中景と前景に三棟ずつ置いています。 層が進むほど線を太くしています。
隣り合う層は横に重なります。 重ならないと前後が出ません。
前景に何を置くか
前景は一つで足りますが、何を置くかで効き方が変わります。
建物の壁。 画面の端から一部だけ入れます。いちばん強く遮ります。
電柱や標識。 細いので中景を隠しすぎません。縦の線が入ります。
植え込みや塀。 低いので、上半分が開きます。
人物の後ろ姿。 街と人物の距離が同時に出ます。
| 前景に置くもの | 遮る量 |
|---|---|
| 建物の壁 | 多い |
| 電柱 | 少ない |
| 塀 | 下だけ |
中景の見せたい部分を隠さない位置に置きます。 遮ること自体が目的ではありません。
道の幅が奥行きを決める
この図では、道の幅が遠景 26・中景 54・前景 96 です。
奥へ行くほど狭くなります。 建物を変えなくても距離が出ます。
道を一本通すだけでも層が分かれます。 建物の数を増やす必要はありません。
ここに出した幅は作図用の値で、道路の実寸ではありません。
細かいほど良いのではない
層を先に決め、奥から順に重ねる。 手順はこの一方向です。
層が重ならないときの直し方
三層に分けても、横に並んでいるだけでは奥行きが出ません。
前景を横へ動かします。 中景の建物と一部が重なる位置まで寄せます。
それでも重ならないなら、前景を大きくします。 画面の端から入れる量を増やします。
中景と遠景も同じです。 遠景の輪郭が中景の屋根と少し重なる位置にします。
重なりの量は少しで足ります。 完全に隠す必要はありません。
重ねたあとに離れて見ます。 三つの層が分かれて見えれば足ります。
遠いほど小さく淡くする
同じ大きさの建物を並べると、距離が読めません。
奥へ行くほど小さくし、線を細くします。 二つを同時に動かします。
色を使わない画面でも、線の太さだけで差が出ます。 塗りは要りません。
どの層をいちばん濃くするかは場面で選べます。
同じ街区を使い回せる
一度作った街区は、別のコマでも使えます。
カメラの位置を変えるだけで違う画面になります。 建物を描き直しません。
同じ街だと読み手が追えます。 場所が変わっていないことが伝わります。
新しい場所が要るときだけ足します。
背景を省く記事は情報の量
情報量を三段階で比べる記事は、どこまで省けるかを扱います。
あちらは減らす側、ここは前後を作る側です。
層を決めてからのほうが、省く順が決まります。 二つは続けて使えます。
省略から入る場合は、そちらの記事が合います。
学校背景の記事は施設の中
配置図から場面を選ぶ記事は、一つの施設の中を扱います。
あちらは建物の内側、ここは建物どうしの並びです。
範囲が違うので、そのままでは流用できません。 対象が別です。
校内の場面を描く場合は、そちらを開きます。
重ねたあと三つを見直す
| 見直すところ | 確認すること |
|---|---|
| 順 | 奥からか |
| 重なり | 隣の層と重なるか |
| 道 | 奥ほど狭いか |
一区画だけ、三層に分ける
いま平らに見えるコマが一つあるなら、そこだけを三層に分けます。
遠景は輪郭、中景は建物の並び、前景は遮る物を一つです。 数は増やしません。
重なりが出れば、そのコマは直ります。 出なければ前景の位置を横へ動かします。