COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画原稿のレイヤーを整理する|修正しやすい構成

公開日

線画・塗りとトーン・台詞・背景を別の層に分け、直すときに触る層を一つに絞る考え方を扱います。特定のソフトの機能名には触れず、役割で分ける形だけを見ます。

「漫画原稿のレイヤーを整理する」を表したイラスト

一箇所直すのに、全部描き直しになる

台詞を変えたいだけなのに、その下の絵まで消えてしまうことがあります。

描き方が悪いからとは限りません。役割の違うものを同じ層に置いているだけです。

線画・塗り・台詞・背景の四層をずらして重ねた分解の図
四つの層は役割で分けてあります

分ける手がかりは役割

層を分ける手がかりは、あとで別々に直したくなるかです。

同じときに必ず一緒に直るものは、同じ層で足ります。 分けすぎると扱えません。

層の数はこの四つでなくて構いません。 二つでも通ります。

どの層にも順位は付けていません。 上手い分け方を決めないためです。

層の並べ方の決まり

役割で分けても、上下が決まっていないと直せません。 並べ方には理由があります。

上に置くものほど、ほかに隠されたくないものです。 台詞がいちばん上なのはそのためです。

下に置くものほど、上のものに隠れてよいものです。 背景がいちばん下です。

同じ理由で、塗りは線画の下です。 はみ出しても線が上に残ります。

上から 置くもの 理由
一番上 台詞 隠れない
次 線画 形を保つ
次 塗り はみ出せる
一番下 背景 隠れてよい

この上下だけは、層の数を変えても保ちます。

四つの層と役割

層 何を置くか
台詞 文字と吹き出し
線画 人物の線
塗り 色とトーン
背景 奥の景色

台詞をいちばん上に置きます。 絵に隠れないためです。

塗りは線画の下です。 はみ出しても線が残ります。

二層から始める

最初から四層に分ける必要はありません。 二層から始められます。

台詞と、それ以外。 これだけで、台詞を直しても絵が消えなくなります。

次に線画と塗りを分けます。 塗り直しても線が残ります。

背景を分けるのは、背景だけ差し替えたくなったときで足ります。

増やす順を決めておくと、迷いません。 台詞、塗り、背景の順です。

層の数 できること
二層 台詞だけ直す
三層 塗り直せる
四層 背景を替える

直すのは一つの層だけ

台詞だけを差し替え、ほかの層は触っていない図
変えたのは一番上の層だけです

変えたのは一番上の層だけです。 下の三つは触っていません。

線画を直しても、台詞は元のまま残ります。 書き直さずに済みます。

背景だけを差し替えることもできます。 人物はそのままです。

層を増やす合図

増やすかどうかは、作業中に出る困りごとで決まります。

一箇所直すのに別のものが消えた。 その二つを分ける合図です。

同じ場所を二回描き直した。 消してから描いているなら、分けておけば消さずに済みます。

上から重ねたいのに隠れた。 順番の問題か、層が足りないかのどちらかです。

困りごとが出ていないなら、増やしません。 増やすほど探す手間が増えます。

合図が出た層だけを分けます。 全部をまとめて分け直さなくて構いません。

層の名前は自分で決める

層を決めるときに見る三つを同じ大きさの札で並べた図
名前は読めれば足ります
決めること 見るところ
名前 後で読めるか
並び 上下が合うか
まとめ方 一緒に直るか

名前は日本語で足ります。 自分が読めれば十分です。

並びは上下の関係だけ守ります。 細かい順は自由です。

層に置かないもの

すべてを層に分けると、かえって扱えなくなります。 置かないものを決めておきます。

下描き。 線画を描いたら消すか、まとめて一つの層に残します。分けても直す対象になりません。

作業用の目印。 コマの中心線や、貼る場所の印です。書き出す前に外します。

一度しか使わない試し塗り。 残すなら一つにまとめます。

外し忘れると、書き出したときに出ます。 書き出す前に、層の一覧を一度見ます。

直しにくくなったとき

やりにくくなるところを、三つ挙げてみます。 どれも自作の原稿での話です。

三つとも、絵を描き直していません。層の役割を決め直しただけです。

上下の並びが合っているか確かめる

レイヤーを整理したあとに確認したい5項目のチェックリスト
層の数を数える表ではありません

台詞が一番上にあるか。 下にあると隠れます。

塗りが線画の下にあるか。 上だと線が消えます。

一緒に直る層を分けていないか。 分けすぎると扱えません。

台詞だけを上の層へ移す

レイヤーを整えるのに、決まった数は要りません。次に直すとき、台詞だけを一つ上の層へ移すこと。

それで絵を触らずに直せるか。塗りは線画の下にあるか。 そこまで分かれれば、直す範囲は狭くできます。

層が二つのままでも構いません。 別々に直せていれば、それで通ります。

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