COMISTA JOURNAL漫画を描く

漫画背景のパース入門|空間を整理する

公開日

自作の室内を例に、基準線を引いてから箱を置き、形を起こすまでの作図工程を並べます。決まった作図法が正解なのではなく、物の前後が追えるかどうかを見ます。

「漫画背景のパース入門」を表したイラスト

部屋を描くと、物が床に乗らない

机も椅子も描けているのに、同じ部屋に置いた感じがしないことがあります。

線の引き方が下手だからとは限りません。先に基準線を引いていないだけです。

室内の基準線と奥行き線の上に、二つの箱を置いた作図の図
細い線が奥行き、太い線が物です

細い線が奥行き、太い線が物

図の細い線が、奥へ向かう向きです。床と壁の合わせ目から伸ばしてあります。

太い線で描いてあるのが物です。 奥行き線とは太さで分けています。

奥行き線は下描きの側に残る線です。 仕上げでは消せます。

どの引き方にも丸や印は付けていません。 唯一の作図法を決めないためです。

基準線で決まること

見るところ そこで決まること
目の高さの線 見下ろすか否か
奥へ向かう線 奥行きの向き
床と壁の境 物が乗る面

目の高さの線を先に決めると、見下ろし方が一つに決まります。 途中で変わりません。

床と壁の境が決まると、物の足元が決まります。 浮いて見えなくなります。

目の高さをどこに置くか

目の高さの線は、見ている人の目の位置です。 どこに置くかで場面が変わります。

人物の目の高さに置く。 同じ目線で見ている形です。落ち着いた場面に向きます。

人物より上に置く。 見下ろす形です。部屋の広さや床の物が見えます。

人物より下に置く。 見上げる形です。天井や高い物が入ります。

線の位置 見えるもの
人物の目 同じ目線
上 床と広さ
下 天井と高さ

一枚の絵に一本だけ引きます。 二本あると、どちらの目線か決まりません。

三つの工程

基準線・箱・形起こしの三つの工程を同じ部屋で並べた図
三枚とも同じ部屋です
工程 そこで決めること
一つ目 目の高さ
二つ目 物の置き場所
三つ目 物の形

箱のまま置いておけます。 形を起こすのは最後で足ります。

三枚とも同じ部屋です。 足したのは線だけです。

箱のまま止めておく

形を起こすのを急がないほうが、直すのが楽になります。

箱の段階で、置き場所と大きさが決まります。 ここが決まれば空間は成り立ちます。

箱のまま並べて、前後が追えるかを見ます。 形を起こしてからでは動かしにくくなります。

動かすなら箱の段階です。 起こしたあとに動かすと、線を引き直すことになります。

箱のまま次のコマへ進んでも構いません。 全コマの箱を置いてから、まとめて起こせます。

前後は奥行き線で分かる

二つの物の前後が、奥行き線のどこに乗るかで決まることを示した図
手前の物ほど線が下にあります

手前の物ほど、足元の線が下にあります。 奥の物は上に寄ります。

大きさだけでは前後は決まりません。 小さくても手前のことがあります。

重なりで隠れる側が手前です。 二つを見比べれば分かります。

奥行き線を消す時期

奥行き線は下描きの側の線です。 いつ消すかを決めておきます。

形を起こすまでは残します。 起こす途中で何度も参照します。

仕上げの前に消します。 残ったまま出すと、消し残しになります。

別の層に引いておくと、まとめて消せます。 物の線と同じ層に引かないようにします。

一部だけ残す選び方もあります。 床の境目は、そのまま物の線として使えることがあります。

部屋が歪んで見えるとき

引っかかるところを、三つ書き留めます。 どれもこの記事で組んだ部屋です。

三つとも、物を描き直していません。先に引く線を入れ替えただけです。

目の高さと足元を確かめる

空間を整理したあとに確認したい5項目のチェックリスト
線の本数を採点する表ではありません

目の高さの線が一本に決まっているか。 二本あると歪みます。

物の足元が床の面に乗っているか。 乗っていれば浮きません。

前後が重なりで追えるか。 追えれば同じ部屋に見えます。

目の高さの線を一本引く

背景を描くのに、決まった作図法は要りません。物を描く前に、目の高さの線を一本引いてみること。

その線から奥へ、線は伸ばせるか。物の足元は床の面に乗っているか。 そこまで見えれば、部屋は歪みません。

線が少ないままでも構いません。 前後が追えていれば、それで通ります。

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