昔の漫画を見返すときの振り返り方
公開日
架空の旧作について、箇所ごとに良かった点と直したい点を一行で並べ、残したい点と次作へ持ち越すことまで記録します。旧作を失敗作と一括評価せず、描き手の評価にも置き換えません。
昔の原稿を開くのがつらい
前に描いた原稿を開いたとたん、直したいところばかり目に入って閉じてしまうことがあります。
見る目が厳しいからではありません。作品全体をひとまとめに見ていて、箇所ごとに分けていないからです。
描き終えた直後の振り返りとは別
ここで見るのは、時間が空いてから開いた原稿です。 描き終えた直後に書く記録とは、見える場所が違います。
時間が空くと、良かった点のほうが見えにくくなります。 先に良かった点の欄から埋めます。
当時の条件は戻せません。 今の力で直す前提にはしません。
どれくらい空いた原稿を見るか
期間の決まりはありません。 ただ、二つの時期で見え方が違います。
数か月なら、当時の判断をまだ覚えています。 なぜそう描いたかが思い出せるので、直したい点に理由を書きやすくなります。
何年も空いていると、判断は思い出せません。 そのときは、読んだままの印象を場所に結び付けて書きます。
| 空いた長さ | 書きやすい欄 |
|---|---|
| 数か月 | 直したい点 |
| 何年も | 良かった点 |
一行に良かった点と直したい点を置く
箇所ごとに、二つの欄を必ず組で埋めます。 片方だけだと、次に読んだときの印象が偏ります。
どちらも原稿の中の場所で書きます。 「全体に古い」のような書き方は場所を持ちません。
直したい点に理由を添えます。 何が読みにくかったのかが、次作の手がかりになります。
理由の書き方をそろえる
直したい点には、何が起きたかを添えます。 読みにくい、とだけ書くと、次に何を変えるか決まりません。
起きたことは三つの形のどれかで書けます。 目が止まった、どこを見るか迷った、意味が二通りに取れた、です。
| 書くこと | 例 |
|---|---|
| 目が止まった | 台詞の位置 |
| 見る所に迷う | コマの並び |
| 二通りに読める | 表情の向き |
起きたことが書けない箇所は、いま直せません。 欄を空けて次へ進みます。
五つの欄に分ける
| 欄 | 書く中身 |
|---|---|
| 良かった点 | 残っている力 |
| 直したい点 | 読みにくい所 |
| 今なら変える | 手が届く直し |
| 残したい点 | 変えない所 |
| 次作へ | 持ち越す一つ |
今なら変える点と直したい点は別です。 直したいが手が届かないものもあります。
次作へ持ち越すのは一つだけにします。 全部持つと、次の原稿が前作の修正になります。
良かった点が出ないときの探し方
良かった点の欄が埋まらないのは、探す場所が決まっていないからです。
読み飛ばさずに読めた箇所を探します。 止まらなかったのは、そこが通っているからです。
描いていて手が速かった箇所を思い出します。 迷わず描けた所は、当時すでに身に付いていた所です。
いま描けないものを探します。 時間をかけた背景や、今は省いてしまう描き込みが当てはまります。
三つのどれかで一つ出れば、その行は埋まります。
記録に置かない言葉
| 書かない | 代わりに |
|---|---|
| 失敗作 | 箇所と理由 |
| 下手 | 読みにくい所 |
| 恥ずかしい | 今なら変える点 |
感じてはいけない、という話ではありません。 記録の欄に置かないという話です。
言い換えると、次に手を動かす場所が残ります。 評価の言葉は場所を持ちません。
残したい点を先に決める
残したい点は、直す前に決めておきます。 決めずに直すと、良かった所まで平らになります。
次作へ持ち越すのは、残したい点の中から一つです。 直したい点からではありません。
持ち越さなかったものは、記録に残して置きます。 消さなければ、また選べます。
開けない日があるとき
開けない場面を、三つ挙げます。 どれも見返し方の話です。
どの例でも作品をまとめて評価していません。箇所のほうを分けています。
五つの欄が埋まったか確かめる
良かった点と直したい点を組で埋めたか。 片方では偏ります。
評価の言葉を記録に入れていないか。 場所が残りません。
残したい点を先に決めたか。 決めずに直すと消えます。
開いたページの一箇所から書く
旧作を見返すのに、最後まで読み通す必要はありません。開いたページから一箇所選び、良かった点と直したい点を組で書いてみること。
場所で書けたか。残したい点は決めたか。 そこまで残れば、次のページも同じ形で見られます。
良かった点が一つでも構いません。 組で残っていれば、次作へ持ち越すものを選べます。