COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画の結末が決まらないときの考え方

公開日

一つの結末を当てにいくのではなく、同じ導入から三つの結末を最後まで書いて並べ、選択・得たもの・失ったもの・変化・余韻の五つの軸で見比べます。どれかを正解にはしません。

「漫画の結末が決まらないときの考え方」を表したイラスト

最後だけが決まらない

途中までは書けているのに、終わらせ方だけが出てこないことがあります。

一つに当てようとしているからかもしれません。先に三つ書いてしまって、あとから見比べる手もあります。

左に三段ぶん縦につながった導入の欄、右に同じ大きさの結末の欄を三つ並べた図
三つの欄は同じ大きさにしてあります

三つとも成り立つ

図で左の欄が縦につながっているのは、導入が一つしかないという意味です。

右の三つは、どれも同じ導入から出ています。 途中を書き換えた別作品ではありません。

三つの欄を同じ大きさにしてあるのは、順位を付けないためです。 上の段が良い結末という意味ではありません。

欄のあいだに矢印も引いていません。 一つ目から二つ目へ進むという話ではないためです。

返す・開ける・住み込む三つ

結末 そこで変わるもの
開けずに返す 何も動かない
一日だけ開ける 一度だけ会う
住み込んで続ける 場所が変わる

一つ目のように、何も動かない終わり方もあります。 それも結末の一つです。

三つとも最後まで書くのが要です。 頭の中で比べると、書きやすいほうに寄ります。

別の導入でも三つ

別の導入から同じ形で結末を三つ並べた図
三つで足りなければ、もう一つ足せます

導入を替えても、形は同じです。 左に一つ、右に同じ大きさの三つです。

三つでなければいけないわけでもありません。 二つでも五つでも、並べば見比べられます。

書いているうちに四つ目が出たら、足して構いません。 先に数を決める必要はありません。

見比べる五つの軸

結末を見比べる五つの軸を同じ高さで並べた図
全部そろわなくても見比べられます
軸 何を見るか
選択 何を選んだか
得たもの 手に入ったもの
失ったもの 手放したもの
変化 前と変わった点
余韻 あとに残るもの

上から順に見る必要はありません。 気になった軸だけ先に見ても構いません。

全部そろわなくても見比べられます。 一つの軸だけで決まることもあります。

軸ごとに勝ち負けを付けません。 得たものが多いほうが良い、ということはありません。

謎を残したまま閉じてもいい

置いたものを残らず説明しなくても、話は終われます。 説明しきると余白が消えることもあります。

残した部分に、失敗の印を付けません。 それが余韻になることがあります。

あとで説明したくなったら、そのとき書き足せます。 今すぐ決めなくても構いません。

導入と合っているか見る

三つ書いたあと、どれが導入とつながるかを見ます。

導入で立てた問いに答えているかを見ます。 別の問いに答えていると、途中から話が変わったように読まれます。

導入で出した人物が動いているかを見ます。 出てこないまま終わる結末は、合っていないことがあります。

導入で見せた場所へ戻るかどうかを見ます。 戻る形も、戻らない形も選べます。

合っていない結末を外さなくて構いません。 導入のほうを書き換える手もあります。

三つとも合っているなら、別の軸で選びます。

余韻は決めきらない部分

読み終わったあとに何が残るか。 ここは書き手が決めきれないところです。

読む人によって残るものが変わります。 そこを固定しようとすると、説明の文が増えます。

残らなくても構いません。 すっきり終わることを選んだ、という結果です。

途中の場面から結末を探す

三つ目が出ないときは、途中の場面を見ます。

書いた場面のうち、いちばん強く残ったものを選びます。 そこで人物が何を得たかを見ます。

得たものを手放す形が一つ作れます。 別の結末になります。

得たものをそのまま持って終わる形も作れます。

手放しも保ちもしない形もあります。 決めずに終わる結末です。

途中の場面から探すと、導入とも合いやすくなります。 同じ話の中から出しているためです。

意外さは目的にしない

ひっくり返すために結末を選ぶと、導入と合わなくなります。 合わない驚きは、驚きだけで終わります。

ありふれた終わり方でも成り立ちます。 途中に置いたものが効いていれば届きます。

驚きの大きさを測る欄を、図にも表にも作っていません。 比べる対象ではないためです。

選ばなかった二つの使い道

書いた三つのうち二つは使わないことになりますが、捨てなくて構いません。

別の話の結末として使えます。 導入を付け替えられます。

途中の場面として使えます。 一度そこへ行って、また動く形です。

続きの話の入口にできます。 選んだ結末のあとに置けます。

書いた日と、どの導入から出たかを添えておきます。 後で読み返したときに分かります。

残しておくと、次に迷ったときの材料になります。

結末を決めあぐねたら

手が止まりやすいところを、三つ書き出しておきます。 どれもこちらでこしらえたもので、実在の作品からは取っていません。

どの例でも、正しい結末は決めていません。 見比べられる形へ戻しているだけです。

三つとも最後まで書けたか見る

結末を選ぶ前に確認したい5項目のチェックリスト
良い結末を選ぶための表ではありません

三つとも最後まで書けたか。 途中で止めたものは比べられません。

どれかを先に正解にしていないか。 決めてから書くと、ほかの二つが言い訳になります。

選んだあとも、選び直せる形で残っているか。 捨てた二つを消さずに置いておけます。

二つ目を書いてみる

結末選びに、正しい型は要りません。一つを当てにいくのではなく、二つ目を最後まで書いてみること。

その二つで何が変わるか。何を得て、何を手放したか。 そこが違えば、もう見比べられます。

選んだあとも、残りは消さずに置いておけます。 書き直したくなったとき、そこから戻れます。

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