COMISTA JOURNAL漫画を描く

家族を描く漫画の物語を考える|役割のずれを場面へ

公開日

誰が誰に何を望んでいて、実際には何が起きたのか。その隙間を書き出して場面にしていきます。噛み合っている組も並べますし、家の中の立場で人物を説明することもしません。

「家族を描く漫画の物語を考える」を表したイラスト

家族を出しても、話が動かない

人物をそろえて食卓に座らせたのに、会話が続くだけで何も起きないことがあります。

関係が並んでいるだけだからです。望んでいることと、実際に起きたことがずれて、はじめて場面になります。

期待と実際の札を並べ、ずれている組だけ隙間を空けた図
ずれている組だけ隙間を空けてあります

隙間が空いているところが、ずれ

図で札と札が離れている組は、望んだことと起きたことが噛み合っていない組です。

隙間にばつ印も赤も付けていません。 ずれていること自体は悪くありません。

札の大きさも太さも、どの人物も同じにしてあります。 誰かを上に置かないためです。

並び順も偉い順ではありません。 書いた順に置いてあるだけです。

期待・期待・行動・ずれ・変化

軸 何を書くか
一人めの期待 何を望むか
二人めの期待 何を望むか
実際の行動 何が起きたか
ずれ 噛み合わないか
変化 場面がどうなるか

望む側と、実際に動いた側は、同じ人でなくて構いません。 片方が望み、もう片方が動くこともあります。

五つに順番はありません。 起きたことから先に書いても構いません。

噛み合っている組も描く

図の三つ目には、隙間がありません。 望んだとおりに事が運んだ組です。

全部がずれている必要はありません。 一組でもずれていれば、場面は動きます。

噛み合った組があると、ずれている組がはっきりします。 比べるものがあるからです。

別の場面でも同じ形

別の場面を同じ形で二組に整理した図
全部がずれている必要はありません

場面を替えても、書き方は変わりません。 望むことを書いて、起きたことを書きます。

二組でも成り立ちます。 人数をそろえなくて構いません。

こちらも片方だけがずれています。 どちらが正しいかは書いていません。

隙間ができるところ

隙間ができるところを同じ大きさの札で四つ並べた図
四つは重なることもあります
出どころ どういうことか
言っていない 伝えていない
思い違い 取り違えている
変わった 前とは違う
立場が違う 見えるものが違う

どれかが悪いわけではありません。 出どころが分かると、場面の作り方が決まります。

四つは重なることもあります。 言っていないうちに、お互いが変わっていることもあります。

ずれを言葉にする

隙間が空いていると分かっても、書き方が決まらないと場面になりません。

望んだことを一行で書きます。 「毎週来てほしい」のような形です。

起きたことを一行で書きます。 「月に一度来る」のような形です。

二行を並べて、違っているところを一つ選びます。 回数か、頻度か、中身かです。

書く行 例の形
望んだこと 毎週来てほしい
起きたこと 月に一度来る

望んだ側が口に出していなくて構いません。 言っていないこと自体がずれの出どころです。

相関図に上下を作らない

誰が正しいかを決める図ではありません。 望みが食い違っているだけです。

どちらかを直させる話にもしません。 ずれたまま終わる場面があっていいのです。

読む人がどちらに寄るかも、こちらでは決めません。 両方の望みを同じ大きさで置いておけます。

離れて暮らす家族を書くとき

同じ家にいない家族でも、同じ並べ方が使えます。

会う回数が少ないぶん、ずれが大きくなります。 前に会ったときのまま思っているからです。

変わったことを知らないまま望みが続きます。 そこが隙間になります。

電話や手紙の一言でも、ずれは見えます。 食卓でなくても場面になります。

離れていること自体を問題にしません。 望みと起きたことの差だけを見ます。

場面で何が変わるか

ずれを書いたら、そのあと何が変わるかまで書きます。 そこまで来ると場面になります。

変わるのは関係だけではありません。 食卓が早く終わる、という変わり方もあります。

元に戻る変わり方でも構いません。 変わらなかったと分かることも、一つの結果です。

ずれを場面へ移す

表に書いたずれを、そのまま場面にします。

ずれが表に出る一瞬を探します。 望んだ側が何か言う、黙る、席を立つ場面です。

説明で書きません。 「期待していた」と書かずに、期待していたことが分かる動きを置きます。

両方を同じ場面に出します。 片方だけだと、ずれではなく不満になります。

その場面のあとで何が変わるかまで書きます。 変わらなかった、でも構いません。

一つのずれで一場面です。 二つ入れると、どちらの話か決まりません。

どう並べるか迷ったら

並べ方に迷う場面を、三つ用意しました。 どれも架空の家族で、実在の誰かの話ではありません。

三つとも、誰かを直す話にはしていません。 動かしているのは並べ方だけです。

誰が何を望むか書けたか見る

家族の期待を並べたあとに確認したい5項目のチェックリスト
誰が正しいかを決める表ではありません

誰が何を望むかを書いたか。 ここが空だと、ずれが測れません。

噛み合う組もあるか。 全部ずらすと、どこが見どころか分からなくなります。

場面の変化を書いたか。 ここが埋まると、次の場面へ渡せます。

望むことを一行書く

家族の話づくりに、特別な出来事は要りません。続柄を並べるのではなく、誰が何を望んでいるかを一行書くこと。

そして実際には何が起きたのか。そのあいだが空いているかどうか。 そこまで見れば、場面の芯は決まります。

隙間は埋めなくても構いません。 空いたまま終わる場面があっていいのです。

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